コリドラスやプレコ、レッドテールキャットなど、
アクアリウムの世界ではナマズの仲間が大人気。
実は日本産の、いわゆる普通の「ナマズ」も釣りのターゲットとしてだけでなく、
ペットフィッシュとして昔から根強い人気を誇っています。
知っていそうで知らない、国産ナマズの飼育情報をまとめてきました。
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国産ナマズの基本情報
「ナマズ(マナマズ)」は全国の淡水域に生息し、50cmを超えるサイズに成長します。
マナマズの仲間として、さらに大型になり突き出した下あごが
特徴的な「ビワコオオナマズ」や「イワトコナマズ」がいます。
飼育法は3種ともほとんど変わりませんが、
イワトコナマズは水質や水温の変化に敏感な面があるようです。
ちなみに琵琶湖には、この3種のナマズがすべて棲息しています。
国産ナマズの飼育情報
導入当初は神経質で、大きな物音に驚いてジャンプしたり、餌食いの悪い時期もあります。
しかし、一度環境に馴染むととても丈夫で、飼育者によく慣れます。
水面からなでたり、水槽の中に手を入れて「手乗り」状態で軽くつかむことも可能。
水質が悪化したり、体調が悪くなるとヒゲが溶けたり、ぷつりと切れたりします。
まず水替えして様子を見ましょう。
ナマズ類の特徴として、魚病薬が苦手です。
水温が上下する春秋は白点病などにかかりやすくなりますが、塩浴で治療します。
国産ナマズの水槽
幼魚のうちは45cm水槽で飼育できます。
以降、成長に合わせ60cm、90cmとサイズアップが必要になるでしょう。
隠れ家となるパイプや土管は必ず用意してください。
単独飼育でも、数本用意してお気に入りを探させてあげるとよいでしょう。
夜行性で、物音や明かりに神経質な面があるので、水草を入れなければ照明も必要ありません。
パワーがあるためジャンプして飛び出すことがあります。
水槽の蓋には必ず重しをしてください。
国産ナマズの水質
極端なアルカリ寄りでない限り、水道水の水質で問題ありません。
冬でも無加温で飼育できます。
濁った水に住んでいるイメージの強いナマズですが、実は清浄な水を好みます。
45~60cm水槽の時は上部フィルター、
それ以上の水槽サイズは外部フィルターを用意し、しっかりろ過を効かせましょう。
吐水口の位置や固定方法に注意しましょう。
はじき飛ばして部屋中を水びたしにしてしまうことがあります。
国産ナマズの底砂
フンが多いので、底砂を敷かない方が管理は楽です。
水草を掘り出されるリスクもあります。
どうしても水草を楽しみたい時は、シェルターや流木に活着させておくとよいでしょう。
国産ナマズの餌
植物質の餌以外、好き嫌いはまったくありません。
口に入るものは何でも丸飲みにします。
混泳や複数飼育のつもりで入れた魚さえ丸飲みにします。
生餌をコンスタントに与え続けるのは大変なので、
ナマズ用のタブレットや錦鯉の餌がおすすめです。
水温が下がると、活動量が低下し食いも悪くなるので、様子を見ながら餌を絞ります。
国産ナマズの混泳
非常にどん欲なので、単独飼育が原則です。
「ナマズとほぼ同じサイズだから大丈夫」と思って入れても、食べられていることがあります。
大型水槽で南米産ナマズと日本産ナマズの混泳…といった光景を期待してしまいますが、
混泳には細心の注意とリスク、そして運の要素が存在します。
アカザの飼育
渓流域に済む日本産ナマズ「アカザ」は
上で紹介したマナマズとまったく違う飼育法が必要となってきます。
飼育のポイントは
○全長10cmの小型種なので45cm水槽で飼育可能。
○気が荒いので単独飼育。
○渓流の魚なのでろ過とエアレーションはしっかりと。
○水温は25度以下を保ちます。夏場はエアコンや水槽用クーラーで調節しましょう。
○隠れ場所は必須。
○できればイトメなどの生餌。冷凍アカムシや川魚の餌も食べます。
○ひれに毒があるので、導入の際には注意しましょう。
驚いてジャンプした際に刺されることがあります。