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メダカ飼育で絶対に押さえておくべきリスト【保存版】

2019年2月13日

メダカとマツモ f

 

日本に古来から存在する最小の淡水魚メダカは、長年に渡り多くの日本人に愛されてきました。メダカは水の綺麗な小川や田園に棲みつき、水温が高ければ一年中にわたり産卵が見られるほど比較的育てやすい日本特有の観賞魚です。

 

現代では環境汚染や森林破壊により日本の代表的な淡水魚のメダカは見られなくなりましたが、近年メダカブームも重なり多くの方からメダカに再注目しています。飼育も容易なことから多くの愛好家に品種改良され、今では多くの改良メダカがペットショップなど市場に流通しています。

 

ペットショップやホームセンターなどでキレイなユニークなメダカを見てあなたも「メダカを飼育してみたい!」と思ったことはありませんか?

 

今回の記事では、初心者から上級者向けまでメダカの飼育方法やメダカ飼育に最適な水草、メダカの繁殖を促進させる効果的な餌やりなど網羅的に情報をまとめてみました。

 

メダカの基礎知識(メダカをもっと知ろう)

メダカ f

 

メダカとは何?

 

メダカは古来から日本に現存する最小の淡水魚です。アクアリウム界でも他の生体に比べて比較的に飼育が簡単なため金魚と並び観賞魚として古くから日本人に親しまれていました。その歴史は大変古く江戸時代の庶民からも愛されているほど多くの日本人を魅了してきた淡水魚です。ダツ目メダカ科メダカ属に分類される淡水魚です。

 

POINT.1泳ぐ宝石として加熱する空前のメダカブーム到来。
POINT.2初心者でも簡単に飼育できる生体として入門者向け。

POINT.3金魚と並び古来日本でも愛され続けた最小の淡水魚。

 

 

西洋にメダカが知られたのはいつ頃なの?

フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト / wikipedia 引用

フォン・シーボルト / wikipedia 引用

 

ドイツの医師でもあり博物学者でもある「フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト」が江戸時代に来日したことによって、1823年に初めて西洋社会にメダカの存在を報告されたとしています。

 

日本メダカの学名について

 

 

学名は「Oryzias latipes」を「ミナミメダカ」、「Oryzias sakaizumii」を「キタノメダカ」と呼称されています。本来、日本産は「Oryzias latipes」が1種であると考えられていましたが、2011年12月に青森県から兵庫県の日本海側に生息する別種「Oryzias sakaizumii」が別種として記載されたことから日本産は2種類に分類されました。そして2013年に混乱を防ぐために両種を「ニホンメダカ」と総称して呼ぶことになりました。

 

POINT.1西洋に初めて日本メダカを報告されたのが1823年、ドイツの博物学者であるシーボルトが江戸時代に来日したことによって西洋文化にも日本の淡水魚が知られるようになった。

POINT.2メダカの種類は1種と考えられたが、日本海側に生息するメダカが別種として記載された。

POINT.32種のメダカの混乱を防ぐために両種を「ニホンメダカ」と総称して呼ばれるようになった。

 

メダカの形態を分かりやすく

メダカ f

 

日本最小の小型の淡水魚と知られるメダカの体長は約3.5cmほど。背びれは後ろに集中し、腹ビレの前端より後ろにあります。また腹びれは前後に長く側線がないのが特徴です。雄と雌では形態に違いがあり、オスの背びれの膜には欠ける部分がありますが、メスにはないのが特徴です。

 

またメスのほうが胸びれと腹びれが大きく、オスは背びれと尾びれが大きいのでこの2つの特徴を掴んでおけば繁殖する際にペアの判別がしやすくなりますので覚えておきましょう。

 

POINT.1体長約3.5cmほどの淡水魚。

POINT.2オスは背びれと尻びれが大きく、メスは胸びれと腹びれが大きい。

POINT.3繁殖する際には特徴を理解してペア飼育すると良い。

 

メダカの生態系を理解する

ボウフラ f

 

メダカが生息する主な特徴としては、流れの緩い水路や小川に生息しています。水路などに発生する光合成を行わない動物プランクトンや浮遊生活をしている蚊の幼虫ボウフラを好んで食しています。またボウフラを退治することから益魚としても重宝されています。

 

メダカは春から夏にかけて産卵し、1回の産卵あたり約10個の卵を産みます。卵の直径は1-1.5mmで球形です。卵黄の色は淡黄色をしており、卵膜は透明で厚く弾力があることから指で摘んでも潰れません。よく目を凝らして観察をすると卵膜の表面に長さ0.5mmほどの細かい毛があり、数十本の付着糸が10-20mmほど伸びています。

 

冬眠があけたメダカたちが産んだ卵が孵化しかえった稚魚は、夏から秋の間に大きく成長し、次の年には産卵をします。中には早い時期に孵化した個体によっては、その年の秋には産卵する個体も存在します。

 

メダカが「水田の魚」と称される理由

 

 

日本での水田に水が張られる時期がメダカの産卵時期と丁度被ることから、日本の稲作文化と深く密接しています。このことから、「水田の魚」として日本人と共存してきた背景があります。蚊による大量発生もボウフラを好んでパクパク食べるので、益魚としても扱われているメダカは日本人にとってバランスよく調和された自然の生態系だということも読み取れます。

 

「水田の魚」なのに海水でもメダカが生活できるワケ

 

 

メダカは耐塩性が非常に高いことでも知られています。これは、腎臓機能が発達していることから少しずつ汽水に慣れさせれば海水で生活することも可能です。

 

腎臓機能が発達していることにより、洪水で海に万が一流されても河口付近の汽水域にとどまり、流れが緩やかになるまで待機し遡上することができるのです。

 

野生メダカの寿命と飼育メダカの寿命の違い

メダカ f

 

一般的に野生メダカの寿命は数ヶ月から1年ほどと言われています。人工的な飼育環境では長い個体でも3年から5年ほど生きるようです。(※飼育環境に異なる)

 

メダカは仲間を見分けるために顔認識していることが発見される

 

 

東京大学大学院理学系研究科の王牧芸研究員(現東京大学大学院総合文化研究科特任研究員)と岡山大学の研究グループは、メダカが自分たちの仲間だと見分けるために「顔」の情報を利用していることが判明しました。この機能は「倒立顔効果」とも言われ、人を含む多くの動物や哺乳類に備わっている能力です。実は哺乳類意外の動物で「倒立顔効果」を発見したのは今回が初めてです。

 

現在もこの研究は進められており、解明ができればメダカの個体記憶の神経機構や動物社会の成立に顔認識構造の起源に迫ることも期待されています。

 

ソース元:

 

POINT.1ボウフラを食べることから益魚として知られている。

POINT.2メダカは耐塩性が高い。

POINT.3倒立顔効果がメダカにも見られる。

 

メダカが絶滅危惧II類 (VU)に記載された理由

 

 

童謡「めだかの学校」にも歌われているとおり、かつて日本では多くの小川にメダカの群れが遊々と泳いでいました。しかし、19080年代あたりから農薬の使用や生活排水による環境悪化が社会問題にもなりました。また堤防を多く設けたことにより水路などの緩やかな流れが減少しました。さらに追い打ちをかけるかのように繁殖力の高い外来種(主にブルーギルやカダヤシ)による捕食も深刻になり一気に個体数が自然界から減りました。

 

また、近年は農地改良に伴う用排分離が整備されたことから、水田のような一時的水域にメダカが進入することもできなくなり、この影響がメダカの性質を阻害し繁殖率を著しく削いでいる要因ともなっています。

 

上記のような環境破壊や、開発の影響に伴いメダカを取り巻く環境が大きく変わったことから、1992年2月に環境庁によって絶滅の危険が迫ってきている種「絶滅危惧II類 (VU) 」にメダカが記載されました。

 

2003年5月には環境省が発表したレッドデータブックに絶滅危惧種としてメダカが指定されました。こういったマスコミによる発表はかつて日本に馴染みのあったメダカが絶滅危惧種として指定されたことにより日本でも大きな話題になりました。

 

この話題がきっかけに日本各地で保護活動が行われるようにもなりました。

 

POINT.11980年代から野生のメダカが激減した。

POINT.2外来種や水路整備によりメダカの繁殖率が低下した。

POINT.31999年環境庁によりレッドリストに記載、2003年環境省により絶滅危惧種に指定された。

 

メダカが絶滅危惧種に指定されたことによる保護活動の弊害

 

「めだかの学校」でもお馴染みのメダカたちが減少したことにより、日本各地では保護熱が高まってきました。こうしたメダカを守ろうとする保護活動の弊害として、メダカの遺伝的多様性を減少させる遺伝子汚染という現代の新たな問題を作ってしまうことになります。これは、メダカの生息水域によって遺伝的な違いが研究されています。こうした遺伝的な違いがあるにもかかわらず、遺伝への配慮が足りず、メダカ池やビオトープを構築しました。

 

造ったメダカ池やビオトープに本来その域には放流すべきではない他の地域のメダカを放流、また鑑賞魚として品種改良された「ヒメダカ」を放流した事例もありました。中には外来種のカダヤシを誤って放流してしまうなど問題にもなりました。現在は、安易な放流を行わないよう啓蒙活動が行われています。

 

やむを得ず生態系全体を考慮した放流を行う場合は、日本魚類学会が示した「生物多様性の保全をめざした魚類の放流ガイドライン」を参考にしつつ、専門家に相談が必要になる。

 

POINT.1絶滅危惧種に指定されたことにより保護熱が高まってしまった。

POINT.2本来生息しない地域のメダカを放流したことにより遺伝子汚染が問題となっている。

POINT.3やむを得ず放流をする際は生態系全体を考慮し専門家に相談をする。

 

メダカ雑学tips

 

繁殖力の高いカダヤシ目(旧メダカ目)とよくメダカは間違われます。実はカダヤシ目は熱帯魚の一種であり現在の分類のメダカとは直接的な関係はありません。これがカダヤシ目は卵生メダカ・卵胎生メダカと呼ばれる由来です。

 

メダカの種類

 

多くの日本人に愛されてきたメダカたちは品種改良も進み、多種多彩なメダカが存在します。

 

品種によって飼育の難易度も変わったり、中には高級メダカがいたり古い種類から新しい種類を合わせると現在460種類も存在しています。これだけ多いと似ている品種やになり理解するのが非常に難しいかと思います。

 

こちらでは、メダカの品種別に分かりやすくリスト化しました。ペットショップに行く際に是非、参考にしてみてください。

 

 

漆黒を体現したセンスのあるメダカ達(黒系統)

 

オロチ

 

 

2016年に飛鳥メダカの谷國昌博氏が作出しました。製作者いわく「もっとも黒いのはオロチ」と断言するほど、誰が見ても漆黒を再現した品種です。

 

ブラックメダカとオロチの違いとしては、ブラックメダカは屋外で飼育することによって体色の漆黒さに深みが増しますが、オロチは室内飼育でも体色が薄くならないことが特徴です。漆黒の煌きを保つ品種として多くのメダカ愛好家に愛されている品種でもあります。

 

POINT.1太陽光を浴びなくても漆黒の煌きを体現している。

POINT.2黒色一色でメダカ愛好家を夢中にさせている。

POINT.3ヒレや顎下、腹面までも漆黒で美しい。

 

 

小川ブラックメダカ(スーパーブラックメダカ)

 

 

小川ブラックメダカ(スーパーブラックメダカ)とは、大きな特徴に

見た目通りの黒い体色です。小川ブラックメダカが愛される理由としては、この漆黒といわれる体色の黒さ。一般的な野生種(黒メダカ)と比較すると、より漆黒の深みの違いを体感できるかと思います。小川ブラックメダカの中にはピュアブラックのようにスモールアイで黒いメダカもいますが、普通目での漆黒の奥深さが小川ブラックメダカの人気の秘密のようです。

 

個体差によっては、若干薄めのグレーに近い個体もいるので念頭に起きましょう。飼育の難易度としては、丈夫な品種なので飼育しやすいです。気に入ったら小川ブラックメダカの繁殖にトライしてみてはいかがでしょうか?

 

ちなみに小川ブラックメダカ(スーパブラックメダカ)の誕生秘話は、「めだか倶楽部 クリーク」代表の堀田祐二氏が、かつて小川氏が飼育していたメダカに黒いメダカが混ざっていたので選別し品種改良を行ったことによって20009年に「小川ブラック」として発表されました。

 

POINT.1丈夫な品種のため飼育がしやすい。

POINT.22009年に発表されたブラック系統のメダカ。

POINT.3「めだか倶楽部 クリーク」の堀田氏が作出。

 

スーパブラック出目

 

 

小川ブラックの出目種になります。出目の出現率は約70%程度であり、小川ブラックメダカ(スーパブラックメダカ)と比較すると若干黒みは薄くなっています。しかし、小川ブラック出目は通常の漆黒の深さを追求しているので十分に黒いと言えるでしょう。体色を保つコツとしては、保護色が働く影響があるため黒系の容器で飼育をしましょう。また水質悪化にも強いため飼育もしやすいのが特徴です。

 

黒龍めだか/ブラック透明鱗メダカ

 

 

黒龍めだかの特徴としては、ブラックメダカの鱗が透き通った鱗タイプの品種です。透明なため頬が赤く透けてみえて美しいです。室内の水槽での飼育環境では保護色機能によって体色が薄くなる傾向があります。つまり、黒龍めだかは、保護色体質が備わっていることから、周囲の環境や容器の色によって体色が若干変化する場合があります。ただし、環境によって体色が変わることから元の環境に戻したり、環境を変えることによって元の色に戻る性質をしています。

 

黒蜂(こくほう)

 

 

黒体色ベースながら赤い頬に、黄金系のヒレをしていることから、横見で優雅に泳ぐ姿が魅力的です。オスには透明鱗に赤みが加わり、ヒレには黄金に近い深みのある黄色のコントラストが素晴らしい渋いメダカです。

 

稀にオスに黒一色で誕生する場合もあり繁殖にも楽しみがいがある種類になります。稚魚から飼育した場合は、小さな黒点が集団で泳ぎ可愛らしく愛着が湧きやすいです。飼育スペースに余裕がある方はぜひ。

 

POINT.1メダカの種類は多いため個人的に気に入った種類を選ぼう。

POINT.2レアな品種を掛け合わせると新たな品種が誕生するかも。

POINT.3現在460種類以上のメダカが存在している。

 

 

 

ピュアブラックメダカ/黒べえ(くろべえ)

 

めだか館の大場幸雄氏(広島県)により2001年に作出したメダカです。主な特徴としては、保護色機能がほとんどないことから、どんな容器に入れても純黒を保つことができます。名称の由来は、作出当時に茶メダカと比較をし、真っ黒な体色が特徴的だったことから「ピュアブラックメダカ」として愛称が付けられました。

 

現在は、ピュアブラック黄金メダカなど様々な種類が誕生してきましたが、現代改良メダカの原点(元祖)となる品種です。また、通常のメダカよりも目のサイズが小さく所謂「スモールアイ」であり、体型は頭が長くとてもスマートな印象です。一般的にピュアブラックメダカの繁殖は難しいと言われています。ピュアブラックメダカ同士を交配してもピュアブラックメダカが生まれる確率が低いことが要因となっています。非常に貴重なメダカといえるでしょう。

 

ピュアブラック黄金メダカ

 

上述したピュアブラックメダカの体色に黄金色のヒレが加わったメダカです。上見では美しい虹色細胞を楽しみ、横見では輝くヒレの発色を楽しむことができます。黒黄金に重なった虹色細胞の輝きは圧巻です。

 

行田ブラックメダカ

 

 

行田ブラックメダカは、行田淡水魚が作術された新種のブラックメダカです。スーパブラックと掛け合わせを行い、真っ黒で漆黒の煌きを放っています。保護色機能が働きづらいため白容器の中で飼育しても真っ黒の体色を維持できます。

 

黒幹之メダカ/黒みゆきめだか

 

青幹之メダカとは違い黒い体色に純金の対外光を放つ黒幹之メダカです。金色の光には特有の緑がかかった多彩な黄金色を放っています。

 

紅を追求したオレンジ色のメダカ達(赤・オレンジ系統)

 

ヒメダカ(緋目高)

 

 

メダカ飼育をしている方ならお馴染みのヒメダカ。ペットショップなどでも一般的に販売されており値段も手頃でとても買いやすい価格帯となっています。肉食魚の餌としても通販で大量に販売されています。黒メダカの突然変異型の一つで観賞魚としても人気です。

 

ヒメダカは黒色色素を作るメカニズムがあるが黒色素胞がないため体表を黒くできないことから黄色のようなオレンジ色をしています。ヒメダカにも派生が多く、背中が蛍のように光るヒカリメダカ(ホタルメダカ)や、班が混ざったブチメダカ(班メダカ)黒の要素が混じったチャメダカ(茶目高)、琥珀色に見えるコハクメダカ(琥珀メダカ)など様々バリエーションを持った緋目高が多いのも特徴です。

 

 

楊貴妃メダカ

 

メダカブームの火付け役となったメダカではないでしょうか。2004年に作出されて以来、今でも手軽に購入できる品種として大変人気の品種です。ヒメダカ(緋目高)と似ており違いが分からないという声もありますが、その違いは明白です。ヒメダカよりも強烈な赤みを放っており、とても鮮やかなオレンジ色の体色です。

 

改良メダカの火付けともなったメダカ界隈にとって重要な存在です。現在も活発的に品種改良が進められており進化している品種でもあります。鮮やかな赤味の発色はとても美しいですよ。

 

楊貴妃ヒカリめだか(東天光メダカ)

 

 

楊貴妃メダカの体の赤みが強い朱赤に光が加わった品種です。特徴として背中の中央部(背びれより手前)が白光を帯びているタイプです。飼育難易度も低く繁殖も簡単なため多くのメダカファンに愛されている品種になります。

 

 

琥珀メダカ(コハクメダカ)

 

204年に作出された品種です。背びれと尾びれに強烈なオレンジ色を神秘的に放っているのが特徴です。頭部が褐色肌のような色味をしていながら、体色が古代の宝石「琥珀」を連想させる綺麗なメダカです。

 

繁殖の難易度としては、体色の固定率が高い品種ではあるもの、意外と綺麗な個体を作るのが難しいデリケートな品種です。圧巻の琥珀色を体験してみてはどうでしょうか。

 

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