ウーパールーパー(メキシコサンショウウオ)は昭和の時代に大ブームになった生き物です。現在ではあまりメディア等に取り上げられることは少なくなりましたが、実はペットとして根強い人気を持っているのです。
今回の記事ではそんなウーパールーパーについて飼育のポイントなどを調べてみましょう。
この記事の目次
ウーパールーパーとは?
そもそもウーパールーパーとは何者なのでしょうか。ウーパールーパーは「サンショウウオ」の仲間で「メキシコサンショウウオ」や「メキシコサラマンダー」とも呼ばれています。
よく見られるウーパールーパーは薄いピンク色をしていますが、これは品種改良されたもので、野生の個体は黒っぽい体色をしています。野生のウーパールーパーは乱獲などにより急激に数を減らしており、規制の対象になっているため、現在流通しているウーパールーパーは主に国内で養殖されているものです。
幼い体のまま大人になる
ウーパールーパーの大きさは10センチから25センチくらいでオスの方がやや大きく、メスは20センチを超えることはめったにありません。よく見かけるかわいいウーパールーパーは実は「幼体」でカエルで例えるとオタマジャクシのようなものです。
ウーパールーパーが珍しいのはその幼体のまま成熟して大人になるという事です。これを「幼形成熟」と言います。まれに陸上に上がると形態が変化し、かわいいとは言い難い姿に変化します。強靭な再生能力を持ち、手足などの一部分のみならず、脊椎や心臓なども再生するため、医療の面で注目されている生き物でもあります。ウーパールーパーは比較的長生きで、平均で10年程度、長いものだと20年くらい生きる個体もいます。
水質の変化には強いが低温に注意
ウーパールーパーは通常の熱帯魚などと比べると大きめなので、飼育する際は45センチ以上の水槽を用意するようにしましょう。具体的には体の大きさの3倍くらいの大きさの水槽を用意するのが理想です。水質にはあまりこだわりませんが、水道水をそのまま使うには塩素が強いので「カルキ抜き」が必要です。
水温は15度から25度くらいが理想で、なるべくならば20度前後をキープしたいところです。それ以上や以下になる環境に水槽を置いている場合は水槽用のヒーターやクーラーが必要になるでしょう。寒さには比較的強いウーパールーパーですが、水温が10度を下回ると極端に動きが悪くなるので注意しましょう。
ウーパールーパーのエサは1日1回で
ウーパールーパーは野生では小魚などを食べています。飼育する際は、ウーパールーパー専用の人工エサが販売されていますので、そちらがおススメです。エサは1日1回、同じくらいの量を与えると良いでしょう。
食べ残しは水槽の汚れにつながりますので、水を換えるかきちんと掃除をするようにしましょう。おやつとしてメダカや金魚などを生き餌として与えるのも良いでしょう。ただ、寄生虫や病気を持っている場合もあるのであまりお勧めしません。販売されている「冷凍アカムシ」などは安心して与えられますが、ウーパールーパーにとっては栄養が少ないので、メインの餌にするのはお勧めできません。
ウーパールーパーは混泳できない?
ウーパールーパーは野生においては「共喰い」で成長しています。そのため、7センチくらいまでの小さな体の時は混泳することはお勧めできません。逆にある程度大きくなった個体同士ならば混泳は可能ですが、あまりに大きさが違うと食べられてしまう恐れがありますので、大きさは揃えましょう。
そして餌が足りないと争いになることもあるので、餌はしっかり与えてください。他の魚との混泳は小さな魚なら食べられてしまう恐れがありますし、ある程度の大きさがあっても傷つけられることもありますので、基本的にはウーパールーパーと他の魚との混泳は向いていません。
ウーパールーパーの繁殖は可能で、たくさん卵を産む
ウーパールーパーは春の始まりを感じて繁殖行動をする性質があります。そのため、そのために水温を10度以下の低い温度に保ち、そこにオスとメスをペアで投入し、徐々に水温をあげていきます。
そこでうまくいけば繁殖行動が始まるのです。産卵に成功すれば2週間程度で孵化し、1センチくらいの幼生が生まれます。最初はブラインシュリンプを与えていき、孵化2週間後にはアカムシを食べるようになります。注意点としてはウーパールーパーは産卵量が多く、一度に200個ほどの産卵をします。そのため水槽の汚れが発生しやすいので、孵化しない卵はすぐに掃除してください。
また、たくさんのウーパールーパーが生まれる恐れがありますので、計画的に繁殖を行ってください。一部の地域では捨てられたウーパールーパーが増え、社会問題になっています。
ウーパールーパー飼育のまとめ
見た目がカワイイウーパールーパー、その姿は癒されること間違いなしなので、ぜひ飼育に挑戦してみてください。