熱帯魚の売れ筋ランキングで必ず上位に入ってくるのは、
王様・ディスカスよりも、なんと「貝」。
苔取り役のタンクメイトとして貝を購入する人がとても多いのです。
貝の種類別に、能力とポイントをチェックしていきましょう。
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能力はフネアマガイ、飼いやすさはレッドラムズホーン
イシマキガイ(石巻貝)
苔取り能力★★★★★
残餌の処理★★★★
飼いやすさ★★★
バツグンの苔取り能力、
どこでも入手できる手軽さなどタンクメイトの貝としては抜群の実力を誇るイシマキガイ。
弱点は長期飼育が難しいことです。寿命が1年ほどしかなく、
淡水では繁殖できないため、落ちたらそのたびに買い足す必要が出てきます。
見た目で成熟度を判断しにくいため、
既に寿命の近い個体を入手して1~2ヵ月で落としてしまい
「イシマキガイは弱い」という先入観を持たれることもあります。
水槽内の苔と残餌のみで、イシマキガイのために餌やりしていない人がほとんどでしょう。
意外と大食漢なため、ベアタンクでは餓死してしまっている可能性もあります。
ヒメタニシ
苔取り能力★★★★
残餌の処理★★★★
飼いやすさ★★★★
稚貝で子孫を増やすことからイシマキガイより維持が楽で、
かつ同等の苔取り能力を持つお役立ちの貝です。
「水質浄化してくれる貝」というキャッチコピーで販売されていることもありますが、
ヒメタニシを入れていればフィルターが要らないという意味ではないのでご注意を。
ヒメタニシは植物プランクトンを食べる性質があります。
お堀のように植物プランクトンが大量発生し緑色の水になっている環境にヒメタニシを入れると、
透明にしてくれることから「浄化」という言葉が用いられているのです。
決して亜硝酸やアンモニアといった魚に有害な物質を処理してくれるわけではありません。
ヒメタニシは糞の量が少ないので、
ジャンボタニシなど他の仲間に比べ「水を汚しにくい」のは事実です。
レッドラムズホーン
苔取り能力★★★★
残餌の処理★★★★★
飼いやすさ★★★★★
鑑賞価値をあまり見出されていない苔取り要員の貝たちですが、
レッドラムズホーンは別格。赤味を帯びた殻と体がアクセントになります。
旺盛な繁殖力もポイント。
雌雄同体なので2匹いれば増えていきます。
むしろ繁殖しすぎて、目立ちすぎたり、
ゼリー状の卵がびっしりついて水槽が見えづらくなったりというケースの方が多そうですが…。
特に水質が弱アルカリ性に傾くと増えやすいので注意しましょう。
ピンクやブルーなど突然変異を固定した品種もいます。
交雑すると地味な原種の色に戻ってしまうので、
レッドラムズホーンだけを維持したいという方は単独飼育(?)をおすすめします。
フネアマガイ
イシマキガイ(石巻貝)
苔取り能力★★★★★
残餌の処理★★★
飼いやすさ★★
苔取り能力についてはイシマキガイと同等かそれ以上の力を有しています。
惜しむべきはレッドラムズホーンのしぶとさがないところ。
吸着力が強すぎ、壁面から無理にはがすと弱ってしまったり、
ひっくり返ってもそのまま起きられず落ちてしまうことがあります。
じっくり観察すると、様々な模様違いがあり、意外と(?)美しい貝です。
本気で飼育したくなった方は、本来の生息域である汽水を用意してあげてください。
ゴールデンアップルスネール
苔取り能力★★★
残餌の処理★★★★★
飼いやすさ★★★★★
黄金色の殻を持つ美麗な貝。
レッドラムズホーンより大型になり、見ごたえがあります。
動物食の傾向が強いため、残餌処理で力を発揮。
大型水槽にうってつけです。
肺呼吸できるのは特徴であり欠点。水から出ても一定期間生きられるので、
よく水槽から脱走してしまいます。
夏場、水温調整のため蓋をあけている時は注意してください。
朝になると殻を閉じて床に転がっていることがあります。