ナマズ

デンキナマズはどんな魚?電気ナマズの飼育方法も案内

2017年5月13日

(熱帯魚)電気ナマズ(1匹)北海道・九州・沖縄航空便要保温

 

アフリカに分布するナマズをご存知ですか?

電気を出す魚として昔から有名な魚です。

wikiなどを見ますと、ヴィクトリア湖を除くナイル川水系、コンゴ川、

トゥルカナ湖、チャド湖とありますので、アフリカ中央部、赤道直下付近が主な分布域となります。

 

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分類学草創期より知られている魚

(熱帯魚)電気ナマズ(1匹)北海道・九州・沖縄航空便要保温

 

デンキナマズMalapterurus electricus(Gmelin1789)は

命名者からもわかるように分類学草創期より知られている有名な魚です

(ナポレオンのエジプト遠征で発見されたポリプテルス ビキール ビキールが記載される13年前)。

本種とデンキウナギ、シビレエイは「強電魚」と呼ばれており、

この3種類ほどの発電はしませんが、モルミルスやジムナータス、

アフリカンナイフフィッシュなどは「弱電魚」と呼ばれています。

このほかにもナマズ目の魚類では普通に電気感覚を持っており、

板鰓類と呼ばれるギンザメを除くサメ・エイなどの仲間や一部の両生類、

哺乳類のカモノハシが脊椎動物で電気感覚をもつことが知られています。

デンキナマズの電圧は400-450ボルト、

デンキウナギで300から866ボルト、シビレエイで70~80ボルトです。

 

ユーモラスな外観は背鰭がないことが原因?

(熱帯魚)電気ナマズ(1匹)北海道・九州・沖縄航空便要保温

 

このデンキナマズ類には実は背鰭がありません。

あるじゃないかと言われる人もいるかもしれませんが、

あの背中の後半部についているのは背鰭ではなく、

脂鰭(あぶらびれ)なのです。背鰭などの鰭には筋があり、

その筋のように見えるものは棘とか軟条とか言われる骨で、

これに鰭膜と呼ばれる皮膚が張り付いて鰭になるのですが、脂鰭にはこの骨がありません。

そのまま背中の皮膚が伸びて平たくなった感じです。

本種はもともとソーセージの体型をしていますが、それに加えてこの背鰭がなく、

体の後半に脂鰭があるせいでフグのようなマンボウのような、

ユーモラスな外観がより強調されるではないでしょうか。

この脂鰭、魚類の系統と関係なく、様々な種類の魚で見られます。

本種を含むナマズ目魚類では多くの種で見られ

(脂鰭のない日本のナマズ属Silurus はナマズ目の中では異端)一般的にはサケや、

ワカサギ、アユなどのサケ科、キュウリウオ科、アユ科の魚が有名でしょう。

そのほか、海水魚のワニトカゲギス目、ヒメ目やハダカイワシ目、

我々アクアリストにもおなじみのカラシン目、

近年販売されるようになった北米の淡水魚パイレーツパーチを含むサケスズキ目が脂鰭を持った魚です。

脂鰭は実は何のためにあるのかよくわかっていません。

ただ、ある実験によるとニジマスの脂鰭を切除した実験区と切除しなかった

実験区では前者の方が尾鰭の振幅の幅が大きくなり、

少なくともニジマスでは脂鰭がないと無駄な動きが増えて、

エネルギーの消費が増える傾向にあるようです。

でも別の分類群でこの説明が当てはまるかと言えばそうとも言えず、

逆に言えば脂鰭の謎を解明することが出来れば、

世界中の魚類学者から注目されるということが言えるかもしれません。

 

19種のデンキナマズ

 

魚類総説の著者として有名なネルソン

(joseph S. Nelson)によるFishes of the world 4th editionではMalapterurusでは16種類,

Paradoxoglanis属が3種類と、合計19種のデンキナマズが報告されています.

Paradoxoglanis属も輸入されるようですが、

店頭に並ぶのはMalapterurus electricusがほとんどでしょう。

たまにロングノーズタイプやロングボディと呼ばれる別種が輸入されることがあり、

マニアックな店では別扱いで販売されています。このロングノーズ、

種や個体群の差なのか程度に差があり、かなり口先の伸びたタイプが売られていることがあります。

私もこれを狙っているのですが、思うようなタイプはなかなか売られていません。

 

飼い方は簡単

 

 

本種も飼い方は極めて簡単。温度を25℃位に保ち、

水槽の規模に応じた濾過方法にすれば、エサも配合でも十分に育ちます。

ただ大きくなると60㎝は優に超えますので、それなりの大きな水槽、最低でも90㎝は必要です。

もちろん単独飼育が基本です。あと気を付けることと言えば、その電圧。

20㎝くらいの個体でも結構、「バチッ!」ってきますので、

水替えの際はゴム手袋をしておいたほうが良いと思われます。

昔アクアライフで、熱帯魚飼育の先達、松坂実さんが、確か一番好きなナマズはレッドテール、

二番目が本種と言っていました。よく馴れますし、そういう意味でもかわいいものです。

ブサカワ系が好きで、比較的大きな水槽を用意できる人は是非飼育に挑戦してみてください。

 

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