「フネアマ貝」は「最強の掃除屋」とも言われ、水槽のコケや藻を食べてくれるとても便利な貝です。
ひたすらコケや藻を食べないため、「餌は不要」と思っている方も多いと思いますが、そんなフネアマ貝でも「餓死」してしまうことがあるというのです!
今回の記事ではそんなフネアマ貝が餓死しないように飼育の注意点について考えてみましょう。
この記事の目次
フネアマ貝は暑い地域の出身
フネアマ貝は主に暑い地域に生息しています。日本では奄美諸島より南、世界ではインド、インドネシア、フィリピンなど東南アジア、インド洋付近に多く生息しています。生活の場としているのは河の河口付近の砂地で、その周辺にある岩場にくっついていることが多いです。
フネアマ貝は特殊な形の巻貝
たいていの巻貝は渦のような部分が殻にあることが多いのですが、フネアマ貝には渦はありません。その貝殻は平たく、貝殻には様々な模様が形成されています。
そのことから、熱帯魚と共に水槽のアクセントとして投入する方も多いようです。殻口はかなり大きく、貝本体はそこにすっぽりとハマり、殻を背負う形でまるで亀のように生活しています。
フネアマ貝飼育するのに必要な水質は?
水質にはあまりこだわりませんが、「弱酸性~弱アルカリ性」の水質が最も適しています。
貝の殻はカルシウムなどで形成されているのですが、カルシウムは賛成に弱く、溶けてしまう恐れがあるので、PHが「5.5以下」にならないように注意しておきましょう。適応水温は15度から28度くらいで、多くの熱帯魚と一緒です。環境の変化には敏感なので、しっかりと「水合わせ」をしてから水槽に投入しましょう。
フネアマ貝は水槽の掃除屋!だが餓死の心配も?
フネアマ貝は勢いよくコケや藻を食べていきます。吸着力が強く、水槽のガラス面に付着したコケなどは剥ぎ取るように食べてくれます。
ただ、猛烈な勢いでコケ等を食べていくため、立ち上げ直後の水槽や、水槽が小さいサイズでコケが少ないと「餓死」してしまう恐れもあります。それを防ぐために水槽はある程度の大きさを確保し、流木や水草を水槽に入れておくことが必要になってきます。
それでもコケや藻が不足しそうな時は、沈下性のある人工餌を水槽に投入してみても良いでしょう。また、あまりに多くのフネアマ貝を水槽に入れておくと、あっという間に食料が無くなり、餓死の恐れもありますので、60センチの水槽で1~2匹いれば十分に働いてくれます。
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フネアマ貝の脱走注意!
他に餓死してしまうような要因としては「脱走」が上げられます。フネアマ貝は夜行性であり、夜に頻繁に活動します。
思ったより移動してしまうため、水槽から逃げ出してしまうことがあるのです。そうなると意図せずエサが無い環境に出てしまい、餓死してしまう恐れもあります。
また、水槽の温度管理のためにヒーターを設置している方もいるでしょうが、貝がヒーターに接してしまい、死んでしまうこともあります。それを防ぐために水槽に蓋をつけたり、ヒーターにカバーをしておくことが必要です。
フネアマ貝は繁殖はできるのか?
先ほど、「多くの貝を水槽に入れておくと餌不足で餓死する」と書きましたが、フネアマ貝は水槽で繁殖して増えることはあるのでしょうか。
実はフネアマ貝は淡水の環境では産卵まではしますが、卵が孵化することができず、繁殖は不可能です。そのため、水槽内で勝手に貝が増殖する恐れはないと考えてよいでしょう。
産卵は可能なため、石などに卵が付着していることはありますが、取り除いでしまっても問題ありません。もしフネアマ貝を水槽に入れたいときは店舗や通販で購入しましょう。1匹あたり400円程度から購入することができます。
フネアマ貝を無理やり剝がさない!
フネアマ貝を飼育する上での大きな注意点は「餓死」ですが、「無理やり剥がさない」ということも覚えておきましょう。フネアマ貝は吸着力がとても強く、なかなか水槽のガラス面から離れません。
そのため、無理やり剥がそうとすると、そのダメージで貝が死んでしまうことがあります。もしフネアマ貝を移動させたいときは、貝を左右に揺らすと防御のために本体が殻に逃げこむため、剥がしやすくなります。
フネアマ貝生態のまとめ
フネアマ貝はコケの掃除でとても有益な貝ですが、そのままにしておくとあっという間にコケが無くなり餓死してしまいます。水槽をきれいに保つことも大事ですが、適度にコケを残しておくことも大事ですね。