ミナミアメリカハイギョとか南米肺魚とも言われています。
ハイギョ類はアフリカ大陸、オーストラリア大陸、南アメリカ大陸に分布しますが、
本種はこの南アメリカ大陸に分布するの唯一のハイギョ(肺魚)です。
アマゾン全域及びボリビア・パラグアイ川に分布しています。
結構広く分布しているのに地域変異などは知られていないように思います。
カメのマタマタなども地域により別種と思われる個体群がいるようですから、
単に精査されていないだけかもしれません。
湿地帯に生息?
主に川の岸が柔らかい土や植物がうっそうと茂った泥底質で淀んだ水域、
河川の支流や雨季の氾濫でできた周囲の湖沼域に生息しています。
その昔、アマゾンの自然を紹介するテレビ番組で本種が出てきたんですけど、泥をすくって陸に挙げたら、
ニョロニョロとまさにウナギやドジョウのような感じでのたくっていた記憶があります。
学名の意味するもの
学名のLepidoとは鱗、鱗状を指します。
サイレンsirenとは、北米に分布するまさに肺魚のような外観をしながら、
ウーパールーパーのような外鰓を持ち、後ろ足のない両生類のことです。
paradoxaとは逆説的な、珍しい、奇異な、説明の付かぬという意味を持ちます。
学名の意味は奇妙な鱗のあるサイレンということでしょうか。
このハイギョ1837年に初めて紹介された時は両生類の仲間として報告されました。
つまり先に発見された北米の両生類サイレンと同様な生物として認識されていたのでしょう。
他のハイギョもそうですが、とても魚の仲間には見えません。
現生種ハイギョは硬骨魚の肉鰭綱に分類され、
さらにオーストラリア肺魚Neoceratodus forsteriのケラトドゥス目Ceratodonfiformesと、
本種とアフリカのハイギョProtopterusをまとめたレピドシレン目Lepidosireniformesの二つのグループに大別できます。
プロトプテルスの方が種が多いので、プロトプテルス目とすればいいのにとは思いますが、
レピドシレンがプロトプテルスより先に世間に知られたから、
レピドシレンがこの魚の代表ということになったのです。
おとなしい性格
本種は天然で100㎝を超えます。
しかし、ショップでは最近そんな大型個体はあまり見ませんね。
岐阜県の淡水魚水族館アクアトトには本種の大型個体が飼育されており、
実測はしていませんけど1m近くはありそうな雰囲気です。
本種の特徴の一つに性質が温和なため複数個体を飼育しても争わないとされています。
その昔とあるショップで60㎝位の本種が90㎝水槽に何個体か入れられており、特にかみ合った様子はありませんでした。
まあそれでも誤って噛むことはありそうで、あえて複数飼育はお勧めしませんが。
入荷が減っているような・・・
数年ほど前の一時期まったく見られなくなったことがあり、当時探しまくった記憶があります。
この2年ほどは幼魚がコンスタントに入荷していますし、
たまに30㎝以上の個体が売られているのを見かけます。
私は幼魚ではなく、いきなり大型個体を購入し、現在に至ります。
飼育法
ゴールデンアップルスネール 2個
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現地では二枚貝やアップルスネールなどを食べているそうですから、
農薬などの心配がないならジャンボタニシやヒメタニシなどをやってもよさそうです。
ただ貝殻は吐き捨てるため結構なゴミになるのは免れません。
我が家ではコイのエサのみを与えています。100㎝を超えると紹介しましたが、
一般的にはそんなには大きくならないような気がしています。
レピドシレンパラドクサの水槽と水質
我が家では60㎝の個体を60㎝水槽で飼っています。
現地の水質はpHは5.4から6.4となっていますが、他のハイギョ類と若干水質に敏感なような気がしており、
水質が合わなければ皮膚の粘膜がはがれるようなことがあります。
もっともプロトプテルスアンフィビウスのように敏感すぎるということはないため、給餌量を減らしたり、
水替えなどで対応すれば十分です。
肺魚の中でも特にかわいい顔
最後に本種の魅力はなんといってもあのかわいい顔です。
アンフィやアネクなどは,大きくなると目の表面がこすれて白くなったり、
頭部感覚管が広がり、その筋が顔中に走るため、結構グロい顔になります。
本種はそんな変化はあまりなく、
幼魚の時とあまり変わらない「笑顔」が見られ、いつも癒されています。
(写真引用元:wikipedia)
(熱帯魚) レピドシレン パラドクサ(約7-8cm)<1匹>【水槽/熱帯魚/観賞魚/飼育】【生体】【通販/販売】【アクアリウム】
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ごむくろ
自己紹介:
マイナー種嗜好の貧乏アクアリストです
好きな熱帯魚:
古代魚、真胎生メダカ、アジア産魚類(コイ科、ナマズ科、アナバス科)