世界的な気候変動によって、記録的な寒波が毎年のように訪れるようになりました。
水槽をいくつも設置していたり、大型水槽に複数のヒーターを入れているアクアリストは、
冬の電気代が気になるのではないでしょうか?
熱帯魚ヒーターにはどれくらいの電気代がかかっているのか?
電気代を節約するアイデアにはどんなものがあるのか?
さっそくチェックしていきましょう。
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熱帯魚ヒーターの電気代を知る
暖房の使用量と比例するので、冬になって値上がりした電気代のうちどれほどがヒーターによるものか、
請求額を見ただけでは分かりづらいですよね。
まずヒーターにかかっている電気代を算出してみましょう。
電気代は、
電力量料金単価×使用量
という式から求めることができます。
使用量とは、使用時間と製品のワット数を乗算したものです。
2017年1月26日現在、東京電力の第2段階料金(120kWhをこえ300kWhまで)
は1 kWhあたり26円です。
これを標準的な電力量料金単価として試算していきましょう。
60cmレギュラー水槽には150w(ワット)のヒーターを設置するのが一般的です。
使用量の単位はkWh(キロワット)ですから、単位を揃えるために1000で割ります。
1日8時間、ヒーターが稼働する場合、1日あたりの電気代は
150w(ヒーターのワット数)÷1000×8(時間)×26(電力量料金単価)=31.2円 となるのです。
毎日ヒーターを使う冬場なら1ヵ月936円かかりますね。
一般家庭で1000円弱の電気代はそれなりに大きいのではないでしょうか。
逆効果な節電アイデア
○ワット数の少ないヒーターを入れる
「電気代がワット数に比例するのなら、できるだけ小さなヒーターを入れればいい」
と考えるのは早計です。
キャパシティを越えた水量を加温することになるため、ヒーターはずっと稼働し続けることになります。
結果として水槽に適したヒーターより加温時間が長くなってしまい、
むしろ電気代がかさんでしまうのです。
またヒーターが過熱して故障してしまうこともあります。
ヒーターの説明書に従って、水槽サイズに適したワット数を選びましょう。
「より大きなヒーターを使えば節電になる」という発想はどうでしょうか?
ワット数が大きい分、消費電力は多くなりますが、より短時間で目標の水温まで上げることができます。
省エネにはつながりそうですが、それより心配しなくてはいけないのが生体の健康です。
水温が短時間で急変すると調子を崩しやすくなり、魚病の引き金になってしまいます。
やはりヒーターは水槽サイズに合わせるのがベストなのです。
電気代を抑えるテクニック
○断熱材を入れる
水面、ガラス面、底面…。
冬の水槽はあらゆる方向から冷却されています。
外気と水槽との間に断熱材を入れるのが最も簡便な省電力の手段なのです。
底面に断熱材となる発砲スチロールや、エアキャップ、アウトドア用の銀色のシートを一枚敷いておくだけでも大きく違います。
より徹底させるなら、背面、側面の三方を覆ってしまいましょう。
鑑賞しない夜は前面も覆います。
断熱材とガラス面との間に水分が入り込むとカビの原因になります。
側面用の断熱材はきちんと寸法を測り、カットしてから張りつけましょう。
ろ過器も意外な熱の逃げ道。
外部式フィルターは本体だけでなく、排水、給水パイプにも断熱材を巻いておきましょう。
上部はコード、配管の通り穴と若干の換気スペースを除き、ぴったり蓋でふさいでしまいます。
水槽用の断熱材はホームセンターの他、アクアショップの通販でも入手できます。
○設置場所を工夫する
玄関や窓際など、冷え込む場所はなるべく避けます。
夏の直射日光を避けるという意味でも、できるだけ窓から遠ざけた方が省電力をはかれます。
常に人がおり、他の部屋より室温が上がりやすいリビングの壁際がベストですね。
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