水槽用ヒーターは消耗品。
こまめに掃除し丁寧に扱っていても、やがて寿命が来てしまいます。
ヒーター交換の時期や、長持ちさせるポイントについて考えていきましょう。
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水槽用ヒーターのタイプと特徴
水槽用のヒーターと聞いて、どんなモノを想像するのでしょうか?
最近、アクアリウムを始めたばかりという方は、
グレーの「カーボンヒーター」を思い浮かべるでしょう。
白い「石英管ヒーター」をイメージした方は、年季を重ねたアクアリストと呼べるのでは?
近年は消費電力が少なく壊れにくいカーボンヒーターが主流になりつつあります。
しかし、構造がシンプルなため安価な石英管ヒーターもまだまだショップで見かけますね。
石英管ヒーターは内部のニクロム線が断線することで壊れてしまいます。
石英管より寿命の長いカーボンヒーターも、炭素繊維の割れなどによって故障してしまうのです。
ヒーターを使用する限り、
故障とそれにともなう水温低下のリスクを避けられないので、準備と対策が重要となるのです。
水槽用ヒーターの寿命は?
ある有名電器メーカーの製品は、
保証期間の1年を過ぎると急に故障が頻発することから、
メーカーの名を取った「○○○タイマー」という不名誉なニックネームをつけられてしまいました。
もちろん実際はそんなタイマーなど存在しません。
しかし、電化製品はおおむね1年を過ぎたあたりから故障しやすくなるものです。
そこで、水槽用ヒーターも石英管、カーボンを問わず1年が交換のめやすとも言われます。
果たして本当でしょうか? 筆者の体感では、
壊れやすいとされる石英管ヒーターでも2~3年は十分使えているのですが…。
ヒーターの寿命を縮める最大の要因は、オンオフの機会が多いこと。
点けたり消したりを繰り返していると寿命が早まるのは、照明器具でも同じですね。
では、オンオフが少ない…
つまり、使用頻度が少なければヒーターの寿命は伸びるのでしょうか?
これも筆者の経験ですが、初夏から初秋までの間、
ヒーターとサーモスタットを水槽から引き上げて保管。
使用を控えることで、寿命アップを試みたことがあります。
結果は、夏が終わり再びヒーターを水中に戻したところ、なんと故障していたのです。
もちろん、夏の間は洗浄して湿度の少ない場所で大切に保管していました。
一方、年間を通じてコンセントを入れっぱなしだったヒーターが意外と長持ちしたことも。
魚に一匹々々個性があるように、工業製品であるヒーターにも多少の個体差、ロット差があります。
使いすぎたから壊れる、使用しなければ壊れない…という簡単な結論にはならないのです。
1年に1回はあくまでおおよそのめやす。
常にストックを用意して、適宜交換していきましょう。
時にはすぐ壊れる「ハズレ」を引くこともありますし、長持ちする「当たり」もあります。
いくつかのメーカーを試しながら、自分の一番納得できる製品を選びたいものです。
水槽用ヒーターの寿命を伸ばすには?
ヒーターの1本々々に多少、寿命の差が存在したとしても、守るべきセオリーはあります。
ヒーターとサーモスタットは同一メーカーで揃え、
水槽サイズに合わせるのが鉄則ですし、
どんな有名メーカー製でも安価な一体型ヒーターはやはりそれなりに壊れやすい存在です。
冬場、オンオフの頻度を減らすのはやはり大切。
まず、なるべく水量のある大型水槽を用意し、水温変化を緩やかにします。
底面や側面に断熱材を入れ、蓋をしっかりするのもポイント。
水槽から熱が逃げるのをできるだけ防ぎましょう。
縦置きOKの製品もありますが、基本的には横向きに設置します。
コードのねじれや角度のつけ過ぎにも気をつけましょう。
ヒーター部分からL字形にコードの伸びているニッソーの製品は、レイアウトしやすくおすすめです。
コリドラスのように25度を切っても平気な種なら、23度くらいの省エネ設定にするのもオススメ。
ただし、魚種によっては体調を崩しやすくなるので見極めが大切です。
日の当たる窓際は、日中こそ水温が上がるものの、
夜になると急激にダウンして、むしろヒーターの使用頻度を増やしてしまいます。
1日を通じて温度差が少なく、かつ人の出入りが多く温まりやすい場所がおすすめです。
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