水換えは魚たちの命を守るための大切な作業であると同時に、
注意をおこたるとショック死を招いてしまう危険な行為でもあります。
特に冬は水温差によるショックに注意したいもの。
そこで、冬場における水換えテクニックをご紹介しましょう。
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気をつけたい温度ショックとPHショック
一見、透明に見える飼育水であっても、
実はアンモニアや亜硝酸など、魚にとって有害な物質が蓄積していることもあります。
餌を食べ、フンをすることによって、どうしても有害物質は発生してしまうからです。
そこで古い水を食べ残しやフンとともに吸い出し、
新しい水を加えることで有害物質を取り除きます。
これがアクアリウムで水換えする理由です。
海水魚水槽ではプロテインスキマーやライブロックを用いて、
水換え不要の環境を作り出すことが、淡水魚ではそれができません。
面倒ではありますが、適切な換水が必要となってくるのです。
新しい水を加える際に最も気をつけたいのが、水温とPHを合わせること。
水温とPHが飼育水と違いすぎると、
魚がショックを起こし、最悪☆になってしまいます。
特に冬は、ヒーターで25度前後に加温された水槽に、
冷たい水道水を注いだことによるアクシデントが起こりやすいので注意しましょう。
長年飼育を続け環境に馴染みきった個体や、タフな魚種は、
大量換水&大きな温度差にも耐えてしまうことがあります。
しかし、導入したての個体や繊細な魚種、
水量の少ない飼育容器にはやはり、丁寧な水換えが必要となってくるのです。
メダカ、金魚など無加温水槽の水換え
メダカや金魚など日本の風土に馴染んでいる魚種は、
ヒーターを入れずに飼育している方も多いでしょう。
この場合、飼育水の温度≒室温なので、
新たに加える水も室温に合わせておく必要があります。
蛇口から出てくる水は外気の影響を受けており、意外と冷たいもの。
まずバケツに汲んでしばらく時間を置き、
室温と合わせてから使うようにしましょう。
浄水器の水でない場合は、カルキ抜きも済ませておきます。
塩素の中和だけでなく、白濁除去、重金属除去、
エラの粘膜保護という4つの機能を合わせて持った水質調整剤「エーハイム 4 in 1」が便利です。
水換え前には水温計で両者にあまり差がないかチェックしましょう。
熱帯魚などヒーター加温水槽の水換え
ある調査によると、冬季における家庭の室温は平均12.3度、
エアコンのある室内では平均17度という結果が出ています。
熱帯魚の平均的な飼育水温が25度とすれば10度前後も低いことに。
これでは簡単にショックを起こしてしまいます。
家庭にある給湯器の設定温度は最低でも37度(製品によっては32度)。
今度は熱帯魚にとっても熱すぎる水温です。
手間のかかる方法ですが、お湯と水道水を混ぜ、
温度合わせとカルキ抜きを済ませてから水換えしましょう。
慣れると指先の感覚だけで、ある程度の温度合わせができるようになってきます。
水槽用とは別にヒーターとサーモスタットを用意し、
バケツに汲んだ浄水器の水を温める方法もアリ。
水質に敏感なシュリンプのため、
専用のアクア用浄水器を使っている方はヒーター加温の方が簡単でしょう。
水槽に注ぐときは少量ずつゆっくりと。
壁面にぶつかるような勢いで暴れ始めたら作業を中断し、水温をチェックします。
できるだけ換水を減らす工夫も
水換え時のトラブルを避けるには、換水の量、頻度を最小限に減らすこと。
理想論ではありますが、以下のポイントを実践できればベターです。
・大容量の水槽を用意する。
・2種以上のフィルターを使い、ろ過能力をアップさせる。
・飼育数を抑える。
・餌を与えすぎない。
・フンや残餌を見つけたら、すぐスポイトで吸い出す。
・水草を茂らせる。
いずれも水質の悪化をゆるやかにし、水換えの機会を少なくするためのテクニックです。
実際はついつい数を増やしてしまったり、
餌をあげすぎたりとままならないものですが、余裕を持った飼育を心がけたいものですね。
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