熱くなってくると熱帯魚飼育について心配なのは「水温」ですよね。熱帯魚のほとんどは暑い地方の出身とは言え、どのくらいの水温まで耐えられるのかは分らないものです。
例えば、水温が30度を超えても大丈夫なのでしょうか?
今回の記事では熱帯魚と水温について考えてみましょう。
この記事の目次
熱帯魚には適正水温がある!
我々人間も活動できる気温の限界があるように、熱帯魚たちも生きていく上での水温の限界があります。それが「適正水温」と言います。熱帯魚と言えども、生息地は様々ですので、それぞれの魚ごとに適正水温は違ってきます。
定番の熱帯魚たちの適正水温は?
多くの人が飼育していると考えられる「グッピー」や「ネオンテトラ」のような「小型」の熱帯魚は25度から28度くらいが適正水温と言われています。また、「アロワナ」などやや大きめの熱帯魚は27度から30度くらいが適正水温です。
大変お手軽な「金魚」は水温の変化には強く、10度から32度くらいまで耐えることができます。しかし、長く飼育することを考えると23度から25度くらいがベストな水温となっており、同じく手に入れやすい「メダカ」も同じくらいが適正水温です。
ここまで述べてきた通り、多くの熱帯魚は「30度以上の水温は耐えるのが難しい」と考えることができるでしょう。
特に高温に弱い魚たち
少しでも高温になってしまうと命の危険がある魚たちもいます。それは「通常は深海に住んでいる魚」たちです。彼らは基本的に光が届かない涼しい海で生活しているため、大体「25度」を超えると衰弱してしまいます。
昨今、海において魚の生態系が変わってしまっているのも海水の温度が上昇する「温暖化」によることが原因だと考えられています。特に「エビ類」は高温に弱く、30度を超えた水温では生きていくことが困難となります。
エビ類を飼育するときは水温25度くらいに保つことが必要です。次の項目からは水槽の高温対策について紹介しましょう。
水槽の高温対策1:水槽専用クーラー
水槽には専用のクーラーがあります。クーラーを動かすポンプと合わせて3万円前後と高価なものですが、簡単に水槽の温度管理ができますので、予算に余裕のある方にはお勧めします。
水槽用クーラーは主に「ペルチェ式」と「チラー式」に2分類されています。「ペルチェ式」は安価で音も静かですが、水温を下げる効果は弱く、どちらかというと「保温」に向いており、小型の水槽に使うのが良いでしょう。
「チラー式」は水温を下げる能力が高く、長く使えますが、高価で大きく、稼働音も大きいという特徴もあります。ある程度熱帯魚の飼育に慣れた環境にある人が使うと良いでしょう。
水槽の高温対策2:水槽用クールファン
水槽専用の「クールファン(扇風機)」もあります。こちらは水面に風を当てて水温を少し下げるもので、部屋のエアコンと併用して使うと効果が高まります。
ただ、ファンを回したままにすると、水温が下がりすぎる恐れもあるので、クールファン専用の「サーモスタット」(水温が下がりすぎるとファンが止まる)と組み合わせて使用すると良いでしょう。クールファンは3000円程度から購入できます。
水温の高温対策3:エアレーションを強化する
エアレーションは水槽の上下の水の入れ替えをし、泡がはじけるときに水温を下げる効果もあります。泡の上り口近辺に前述のクールファンを使うと水温の低下の効果が高まります。
また、風通しの良い部屋であれば、気化熱で水温を下げることも可能です。夏場はエアレーションを強めにしておくと良いでしょう。
水温を下げるために「やってはいけない」こと
水温を下げるために「やってはいけないこと」もあります。特に「氷やドライアイス」を水槽に入れてしまうことです。これをしてしまうと、急激に水温が下がり、一気に水槽内の魚が命の危険にさらされてしまいます。急激な温度変化は魚には厳禁なのでそこは注意しましょう。
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適正水温と高温対策のまとめ
昨今は日本のどの地方で気温が高く、水槽の温度管理はとても難しいものです。熱帯魚は水温の変化に敏感なので特に「30度」という水温には特に気を付けておくと良いでしょう。