淡水ハオコゼは汽水域と言われる水域に生息する魚です。体はゴツゴツしていますが、顔は可愛らしく、そのゆったりとした泳ぎも愛嬌があります。
淡水でも飼育可能ですが、やはり「汽水域」にできるだけ近づけた方が長生きするようです。今回の記事ではそんな「淡水ハオコゼ」の飼育方法について調べてみましょう。
この記事の目次
汽水域に生息しているハオコゼ
「淡水ハオコゼ」はインド洋から大西洋沿岸域の「汽水域」に生息しています。「汽水域」とは「淡水と海水がまじりあっている場所」を指し、主に河口付近や、湧水が出る海中が「汽水域」にあたります。
「淡水ハオコゼ」の「淡水」は幼魚期に淡水に侵入することがあることから付けられた、と推測されます。日本の沿岸域に生息する「ハオコゼ」とは種類が違います。
ハオコゼは大きくない体だが毒には注意
体はあまり大きくなく、購入した時は2~3センチくらいの場合が多いですが、成長すると10センチくらいになるようです。しかし、その成長は極めて遅く、飼育環境でそこまで成長するのは稀と言われています。
注意点としては「背ビレに毒」を持つという事です。もし刺されても命に関わることはありませんが、刺された場所は腫れ、かなりの激痛を伴うので注意が必要です。
ハオコゼに適した汽水環境を作るには?
淡水ハオコゼは通常の淡水でも飼育は可能ですが、汽水環境に比べると長くは生きられないようです。そのため、通常の熱帯魚における水槽の立ち上げとは違う方法が必要になります。まずは魚を扱ったショップなどで売られている「人工海水」を用意しましょう。
そして水槽には「カルキ抜き」した水を入れ、そこに人工海水を加えます。そして「比重計」で濃度を見ながら、「4分の1から2分の1」の濃度になるようにしましょう。その後は濾過フィルターで水を循環させ、魚が生きやすい環境になるようにバクテリアの繁殖を1週間くらい待つことが望ましいです。
淡水ハオコゼに適した水質は?
淡水ハオコゼは水温の変化が激しい流域で生きていたため、ある程度の水質の変化には強い魚です。水温は22度~28度が最適で、極端に低い気温では生きていくのが難しいので、寒い地域では水槽用ヒーターなどが必要になってくるでしょう。
水質は中性から弱アルカリ性が最適です。汽水環境ではバクテリアが繁殖しにくく、魚の糞や食べ残しによる水質悪化を防ぎにくい環境となります。そのため、水質のチェックや水槽内の掃除は必須となります。
ハオコゼは強い肉食である
人工飼料はあまり好みではなく、餌としては冷凍アカムシや冷凍ミジンコなど動物性の餌、もしくは小さめの甲殻類などを与えると良いでしょう。肉食なので、小さめの魚などを混泳させると食べてしまいます。エサを食べるスピードは遅めなので、食べ残しが無いか確認が必要です。
ハオコゼと同タイプの魚であれば混泳可能
先述の通り、小さいサイズの魚などは食べられてしまうので混泳は向きません。同じ汽水域を好み、同サイズの魚であれば混泳は可能です。基本的には温和な性格なので、他の魚を攻撃することはないでしょう。むしろ我々が淡水ハオコゼの毒には注意しなければなりません。
ハオコゼの繁殖は可能なのか?
淡水ハオコゼの繁殖については殆ど知られておらず、水槽での成功例も知られていません。そのため、飼育下での繁殖は困難と考えても良いでしょう。淡水ハオコゼを増やしたいときは購入することをお勧めします。
通販などでは1匹あたり300円程度で販売されており、とても安価で手に入りやすいです。淡水ハオコゼと同時に人工海水や比重計を購入することも良いでしょう。
他の「汽水環境」を好む魚は?
淡水ハオコゼは汽水環境を好みますが、他にも同様の環境を好む魚もいます。これらの魚は総称して「汽水魚」と言われており、亜熱帯や熱帯地域、暖流の影響を強く受ける地域に良く生息しているようです。
代表的な魚には「マハゼ」や「スズキ」などが上げられます。
飼育しやすい汽水魚としては「ミドリフグ」や「ヒメツバメウオ」などですが、「ミドリフグ」は性格が荒く、「ヒメツバメウオ」は体長25センチまで成長するので、それぞれ「淡水ハオコゼ」との混泳には向いていません。
ハオコゼ飼育のまとめ
「淡水ハオコゼ」は汽水環境を整えるのが難しいですが、それさえクリアすれば飼育しやすい種類ではあります。その愛嬌のある泳ぎは、見ているだけで癖になりそうですよ。