テッポウウオはその名が示す通り、「水鉄砲」を発射することで有名な魚です。名前は知っているものの、実際に飼育するとなるとあまりイメージができないのではないでしょうか。実はテッポウウオはペットとして飼育するのも可能な魚なのです。今回の記事ではそんなテッポウウオの特徴と飼育のポイントについて調べてみましょう。
この記事の目次
テッポウウオの生息地は?
テッポウウオは別名「アーチャー(弓使い)フィッシュ」とも言い、インドや大西洋の沿岸や河川に生息しています。淡水と海水の間の「汽水」を好み、主に水面付近を泳いでいます。
テッポウウオとアーチャーフィッシュの違いは?
テッポウウオ(テッポウウオ科に属する魚の一種)とアーチャーフィッシュ(通常テッポウウオ科のToxotes属に属する魚の一種)は、実は同じ魚を指していることが多いです。日本では「テッポウウオ」という名前で知られている魚は、英語では「Archerfish」と呼ばれています。これらの魚は独特な狩りの方法で知られており、水面上の昆虫を水流で撃ち落とすことができます。
テッポウウオの特徴は「水鉄砲」
テッポウウオの特徴はやはり「鉄砲」。その仕組みは大きな口の下に水を溜め、そこからエラをポンプとして水を発射しているのです。飛距離は1メートルから1.5メートルくらいで、この鉄砲で小魚や昆虫を狙撃し、気絶したところを捕食しているのです。
テッポウウオの視力は?
テッポウウオの視力は非常に高く、水面から空を飛んでいる昆虫を正確に撃ち落とすことができるようです。また、光の屈折を補正する能力もあり、獲物を捕らえることを容易にしています。加えてアメリカの大学の研究では「人の顔を見分ける」こともできるのだと。
テッポウウオを飼育するのに必要な水質は?
テッポウウオは淡水でも生きることはできますが、寿命が短くなったり、病気になりやすい傾向があります。海水を3分の1、淡水を3分の2混ぜた「汽水」を作りそこで飼育しましょう。水質は弱アルカリ性を好むため、海水魚用の砂などを水槽に入れる調整が必要になってきます。
テッポウウオの飼育にあたってどんな餌を?
テッポウウオは野生では肉食なので「生きエサ」を好みます。小さな時はレイトウアカムシなどを与え、大きくなってきたらコオロギやミルワームなどの昆虫を与えてください。運が良ければ「水鉄砲」が見られるかも。人工エサには慣れるのが難しいので、できるだけ昆虫を用意しましょう。
テッポウウオはどんな性格?混泳は可能か?
テッポウウオは気性が荒めで縄張り意識も強いため、容赦なく他の魚に攻撃します。そのため、同種、他種問わず混泳には向いていませんので、できるだけ単独飼育をするようにしましょう。かなり大きい水槽が用意できるならば、同じ汽水域で生きる熱帯魚なら混泳は可能です。
テッポウウオの性別の見分け方は?
テッポウウオのオスメスを判別することは困難で、繁殖についても良く分かっていません。そのため水槽内で繁殖を狙うのは大変難しいと考えてよいでしょう。
テッポウウオの稚魚はどこで見られる?
テッポウウオの繁殖は困難なため、稚魚を見ることは殆どできません。しかし、大阪の生き物ミュージアム「ニフレル」では国内で初めて卵の孵化に成功したため、稚魚が展示されていました。現在は展示されているか不明なため、問い合わせが必要でしょう。
テッポウウオは狙撃する?
テッポウウオは水鉄砲で狙撃を行っています。普段は水面近くを泳いで機会を伺い、昆虫を発見すると水鉄砲で狙撃し、昆虫を気絶させてしまいます。そして水面に落ちてきたところを食べてしまうのです。鉄砲は連射も可能で、一発目で1匹、二発目で2匹目を狙撃してしまうこともあります。
テッポウウオの水鉄砲の威力は?
昆虫を気絶させるくらいですから、水鉄砲の威力は強力です。1メートル以上離れていても獲物に命中させ、水のスピードは時速40キロほどになるそうで、ちょっと遅い車が突っ込んでくるくらいの威力です。
テッポウウオの水鉄砲の命中率は?
水鉄砲の命中率はほぼ100%と言っても良いでしょう。なぜそんなに命中率が高いのは謎ですが、テッポウウオの視力はかなり良いらしいので、狙いを定めるのがかなり正確なのかもしれません。飼育下では水面よりちょっと上に昆虫を飛ばすと狙撃を見ることができます。
テッポウウオの飼育のポイントまとめ
テッポウウオを飼育するには「汽水」を用意することが最大のポイントです。事前にしっかり調べ汽水を作ることが大事になってきます。「人工海水」も販売されていますので、費用は掛かりますがそちらを試すのも良いでしょう。テッポウウオのかわいい顔と鉄砲の威力のギャップはかなり見ごたえがありますので、餌を与えるときは注意してみるようにしましょう。
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