アフリカンパイクカラシンは鋭い牙が特徴的な淡水魚です。肉食なのであまり飼育魚としてメジャーではありませんが、ポイントさえ押さえれば十分に飼育できる魚です。今回の記事ではそんなアフリカンパイクカラシンの飼育のポイントについて調べてみましょう。
この記事の目次
アフリカンパイクカラシンの基本情報
まずはアフリカンパイクカラシンの基本情報から押さえていきましょう。
アフリカンパイクカラシンとは
アフリカンパイクカラシンは、アフリカ大陸に生息する大型淡水魚で、その細長い体型と鋭い歯が特徴的です。カラシン目ヘプセット科に属し、中央アフリカから西アフリカにかけての熱帯地域に広く分布しています。現地では「アフリカン・ピーク」や「カダンゴ」などの名称でも知られています。
種類と特徴
アフリカンパイクカラシンはヘプセット科唯一の現生種で、体長は最大で60cmに達します。体色は銀灰色で、背中側はやや緑がかっており、体側には不明瞭な縞模様が見られます。吻が尖っており、下顎が上顎より突出しているのが特徴で、この形状が獲物を捕らえるのに適しています。背びれは体の後方に位置し、尾ビレは大きく発達しています。
アフリカンパイクカラシンの飼い方
次からはアフリカンパイクカラシンの飼育のポイントを押さえていきましょう。わりと大掛かりな設備が必要となってきます。
飼育に必要な水槽のサイズ
成魚を飼育する場合、最低でも150cm以上の大型水槽が必要です。遊泳力が強く、急激な方向転換も行うため、奥行きも60cm以上あることが望ましいです。幼魚の時期から成長を見越して、最初から大型水槽を準備することが推奨されます。
最適な水質と水温
適正水温は24-28℃で、pHは6.5-7.5の中性から弱酸性を好みます。水質の急変に敏感なため、週に1回、1/3程度の定期的な水換えを行いながら、水質を安定させることが重要です。ろ過システムは外部式フィルターなど、強力なものを選びましょう。
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餌の選び方と与え方
野生では小魚や甲殻類を主食とする強い肉食性です。飼育下では最初は生き餌(メダカや小赤)が必要ですが、徐々に冷凍アカムシや大型肉食魚用の人工飼料に慣らしていくことが可能です。成長期には毎日、成魚では2-3日に1回の給餌が目安です。
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アフリカンパイクカラシンの寿命と成長
アフリカンパイクカラシンは割と長く生きると言われています。
寿命の目安
適切な飼育環境下では10-15年生きることが報告されています。記録によると、最長で18年生きた個体も確認されており、長期の飼育計画が必要です。
成長速度と成長期の注意点
幼魚時は比較的早く成長し、1年で20-25cm程度になります。その後は成長速度が緩やかになり、成魚サイズ(40cm以上)に達するには3-4年かかります。成長期には高タンパクの餌を十分に与え、水質管理を徹底することが重要です。
アフリカンパイクカラシンの混泳について
アフリカンパイクカラシンは肉食であり体も大きいので混泳はなかなか難しいかもしれません。しかし設備が整うならばチャレンジしてみるのも良いでしょう。
混泳が可能な魚種
同サイズ以上の大型カラシンやナマズ類、大型シクリッドなどが適しています。特にポリプテルスやアロワナなど、表層~中層を泳ぐ魚との相性が良いとされています。
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混泳時の注意点
口に入るサイズの魚は捕食される危険があります。また、同種間では縄張り争いが起こる可能性があるため、十分なスペースと隠れ家を確保する必要があります。導入初期は特に注意深く観察し、問題があればすぐに隔離できるように準備しておきましょう。
購入と流通情報
アフリカンパイクカラシンはまだまだメジャーな魚ではないので、流通量は少なめです。
アフリカンパイクカラシンを購入する方法
専門の熱帯魚店や大型魚を取り扱うショップで稀に見かけることがあります。幼魚(10-15cm)で販売されていることが多く、価格は1-2万円程度が相場です。季節によって入荷量が変動するため、事前に問い合わせることをおすすめします。
通販サイトの選び方
信頼できる専門業者のサイトを選び、配送時の保証体制が整っているかを確認しましょう。レビューや口コミを参考にし、到着時のサイズや状態について明確な説明がある業者を選ぶことが重要です。可能であれば、動画で元気な状態を確認してから購入すると良いでしょう。
アフリカンパイクカラシンの飼育のポイントのまとめ
アフリカンパイクカラシンはその独特な風貌と迫力のある泳ぎから、大型魚愛好家の間で人気のある種です。しかし、そのサイズと食性から、飼育には相応の知識と設備が必要です。特に水槽サイズと餌代、電気代など、維持にかかるコストを事前に計算しておくことが重要です。
適切な環境下では長期間にわたって飼育可能で、その成長過程を観察する楽しみがあります。初心者にはやや難易度が高い魚ですが、大型魚飼育の経験がある方にとっては非常にやりがいのある種類と言えるでしょう。飼育を考える際には、最後まで責任を持って世話ができるかどうか、よく考慮してから導入することをおすすめします。

