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ツチフキの飼育方法とは?寿命、繁殖まで!カマツカと似ている愛嬌魚を解説

ツチフキ 川魚 f

 

水底をモフモフと掃除する姿、どこか間の抜けた可愛らしい顔つき。「ツチフキ」という魚をご存知でしょうか?

 

 

 

カマツカによく似ていますが、実はもっと「ずんぐり」していて、愛嬌たっぷりの日本淡水魚です。今回の記事では、そんな癒やし系底物「ツチフキ」について、その生態から飼育方法、そして少し意外な食文化まで「全て」を解説します。近年では数が減り、絶滅が心配されている希少な魚でもあります。正しい知識を持って、彼らの魅力に触れてみましょう。

 

 

ツチフキの全てを知る

 

 

まずは、ツチフキがどのような魚なのか、基本的なプロフィールから深掘りしていきます。

 

 

ツチフキとは

 

 

ツチフキ(学名:Abbottina rivularis)は、コイ目コイ科カマツカ亜科に属する淡水魚です。名前の由来は「土吹(つちふき)」。餌を探す際に、口から泥や砂を「吹く」ようにして虫などを食べる習性から名付けられました。

 

 

ツチフキの基本情報

 

ツチフキの基本情報について、簡単に解説します。

 

 

ツチフキの特徴と生息地

長瀞の岩畳 f

 

体長は7cm〜10cmほどの小型魚です。体は円筒形でずんぐりとしており、体色は褐色で、背中や側面に暗色の斑紋が並びます。本来の生息地は、濃尾平野、近畿地方、山陽地方、九州北部などの西日本が中心ですが、現在では関東地方や東北地方の一部にも人為的に移入・定着しています。流れの緩やかな河川の下流域や、用水路、ため池などの「泥底」を好みます。似ているカマツカが綺麗な砂地を好むのに対し、ツチフキは少し濁ったような場所や、泥が堆積した場所でもたくましく生きています。

 

 

ツチフキの寿命と大きさ

 

寿命は一般的に2年〜3年程度と言われています。大きさは最大でも10cm〜11cm程度で、カマツカ(20cm近くになる)に比べるとひと回り以上小さいのが特徴です。

 

 

ツチフキの生態と行動

 

ツチフキの行動には、他の魚にはないユニークな特徴があります。

 

 

ツチフキの食性

 

 

雑食性です。泥ごと一緒に吸い込み、アカムシ(ユスリカの幼虫)やイトミミズなどの底生生物、付着藻類などを食べます。飼育下では人工飼料にも餌付きやすいですが、基本的には底に落ちてくる餌を好んで食べます。

 

 

ツチフキの繁殖と飼育方法

 

 

ツチフキの最大の見どころは繁殖行動です。産卵期(4月〜6月頃)になると、オスは泥底にすり鉢状(クレーター状)の巣を作ります。そこにメスを誘って産卵させた後、なんとオスが巣に残り、卵を泥から守るという習性があります。魚類の中では珍しい「イクメン」な魚なのです。

 

 

ツチフキとカマツカの違い

 

 

「カマツカだと思って飼っていたらツチフキだった」ということもよくあります。見分けるポイントは以下の通りです。顔の長さ(吻): カマツカは鼻先が長くシュッとしていますが、ツチフキは鼻先が短く、「寸詰まり」な顔をしています。砂への潜り方: カマツカは驚くと砂の中に素早く潜りますが、ツチフキはあまり砂に潜らず、物陰に隠れることを好みます。ヒゲと唇: カマツカの唇には細かい突起(乳頭突起)がありますが、ツチフキにはそれがありません(または不明瞭です)。

 

 

ツチフキの混泳に関する情報

 

 

性格は非常に温和で、喧嘩をすることはめったにありません。

 

 

ツチフキと他の魚の混泳

 

 

メダカ、タナゴ、ドジョウなど、日本産淡水魚との混泳に非常に向いています。ただし、餌を食べるのがあまり早くないため、餌を横取りするような素早い魚や、攻撃的な魚との混泳は避けましょう。

 

 

 

混泳に向いている環境

 

 

底砂は、彼らの口を傷つけないよう、角のない「田砂」や細かい砂利を選んであげましょう。また、カマツカほど泳ぎ回らず、底でじっとしていることが多いため、隠れ家となる流木や石、水草を多めに入れてあげると落ち着きます。

 

 

ツチフキの販売と入手方法

 

 

 

ツチフキの飼育セット

 

特別な設備は必要ありません。45cm〜60cmの標準的な水槽、上部フィルターや外掛けフィルター、そして細かい底砂があれば飼育可能です。ただし、驚いた拍子に飛び出すことがあるため、水槽の蓋は必須です。

 

 

ツチフキを取り扱うショップ

 

一般的な熱帯魚ショップでは見かけないこともありますが、日本産淡水魚(日淡)に強いショップや、大型のペットショップのアクアリウムコーナーで販売されています。野生個体の採取は、後述する絶滅危惧種の観点から、地域によっては推奨されません。

 

 

ツチフキの料理法

 

 

アクアリウムメディアとしては少し心が痛みますが、ツチフキは古くから食用としても親しまれてきました。※現在、多くの地域で絶滅が危惧されているため、食べるための捕獲は控えましょう。あくまで文化としての紹介です。

 

 

ツチフキの食べ方

 

 

関西地方などでは「スナモロコ」「ドロモロコ」などと呼ばれ、ホンモロコやタモロコなどの小魚(雑魚)と一緒に扱われることが多いです。泥底に住んでいるため、食べる前には数日間綺麗な水で泥抜きをする必要があります。

 

 

おすすめの調理法

 

小骨が多いため、骨ごと食べられる調理法が一般的です。甘露煮(佃煮): 醤油と砂糖でじっくり煮込みます。唐揚げ: 泥抜きをしっかり行い、カリッと揚げると美味です。

 

 

ツチフキの歴史と文化

 

 

ツチフキにまつわる伝説

 

ツチフキ単独の伝説はあまり残っていませんが、日本の原風景である「里山」の水路を象徴する魚の一つです。かつては水田のすぐ側の用水路で子供たちが簡単に捕まえられる魚でしたが、圃場整備(コンクリート護岸化)によってその姿を消しつつあります。

 

 

地域ごとの名物料理

 

琵琶湖や淀川周辺では、かつては惣菜用の小魚として流通していました。特定の「ツチフキ料理」というよりは、川魚料理店で出される「小魚の飴煮」の中に、ひっそりと混ざっている存在と言えるでしょう。

 

ツチフキの保存状況と危険性

 

最後に、とても重要な保全のお話です。

 

 

ツチフキは絶滅危惧種?

 

はい、ツチフキは環境省のレッドリストで「絶滅危惧IB類 (EN)」に指定されています。これは、「近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの」という、かなり深刻なカテゴリーです。大阪府や京都府など、多くの自治体でも独自のレッドリストで重要種に指定されています。

 

 

保護活動とその影響

 

 

減少の主な原因は、河川や用水路の「コンクリート化」による、産卵場所(泥底)の消失です。また、ブルーギルやブラックバスなどの外来魚による捕食も大きな打撃となっています。近年、大阪の淀川で約30年ぶりに再発見されるなど明るいニュースもありましたが、予断を許さない状況です。

 

飼育する際は、ショップで繁殖された個体を購入するか、もし採集する場合でも乱獲は絶対に避け、彼らの住処を大切に見守ってあげてください。

 

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