屋外飼育のだいご味は、メダカの生態を四季の変化とともに観察し、
小さな生態系を作り上げること。
しかし、基本的にヒーターやろ過器を設置せず、
日差しや雨が遠慮なく入ってくる屋外飼育には難しさも伴います。
屋外飼育の注意点と対策法をチェックしていきましょう。
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1.飼育容器の注意点…大きければ大きいほど有利
屋外飼育によるメダカの楽しみ方は、いわゆる「上見(うわみ)」が中心。
透明なガラス水槽で横から鑑賞するより、水面の上から覗き込むスタイルになります。
そのため必ずしも透明な容器でなくてもOK。
メダカ専用の発泡スチロール容器や、プラスティック製の「プラ船」
「トロ船」と呼ばれる容器や金魚鉢、園芸用プランターといった多彩なバリエーションがあります。
飼育スペースに合わせてチョイスしましょう。
基本的に飼育容器のサイズが大きければ大きいほど、
つまり水量が多ければ多いほど管理が楽になります。
水量が多ければ、屋外飼育で大きなネックとなる水温変化がゆるやかになります。
近年は気候変動により暑さ、寒さとも厳しくなる傾向があるので、
小さすぎる容器では高水温による酸欠死や、
全面凍結による死といったリスクが高まってしまうのです。
大きな容器なら、蒸発による水位の変化にも影響を受けにくいですね。
雨対策も大切。
大量の雨水が入り込んで水面からあふれてしまうと、メダカまで流されてしまうことがあります。
縁ギリギリまで水を張らないようにしましょう。
水位調節用の穴がある容器なら管理が楽です。
穴にはネットを張り、メダカが流されないようにしてください。
2.飼育場所の注意点…メダカも植物も直射日光は苦手
飼育容器をセットする際は日光の当たり方に注意してください。
直射日光、特に強い西日が射す場所は水温上昇が激しくなります。
ビオトープなどで栽培している植物が葉焼けしてしまうことも。
かといって北向きの日陰では水草など植物の栽培が難しくなるデメリットがあります。
軒下や半日陰の場所を選ぶか、日照時間に合わせて日除けをかけるといった工夫をしましょう。
グリーンカーテンを作って情緒を楽しむのもよいですね。
設置する際、容器の下にブロックを敷いておくと断熱効果がアップします。
地面を掘って池を造ったり、大きな容器を埋め込む時には泥が流入しないよう、
周囲を石で囲っておきましょう。
池の底には何も敷かないか、バクテリアの発生を期待して赤玉土を薄めに敷くだけにします。
3.餌やりは自然の恵みにまかせる
屋外飼育では基本的にろ過器を使用しません。
飼育容器を低い位置にセットすることが多いので、掃除用のプロホースが使えないこともしばしば。
そのため、水替え作業もはぶいた足し水(蒸発した分だけ水を足すこと)
での管理が中心になってきます。
水質浄化の役割を果たすのは、水草や容器の中に発生したろ過バクテリアのみ。
水草とバクテリアが適度に繁殖してサイクルが完成すると安定しますが、
屋内よりもデリケートな対応が必要な場面もあります。
まずメダカの匹数。
同じ水量でもろ過装置のある屋内水槽より数を絞るのが鉄則です。
ホテイアオイやオモダカといった水生植物を茂らせておくと、
メダカにとって有害な亜硝酸を吸収してもらえるだけでなく、
直射光を遮り水温上昇を緩やかにするはたらきも期待できます。
植物や藻が茂りすぎると水中の酸素が不足してしまうので適宜間引きましょう。
水質悪化の原因となる餌も控えめに。
ミジンコなど微生物がいつの間にか発生する夏場は餌やりが要らないことも。
ただし、メダカの餌に困らない代わりに、
メダカが餌になってしまうこともあるので注意が必要です。
トンボに卵を産みつけられ、メダカの天敵であるヤゴが発生していたり、
カエルが忍び込んでいることもあります。
屋外飼育はこまめな観察が基本。
日々観察することで新たな発見があり、飼育のよろこびにつながっていきます。
—育て方の全てが詰まったメダカのすべて—
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