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水槽にカルキ抜きの入れすぎは大丈夫?塩素中和剤の量

2020年6月17日

カルキ抜き f

 

水槽には水道水を入れて水を作りますが、ご存知のように水道水には「カルキ」という成分がありますね。このカルキは、熱帯魚に有害とされています。そこで「カルキ抜き」という薬剤を入れて水道水のカルキを抜くことができるのですが、カルキ抜きを入れすぎると、熱帯魚に悪影響はあるのでしょうか?

 

水道水に含まれるカルキについて

 

アクアリウムの水槽には、水道水を使って水を作りますね。ところで、私たちが日頃使っているこの水道水には「カルキ」という成分が入っています。日本語では「次亜塩素酸カルシウム」となり、これは水道水の中の細菌を殺すために入れられています。日本では、蛇口の地点で塩素が0.1 mg/L以上含まれていることが定められていて、これで大腸菌などの細菌が発生することを防いでいます。

 

原水が清浄なら清潔な水道水ができるのですが、原水が汚れていれば、次亜塩素酸ナトリウム・次亜塩素酸カルシウムをたくさん加えて塩素殺菌をしなければいけません。しかしこの塩素は、原水中の細菌の腐敗からできた多くの有機化合物と反応することで「トリハロメタン」という発ガン性物質が出来るので、多量に加えることも出来ません。

 

また、水道水のカルキのニオイが嫌いという人も多いでしょう。塩素に耐性がある原虫が入ることもあり、汚れた原水から飲める水道水を作るため、高度な処理技術ができるようになりました。高度浄水処理では、極小の穴が開いた膜を通す・活性炭の使用・オゾンを吹き込む・下水の逆浸透膜といった、コストの掛かる方法がとられています。

 

世界の国の中でも日本の水道水は飲める・おいしいという話はよく聞きますね。ほかの国ではそのままでは飲めないという水道水があり、水道水がそのままで飲めるのは16カ国だけとも言われています。

 

アクアリウムで重要な「カルキ抜き」

 

アクアリウムの水槽では水道水を入れて使うのが普通ですが、人間が飲めるように細菌を殺してくれるカルキが熱帯魚には悪影響になるため、「カルキ抜き」を使う必要があります。カルキ抜き「塩素中和剤」には、液体・固形のタイプがありますが、液体タイプのほうが使いやすいため、現在では液体タイプを使う人が多いです。

 

しかし、固形タイプのカルキ抜き「ハイポ」は昔から人気だったため、アクアリウム歴が長い人は今でもこちらを使う人が多くいます。主成分は「チオ硫酸ナトリウム」で、これが塩素を中和してくれます。カルキの量は1リットル最低0.1グラムという法律があり、人間にはこの量ならまったく問題がないとされていますが、熱帯魚には悪影響となり、当然水槽内の大事なバクテリアにも害を与えます。

 

カルキ抜きを入れずに水槽に水道水を入れると、バクテリアが死滅します。水槽にバクテリアがいなければ、水質が安定しなくなって魚に影響を及ぼし、コケも生えやすくなって大変な問題になります。

 

 

カルキ抜きを入れすぎると?

 

このようにカルキ抜きはアクアリウムで重要な行為ですが、ではカルキ抜きを入れすぎるとどうなるのでしょうか。カルキ抜きの説明書にはきちんと使用方法が書かれていますが、入れすぎるとどうなるのか。固形タイプでは、1個で10リットル以上の処理能力があるものもあり、液体タイプでは規定の量の4分の1でも十分な量という説もあります。

 

では、あまったカルキ抜きは熱帯魚に問題になるんでしょうか。結論から言えば、「それほど問題にはならない」です。説明書にある量なら、多少多く入れすぎても問題はないようです。それよりカルキ抜きの量が少なすぎるほうが問題になるとされています。

 

ただし、カルキ抜きの入れすぎが繁殖では問題になることもあります。水質にうるさいシュリンプ系の繁殖では、カルキ抜きの入れすぎで繁殖・産卵の影響があるともされているので、繁殖を目指しているなら、多めのカルキ抜きは使用しないようにしましょう。

 

塩素の量が心配な人は、「塩素チェッカー」でわかるのでこれを使いましょう。意外なことに水道水の塩素というものは、季節・降水で濃度が変化するので、少し多く使っても問題はないですが、基本は説明書に規定された量を使うとよいでしょう。

 

 

カルキ抜きの入れすぎはそれほど問題にはならない

 

細菌を殺してくれるので、人間にとっては必要な水道水の「カルキ」が、熱帯魚にとっては悪影響なんですね。そのため、水槽に「カルキ抜き」を入れるわけですが、入れすぎてもほとんど問題はないようです。ということで、説明書に記載されている量を守っていれば大丈夫でしょう。

 

 

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