「アロワナ」という独特の風貌をした古代魚がいます。
アロワナはこの特徴的なフォルムもあって熱帯魚としても人気になっていて、特に中国の華僑などは幸運を持つとされて愛好者が多く、たとえば映画で中国マフィアが登場するシーンでもよく見かけることがあります。では、この古代魚アロワナの寿命はどれくらいなんでしょうか。
恐竜とも生きていたアロワナ
「アロワナ」とは、南アメリカや東南アジアなどの淡水にいる大型古代魚です。古代魚というだけあって、なんと恐竜が生きていた1億5000万年前にも生きていて、その姿が変わらずに今まで生きてきたというからすごいですね。淡水に生息している魚の中でも大きく成長する種類で、主に小型の魚や甲殻類などを食べて生きています。
ただ、アクアリウムで飼育すると意外に気質は穏やかで、飼育の方法もマニュアルができているので人気の熱帯魚になっています。小さい魚を丸呑みするので、あごがせり出したように「しゃくれ」ているのが特徴的です。水面より上の虫をジャンプして食べることもできるので、丈夫な蓋をするなど、アクアリウムでは対策が必要になります。
体半分から後には尾まで続く背びれと尻ひれがあり、発達して斜め下に延びる胸ひれがあります。ウロコは大きくて一つ一つが明確で、いずれも濃淡・色彩の変化があるのが面白い点です。中国では「龍魚」と呼ばれて、龍は中国で「権力と繁栄」を象徴しているとされているので、華僑等を中心として「幸運を呼ぶ魚」として飼う人も多く、なかでも赤い色の変異種は高値がつきます。
養殖の稚魚等は市場に多く流通していますが、自然にいるものでは保護されていて制限されている種が多いです。
アクアリウムでのポイント
アクアリウムでは温度の管理に気をつける必要があります。水温は28°C前後で、pH値は種類により調節します。
「シルバーアロワナ」は成長してなんと100cmほどになるので、最低150〜200cm以上の水槽が必要になります。アジアアロワナなどは飼育時で60cmくらいになる個体が多く、幼魚から急に成長するものもあり、2年くらいで50cmになることもあります。餌は和金の幼魚・アカヒレ等の生餌ですが、人工飼料も食べます。
コオロギやミルワームなどもたまに与えることで栄養バランスが取れます。単一の餌だと栄養に偏りが出て、これが体色・体型に影響を与えるとして、複数の種類の餌を与えることが勧められています。
自然界のアロワナは、水に落ちてくる昆虫を食べるので上方を常に意識していますが、アクアリウムでは混泳や水槽の底面などの異変で下方を意識して、眼球が下になったままという個体が多くなります。この対策については、混泳は避けて水槽の底面は何も置かず裏面に黒いシートを貼って光の反射を防ぐなどが有効とされています。
気になるアロワナの寿命は?
では、このアロワナの寿命はどれくらいなんでしょうか。アクアリウムで飼育したいと考えている人は、知っておきたいですよね。アロワナの平均寿命は、だいたい10年とされています。10年以上生きた個体もあり、長ければ15年は生きて、まれに30も年生きたという個体もいるようです。
古代魚のタフな魚でアクアリウムでも病気・ストレスに強いので、できるだけ健康的に育てて寿命を全うさせたいですね。ただ、怪我や病気がまったくないというわけではないので、病気になったら薬剤を水槽に入れてケアしましょう。また、アロワナは大きくなる魚のため、水槽が小さいと運動不足でストレスになったりするので、大き目の水槽を選ぶのもポイントです。
アロワナはストレスを抱えると自分のしっぽを食べて病気になったりして寿命を縮めてしまうので、水槽の大きさと水質管理に気をつけましょう。
しっかり育てて長生きさせよう
古代魚「アロワナ」と、その寿命についてでした。ウロコが固そうで独特な風貌を持っているのも、熱帯魚好きにはポイントですよねえ。古代魚ということで寿命はどうなんだろうと考えるかもしれませんが、だいたい10年、長く生きれば15年ということで、やはりけっこう長生きでした。大きくなる魚なので、水槽選びはきちんとしたほうがいいですね。
また、ほかの魚と同じように、アロワナを健康的に育てるには水質管理も大事です。