古今東西、もっともポピュラーな飼育魚としておなじみなのが「金魚」ですね。金魚も、ほかの魚たちと同じように冬は特別な季節です。では、金魚は冬越しさせたほうがよいのでしょうか?
冬越しさせるときは、日光が意外に重要になります。
おなじみの金魚にもいろいろある
金魚といえば当然みなさんおなじみの飼育魚ですね。飼育する魚といえば、誰しもがまず最初に思い浮かべる魚でしょう。意外にも、金魚はフナの突然変異種から人工的に交配していった魚なんだそうです。
世界中で飼育されている金魚は、中国が原産です。見た目もオレンジで鮮やかなのがいいですね。また、現在では、品種改良で多くの色や形態をもった金魚が登場しています。目玉が左右に出ているおなじみの「出目金」、短い体で長いひれを持ち、頭に瘤があるという「オランダ獅子頭(シシガシラ)」、
まるでフグのように目の下が膨らんでいる「スイホウガン」など、実に多くの種類があって、お店で見ているだけでも飽きないでしょう。
金魚が好む水温は?
金魚といえばおなじみの「金魚鉢」ですが、本格的に飼育するならもっと大きい水槽のほうがよいとされています。水温の違いで体温が変わるという変温動物で、水温が高いほど活性が上がって食欲も高くなり、低いとその逆で動きも遅くなって食欲もなくなります。金魚の適正水温は、15度〜28度とされています。
そのため、人間の体温は高すぎるということになるので、手で触ることはせず、移動させるときなどは網などを使うことが推奨されています。水温の急な変化には弱いので、水替えのときは慎重に行う必要があります。金魚は、15度以上では元気ですが、もっとも活性が高いのは20度以上28度未満の水温です。
金魚を冬越しさせるメリット
さて、そんな金魚も、冬場は多くの魚たちと同様、厳しい季節になります。通常、金魚は5度以下になると冬眠状態になります。金魚も、ほかの熱帯魚同様に冬越しの対策をしたほうがよいのでしょうか。最近では室内で飼育されることが多いので、金魚の冬越し対策をしていない人も多いようです。
しかし、金魚を冬越しさせるメリットもあります。金魚を冬越しさせると、繁殖能力が高まり、見た目の鮮やかさもよくなるようです!
これは、気になるポイントですね。やはり人工的に交配された金魚といえども、野生の魚と同じような生き方をさせたほうがよいようです。たとえば品評会などに出すという人は当然やっているので、本格的に金魚を飼育したい人なら、越冬しは必要のようです。
冬越しさせないほうがいい個体も
ただし、越冬しさせないほうがいいケースもあります。それは、
体力のない金魚
病気の金魚
熱帯原産の金魚
です。これらの金魚で冬越しをすると、死んでしまうこともあるので気を付けましょう。また、初心者やライトに育てたいという人なら、冬越しさせないでもいいかもしれません。水中ヒーターを使えば、寒い冬でも金魚を冬眠させずに飼育することができます。
金魚の冬越しは屋外で
金魚の冬越しは、屋内でやると管理が大変となるので、屋外飼育が基本となります。屋外での池飼いがベストとされています。なぜ水槽ではだめなのかというと、水深が浅くて水温の変化が激しくなるからで、最悪の場合は凍死してしまうこともあるからです。池で30センチくらいの水深があると、水底は水温が下がりにくいので、冬越しに最適です。
日光が青水を作る
金魚の冬越しでは、「日光」が大事なポイントになります。なぜかというと、日光による日差しがないと、冬越しで大事になる「青水」を作れないからです。青水は植物プランクトンができることで色が緑がかった飼育水のことです。このプランクトンが冬眠時の金魚の餌になってくれて、さらに金魚のフンの分解もしてくれるという、非常に大切な存在です。
ということで、金魚の冬越しでは日光によって青水を作ることがポイントになります。金魚の冬越し対策は、本格的な冬が訪れるだいぶ前の、「9月末ごろから10月初め」からスタートします。普通に日光が当たる環境なら、そこにある水は数日で薄緑色になります。
それでもできにくいなら、市販の「青水の種」というものもあります。ただし、青水が濃くなると金魚が見えなくなるので、バランスが大事です。濃すぎたら換水します。飼育する環境で青水ができるサイクルも違うので、このへんは経験を積んで学ぶところでしょう。
11月になると、日光が少なくなるので換水してから濃さが戻らなくなり、ここが冬越しの開始時期になります。
本格的に飼いたい人はチャレンジしてみては?
金魚の冬越しと、そのとき大切な要素となる日光についてでした。金魚の冬越しは、体色や繁殖能力をよくする行為にもなるんですね。きれいで健康な金魚を飼育したい人は、冬越しにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
金魚の冬越しは屋外飼育で、金魚のいる池には日光を当てて、餌や水質維持効果もある「青水」を作ることが大切です。ただ、上記のように冬越しをさせないほうがいいケースもあるので、みなさんで各自判断してください。