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地上で熱帯魚を飼うだいご味?マッドスキッパーの飼育に挑戦

2016年8月22日

ミナミトビハゼ

 

魚でありながら水を嫌う奇妙な魚、それがマッドスキッパーです。(別名:ミナミトビハゼ)

正しくは水中生活もするのですが、水から逃げるように陸地へ移動する姿はなんとも奇妙です。

半陸地、汽水という特別な環境を用意して、マッドスキッパーを飼ってみましょう。

 

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マッドスキッパーの基本情報

ミナミトビハゼ

 

潮の引いた砂地や泥地を地域としています。

日本の「ムツゴロウ」を想像してもらえれば一番分かりやすいでしょう。

トビハゼ属、オオトビハゼ属の一部が「マッドスキッパー」の流通名で販売されています。

魚種によって全長は10~30cmと幅があります。

 

 

 

マッドスキッパーの飼育情報

ミナミトビハゼ

 

陸上生活が大半を占めるので、水槽内に陸地を用意します。

発泡スチロールなどを浮かべたものでは不安定で、上手く乗ってくれません。

砂利を盛り上げたり、流木を組み合わせて、

水中部分からスムーズに移動できるようなスロープ状にします。

モノに張りつく力が強いので45度以上の急斜度でも平気です。

地上で活動できる秘密は、濡れた皮膚や口に含んだ水から酸素を取り込めるから。

そのため体表が乾いてくると一度水中に戻ります。

水槽の置いてある部屋が乾燥していると、マッドスキッパーの皮膚も乾きが早くなり、

時にそのまま落ちてしまうことがあります。

蓋と水槽の間にビニールを張って湿気を逃さないようにし、

時折、霧吹きで水槽内に湿り気を与えます。

飼育水は淡水の海水の混じった「汽水」を用意します。

遊泳が苦手なため、水深は10cm程度で充分です。

 

 

マッドスキッパーの水槽

 

 

陸上部分も用意する必要から、奥行き45cm以上、幅60cm以上の底面積が広い水槽を用意します。

高さはさほど必要としません。

砂利、流木、プラスチックや陶器の器などを利用して地上部分を作ります。

安定してあれば発泡スチロールも使えます。

 

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マッドスキッパーの水質

 

 

人工海水を規定量の1/4程度に薄めた汽水にします。

水深が浅いためろ過器は使えません。

1週間に1度程度のこまめな水換えで水質を維持します。

水を撹拌し、腐敗を防止する目的でエアレーションは入れておきます。

温度変化の激しい干潟に棲息しているため、25度を中心に多少の上下動は問題にしません。

ヒーターにはカバーが必須です。

爬虫類用のパネルヒーターも使えますが、水の蒸発の早いことが難点です。

 

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マッドスキッパーの底砂

 

 

弱アルカリ性を維持するためサンゴ砂を一部、またはすべてに用います。

柔らかい体表を傷めないよう粒の角ばっていないものを選びます。

水中部分は底砂がなくても大丈夫です。

餌に冷凍アカムシや生餌を多用するため砂が汚れやすく、

しかも水深が浅いため底面フィルターも使えません。

定期的に砂利を洗浄しましょう。

より自然下に近づけるため、ソイルを細かく砕いて泥にする方法もあります。

掃除に手間がかかるため泥は別容器に入れて設置します。

 

 

マッドスキッパーの餌

 

 

肉食魚用のタブレットも口にしますが、

人工飼料をあまり好まないため冷凍アカムシが主体となります。

釣具店でゴカイやエビを手に入れるのもよいでしょう。

餌に飽きて拒食することもあるので、できるだけバリエーションを増やしておきます。

マッドスキッパーは飼育者の手から直接食べるほど人に慣れます。

塩分濃度の高い水での棲息できるメダカは生餌としてうってつけです。

 

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マッドスキッパーの混泳

 

 

汽水と低い水深というネックがあるため、混泳は難しいでしょう。

縄張り争いはありますが、同種間なら複数飼育も可能です。

水草育成も高難度ですが、日本に自生するヤエヤマヒルギなどマングローブの仲間なら可能性はあります。

 

 

その他の品種

 

 

マッドスキッパーとひとくくりで販売されていますが、

ベトナム産、アフリカ産などが混在しており、最大全長も異なります。

特に「アフリカン・マッドスキッパー」は20cmを超える大型種であるため、

それに合わせた飼育スペース、餌の量が必要となってきます。

 

 

マッドスキッパー飼育のまとめ

 

 

 

特殊な環境が必要なため長期飼育が難しいとされるマッドスキッパーですが、

環境に馴染むとハゼ科ならではのたくましさを発揮します。

美しさより生体の奇妙さを楽しむ魚と思われがちですが、

濡れた体表に浮かぶ白と青のスポットは独特の魅力があります。

ぜひ「地上の観賞魚」を堪能してください。

 

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