インパイクティスケリーの別名はエンペラーテトラ。
今上天皇陛下が皇太子時代、ブラジルを訪問された際に贈られた魚が、
現在流通しているインパイクティスケリーのもとになっているからです。
紫は古来から高貴な身分に用いられる色。
インパクティスケリーなら、アクアリウムに風格を与えてくれるかもしれません。
この記事の目次
エンペラーテトラの基本情報
全長4~5cmの小型カラシン。「インパイクティスケリー」とも表記します。
1978年6月、今上天皇陛下(当時は皇太子)が
日本人ブラジル移住70周年記念式典のためサンパウロにご訪問された際、
国立ブラジル・アマゾン魚類研究所から贈られました。
日本に持ち帰られてからは、熱帯魚の研究家、ブリーダーとして名高い東博司さんの手で繁殖され、
市場に流通するようになりました。
体の中央を走る黒いラインの上下に、青紫の発色が美しい魚です。
エンペラーテトラの飼育情報
ショップで見かけると銀と黒の地味なテトラですが、弱酸性の軟水でじっくり飼い込むと、
エンペラーと呼ぶにふさわしい上品な紫色に仕上がります。
水草の茂った水槽ではさらに繊細な体色が映えます。
エンペラーテトラの水槽
小型種なので30cm程度の水槽サイズから飼育できます。
複数飼育するとより映えるので、標準的な60cm水槽をおすすめします。
さほどシビアな水質は要求しないので、上部フィルターで大丈夫です。
水草を重視するなら外部フィルターがよいでしょう。
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エンペラーテトラの水質
本来は弱酸性の軟水を好みます。中性付近の飼育水でブリードされた個体が主流になってきているので、
流木などでゆっくりPHを下げていきましょう。
水草メインの水槽は肥料によってPHが急激に上下動することがあるので、こまめにチェックします。
白点病にかかりやすいので、換水時の温度合わせはしっかりと。
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エンペラーテトラの底砂
明るい色の底砂を使うと、せっかく体色が映えなくなってしまいます。
水草育成用の茶色いソイルなど暗い色目を選びましょう。
水草との兼ね合いもありますが、照明もできるだけ抑えると繊細な発色がくっきりします。
エンペラーテトラの餌
フレークフードなど人工餌を主体に与えます。
生餌の要求度は高くないので、冷凍ミジンコはおやつ程度で十分です。
冷凍アカムシは口に合うよう刻んでから与えます。
与えすぎるとすぐ体形を崩してしまうので、適量と感じる量よりさらに絞るのがコツです。
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エンペラーテトラの混泳
テトラの仲間や、グッピー、バルブなどと混泳できます。
小型カラシン類の中ではやや気性が荒く、他魚を追い払うしぐさを見せますが、
混泳のハードルになるほどではありません。
むしろ威嚇のために、ひれを大きくひろげるので鑑賞にはちょうどよいレベルです。
稚魚の飼育は難しいものの、インパクティスケリーだけの水槽なら産卵行動も見せてくれます。
インパクティスケリーの仲間
インパクティスケリー・スーパーブルー
ドイツでさらに品種改良が重ねられ、
アフリカン・シクリッドのようなメタリックな輝きを帯びるようになりました。
体側の黒いラインが薄れ、ブルー一色に染まります。
ブルーテトラ
インパクティスケリーと並ぶブルー系小型カラシンの代表種。
飼い込むと体側に青みがかかり、目の上が赤く縁どられます。
混泳水槽向きで、人工餌で飼育できます。
ブルーリボンテトラ
インパクティスケリーに似ていますが、青みがやや淡く、
尾びれがオレンジ色に染まるところがポイントです。6~8cmとひとまわり大きく育ちます。
飼育は難しくありませんが、小型カラシンの中では少々気の強い方です。
エンペラーテトラ飼育のまとめ
魚種を問わずメタリックブルーの体色を持つ改良品種が数多く出回り始めたことで、
インパクティスケリーはやや地味な存在になってしまいました。
ショップでは本来の魅力が出ないのも一因でしょう。
飼って初めて魅力が分かる魚として、自信を持ってオススメします!