どんな生き物でも赤ちゃんのうちは、とてもか弱いもの。
孵化後3ヵ月に満たない稚メダカはまだ体力が乏しく、
ささいな理由で落ちやすくなっています。
メダカは屋外飼育が主流ですが、
稚メダカたちを安全に冬越しさせるにはどうすればよいのでしょうか?
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メダカの稚魚育成は屋外が有利?
産まれたばかりの稚メダカは体長わずか2~3mm。
文字通り針の先ほどの大きさで、「針子」と呼ばれる理由がよくわかります。
稚メダカはお腹に栄養分の入った袋を抱えているので、産まれてすぐに餌やりする必要はありません。
孵化翌日以降になると栄養分の袋(ヨークサック)がしぼみ、自力で餌を探し始めるのです。
稚メダカの生存率を上げるには、この時期の餌やりがとても大切。
なにしろ針の頭ほどのサイズなので、口に合う餌を用意しなくてはいけません。
稚魚専用のフードがベスト。
成魚用のフレークフードを細かくすりつぶしたものもよいでしょう。
刻んだイトミミズやアカムシも栄養価の高い餌です。
一度にたくさん与えず、1日数回に分けてなるべくこまめに与えるようにしましょう。
仕事で日中は餌やりできないという方も多いはず。
そんな時に役立つのが青水(緑水とも呼びます)です。
青水とは、日光をよく浴びた飼育水から大量の植物プランクトンが沸き、
文字の通り水の色が、緑がかって見える状態のこと。
青水の中には植物プランクトンを餌とする動物プランクトンも大量に発生しているため、
稚メダカは給餌時間に影響されず、いつでもこれを摂ることができます。
つまり、屋外飼育によって青水を作り出すことが最も手間いらずで、
確度の高い稚魚育成テクニックなのです。
冬の到来前にできるだけ稚メダカを大きく育てておいた方が、越冬の生存確率も高くなります。
秋になったら稚魚をどう育てる
秋になり徐々に気温が下がってくるにつれ、メダカの活性は徐々に下がっていきます。
活性とは遊泳、餌食いといったメダカの行動すべてのこと。
冬越しの体力をつけさせるため、
活性が落ちてからあわてて餌を大量に与えてもメダカは食べてくれません。
仮に食べても、消化能力も落ちているため、消化不良による病気を招くことになってしまいます。
暖かい時期にどれだけ頻度の高い給餌で成長させられるかがポイント。
秋になってからは活性を見ながら適宜、回数と量を減らしていきましょう。
昔は崩した卵の黄身を与えていましたが、
現代は栄養価の高い稚魚専用フードが数多く販売されています。
どうする9月産まれのメダカの稚魚!?
メダカの稚魚は成長が速く、3ヵ月もすれば産卵できるまでに育ちます。
そのため8月産まれの稚魚なら、本格的に冷え込む頃には成体とほぼ変わらない体力を備えており、
冬越しの心配も少ないでしょう。
問題は9月以降に生まれた、まだ未成熟な稚メダカたちです。
9~10月なかばまでの間、こまめな給餌と換水を欠かさず、成長を促進させるのがベター。
その後、成長の様子を見て室内へ移すのも一策でしょう。
しかし、ブリーダーでもない限り、
そこまで9月産まれの稚魚の生存率にこだわる必要があるでしょうか。
9月以降はもう採卵しない‐。
もしそれ以降、成魚水槽の中で稚メダカが育っていたら、
その時に改めて屋内飼育を考える…という割り切ったスタンスでよいのかもしれません。
メダカの稚魚を屋内で冬越しする場合の注意点
幼魚、成魚を問わず、冬越し対策は早め早めが基本。
気温15度前後になったら、もう屋内への引っ越しを考えましょう。
寒さが厳しくなってから移動すると、水温の急変で稚メダカがショックを起こしてしまいます。
寒暖の差が大きい部屋ならヒーター導入も考えてよいでしょう。
餌は「2~3分で食べ尽くす量」という観賞魚飼育の基本に沿いつつ、春~秋より絞り気味に与えます。
ヒーターで一定温度をキープできていればこの限りではありません。
屋外と異なり、換水も必要となってきます。
飼育水と新水の温度合わせをお忘れなく。
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