ベタ

ベタは本当に簡単に飼えるの?気になる冬越し対策も伝授します!

2017年11月4日

 

アクア界の人気者・ベタ。

美しく、飼いやすい一方、多くの誤解がまかりとおってしまっている魚でもあります。

ベタ飼育の基礎知識と、冬越しのテクニックをまとめてみました。

 

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ベタってどんな熱帯魚?

 

「闘魚」の名で知られるベタは、タイなど東南アジアに分布する小型魚。

オスは全長7~8cmに成長し、縄張りをめぐって激しく争います。

ヒレを大きくひろげて他のオスを威嚇する性質が生かされ、観賞魚として高い人気を誇っています。

東南アジアを中心に古くから品種改良がさかんで、赤、青、紫、

白を中心に様々なカラーバリエーションが存在します。

近年では赤、青、白の三色が錦鯉のように散らされた「錦鯉ベタ」が人気ですね。

 

ベタをコップで飼えるのは本当?

 

 

ホームセンターなどでは「コップで飼える」といううたい文句でベタが販売されていますし、

こだわりを持つショップでもベタはおおむね小さなケースにストックされています。

これらのことから「ベタ=コップで飼育」というイメージが定着しているのは事実です。

ベタをはじめとする「キノボリウオ亜科」の魚たちは、

体内に「ラビリンス器官」という特殊な器官を備えています。

ラビリンス器官とは、エラを使わずに空気呼吸するためのもの。

迷路(ラビリンス)のように入り組んだ管状構造の中に空気をたくわえておけるのです。

ベタの仲間は、水中の溶存酸素量が少ない熱帯の止水域をすみかとしているため、

エラに頼らず呼吸する方法が発達したのだと考えられています。

ちなみにアフリカや南米に生息するケラトドゥス目やレピドシレン目の魚たちは、

同じような環境の中でもラビリンス器官を持たず、代わりに肺を発達させました。

いわゆる「肺魚」と呼ばれるグループです。

少ない水中の酸素を補うために、

それぞれまったくタイプの違う器官を備えるようになったのが興味深いですね。

フィルターやエアレーションで水中に酸素をきちんと送り込んでいれば、

ベタは普通にエラ呼吸で生活します。

「コップのような小水量で酸素の補充がない環境でも、

ラビリンス器官によって生き延びられる」というだけであって、

決して「コップで飼うのに適している」というわけではありません。

ベタのオスは激しく争うので、多くの種類をコレクションしようとすれば、

ベタの数だけ飼育容器が必要となってきます。

たとえ小さな30cm水槽であっても、

10本、20本と並べられる住宅環境はそうそうお目にかかりません。

そこで、やむなくコップやプラケース、

ペットボトルといった小さな容器で飼育するアクアリストが多いのです。

 

ベタを小さな容器で飼う時の注意点

 

 

ベタが小さな容器でも飼えるのは、ラビリンス器官のおかげに加え、水質悪化に対する強さ。

よどんだ止水域に棲む特徴から、あまり頻繁に換水しないいわゆる「こなれた水」を好みます。

この「こなれた水」がくせもの。

一般的に、ろ過バクテリアが十分沸いており、

亜硝酸やアンモニアが少なく、弱酸性に傾いた古い水を指します。

決して「水替えしていない汚れた水」ではありません。

こなれた水作りは、アクア上級者であっても大きなテーマ。

コップなど小さな容器でこなれた水を維持するのは容易ではありません。

さりとて大量に換水するとベタがショックを起こしてしまうので、

こまめにフンを吸い出し、少量ずつ水替えしてやる必要があります。

水質管理の手間を考えると、やはりなるべく大きな容器で飼育する方が楽という結論になるのです。

 

ベタ飼育にはヒーターが要らないのは本当?

 

 

これはまったくの誤解。

年間通じてエアコンで温度調節されているショップだからこそ

ヒーターいらずで飼育できているのであって、

熱帯魚の中でも比較的高水温を好むベタに日本の冬は耐えられません。

ベタの好む水温28度前後をキープできるよう必ずヒーターなどの保温器具を用意してあげましょう。

とはいえ容器ひとつひとつにヒーターを入れていくのは、コストもかかりますし配線も面倒です。

どうしたものでしょうか…。

 

ベタにはパネルヒーターがおすすめ

 

 

そこでおすすめしたいのが、爬虫類用のパネルヒーター。

水中に入れるのではなく、容器の底に敷きます。

大きめのパネルヒーターを用意して、複数の容器を並べればいっぺんに管理ができます。

一般的な熱帯魚用ヒーターより電気代がかからないのもうれしいところ。

60cm水槽の下にパネルヒーターを敷き、浅く水を張って、

その中に容器を並べる湯せんのようなやり方もあります。

爬虫類用パネルヒーターは温度設定を変えられないタイプが多いため、

容器とヒーターの間にシートを敷くなどして温度調節する必要があります。

さらに飼育容器の数が増えてくると、

結局はパネルヒーターより24時間エアコン管理の方が楽になってきます。

ベタに限らず淡水魚、海水魚いずれも行きつく先はエアコンなのですね。

マニアの道って大変…。

 

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