アクアショップで熱帯魚を購入すると、ビニール袋に少ししか水を入れてくれません。
そのため、真夏と真冬は特に外気の影響を受けやすくなります。
せっかく手に入れた熱帯魚が、
家に着く頃には低水温で弱っていた…
という事態を避けるために、必要なテクニックをまとめてみました。
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クーラーボックスと新聞紙が便利
ショップで熱帯魚を購入したら、できるだけ迅速に持ち帰ります。
しかし、地理的事情や交通の便によって、どうしても時間のかかってしまうこともあるでしょう。
そんな時、役立ってくれるのが断熱性に優れたクーラーボックス。
釣りやアウトドアのレジャーにも使えるので、ひとつ持っておくと便利です。
クーラーボックスは発泡スチロール箱でも代用できます。
ショップで入れてもらった袋は、新聞紙でくるみ、
さらに大きめのビニール袋におさめて運ぶのがおすすめ。
新聞紙は断熱性があり意外と丈夫。
登山やキャンプで防寒用に用いられることもあります。
ただビニール袋を二重、三重にするより、間に新聞紙を入れることで強度もよりアップ。
トゲを持つ魚や、歯の鋭い魚を運ぶのに適しています。
容器と袋の隙間は、エアパッキンやタオルを詰めて埋めてあげましょう。
魚の苦手な振動を少しでも減らすことができます。
移動時は手でしっかり抱える
ショップから車や電車で帰宅する際は、生体の入った容器、バッグの持ち方にも気を配ります。
床に直接置くのはNG。
振動がダイレクトに伝わってきますし、エアコンの暖かい風にさらされてしまうからです。
熱帯魚は急激な温度低下が苦手ですが、温度上昇も避けたいところ。
シートに乗せるか、膝の上で抱えるように持ち、空調の風が当たらないように配慮します。
カイロは使い方に気をつけて
通販で熱帯魚を購入すると、カイロを入れて送られてくることがありますね。
長時間の移動には携帯用カイロを使うのもおすすめです。
カイロは平均50度ほどまで熱を発します。
そのため生体の入った袋に直接触れさせるのはNG。
保温どころか、高温で☆にしてしまいます。
スチロール箱の外側に貼ったり、タオルで包んだ上から置くのが正解。
「加温」に役立てようとすると、熱くなりすぎて失敗しがち。
「水温が下がりすぎるのを防ぐ」程度に考えておきましょう。
購入の際、ショップにカイロの入れ方を訊いておくのもよいでしょう。
水合わせ中の温度管理もポイント
無事に家へと帰りついてからも勝負は続きます。
水合わせがうまくいかないと、せっかくの苦労もフイに。
まず、袋を飼育水槽に浮かべて30分~小一時間ほど温度合わせを行います。
次にプラケースなど小さな容器に移し、飼育容器の水を足しながら水合わせします。
ここでも気をつけたいのが温度低下。
繊細な魚種は時間をかけて「点滴法」と呼ばれる方法で、少しずつ水を足していきますが、
容器が小さい(水量が少ない)ためどんどん水温が下がってしまうのです。
まず、エアコンを入れて部屋全体を暖めておくのが第一。
次に導入する魚の入っている容器の保温を考えます。
ヒーターをそのまま入れてしまうのは考えもの。
ヒーターの一部が水面上に露出してしまうと、故障や事故の原因となります。
また、慣れない環境におびえている魚は物陰に隠れようとするので、
ヒーターに触れて火傷しないよう、ヒーターカバーが必須となります。
手間はかかりますが、もうひとつヒーターを入れた水槽を用意して、
水温を飼育水槽に合わせ、そこに新しい生体の入ったプラケースを浮かべるのがベスト。
こうして「湯せん」のような状態にしておけば、時間のかかる点滴法でもOKですし
ヒーターによる事故の心配もありません。
このように真冬と真夏の移動はとても気をつかいます。
ショップでの購入は気候の安定している時期が一番…と書きたいところですが、
南米便の入荷は夏が盛んですし、欲しい魚が好きなタイミングで入手できるわけではありません。
真冬であっても、お目当てが見つかった時が勝負の時なのです。
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