自宅で飼育できるフグとして代表的なミドリフグ。
可愛らしい見た目と小さなヒレを一生懸命に動かす姿が人気で、
多くのアクアリウムショップで取扱われています。
よく見かけるので飼育が簡単かと思いきや、淡水ではなく汽水を好む魚だったり、
他の熱帯魚に対して気性が荒かったりで、意外と飼育が難しい魚でもあります。
今回はミドリフグの混泳、つまり他の熱帯魚と同じ水槽で飼育できるのか?
という点にスポットを当てて解説します。
ミドリフグとは?
ミドリフグは本来、熱帯地域の汽水域や河口付近に生息する熱帯魚です。
幼体の頃は汽水で育ち、成長するにつれて少しずつ海水に近い場所を好むようになります。
汽水とは淡水と海水が混じり合い、塩分濃度が両者の中間の水域です。
ミドリフグと塩分濃度の関係性については個体差や成長環境によって左右されるので、
一概には言い切れない部分があります。
ミドリフグは非常に大食漢で、小さいヒレを一生懸命に動かして、
エサを探し回る姿が可愛い熱帯魚でもあります。
しかし愛くるしい仕草とは対照的に、気性が荒く、
他の魚やエビを突きまわして弱らせてしまう一面もあります。
基本的には単独飼育が望ましく、混泳に向いている魚とは言えません。
同種のミドリフグどうしでもケンカや上下関係が生まれてしまい、
一方がストレスでエサを食べなくなったりして弱ってしまう事もあります。
熱帯魚とミドリフグの混泳
ミドリフグと同じ水槽内に他の熱帯魚がいると、
ミドリフグはその熱帯魚を追いかけて突きまわします。
追い回された熱帯魚は日を追うごとにヒレがボロボロになり、
少しずつ弱り最終的に死んでしまう可能性が高いです。
そもそもミドリフグは汽水に生息する熱帯魚なので、
淡水に生息する熱帯魚とは水質が合いません。
ミドリフグは淡水でも一応生き延びれますが、
水質が合っていないのは間違いありませんので、病気や不食の原因となり、
長生きすることは無いでしょう。
環境と性格、この2つの要因からミドリフグは、
他の熱帯魚と混泳に向いていない魚と言えます。
ミドリフグ同士の混泳
同じ魚種のミドリフグ同士の混泳については、個体差や水槽内環境により左右されます。
広い水槽内で姿を隠せる障害物や水草があればうまく混泳できる可能性はあります。
目安として、アクアリウムショップで流通している2~3㎝の幼体ミドリフグであれば、
30㎝規格水槽に3匹までの同居が望ましいですね。
30㎝企画水槽の広さでも、障害物を用意して隠れて休める場所を用意してあげましょう。
ミドリフグは水槽内でも10cmまで成長するので、
混泳を上手くいかせるために成長に合わせて水槽を大きくする必要があります。
ミドリフグ同士であれば混泳が可能と思い込まず、
水槽の環境と個体差を配慮してあげるのが重要です。
混泳が上手くいかなかった時の事を考えて、
もう一つ水槽を用意した状態で試してみるのが理想的です。
エビとミドリフグの混泳
水槽内のコケを食べてくれるエビはミドリフグの大好物です。
アクアリウムで飼育されるミナミヌマエビであれば、すぐに食べられてしまいます。
ミナミヌマエビよりも大型のヤマトヌマエビであれば
ミドリフグに負けずに混泳できるかもしれませんが、
脱皮後の弱っている所を狙われる可能性があります。
そもそもアクアリウムで飼育されるエビは淡水を好むエビです。
ミドリフグの好む汽水とは生育環境が違うので混泳に向いていません。
ミドリフグの混泳まとめ
ミドリフグは性格、汽水を好む性質から、他の熱帯魚と混泳には向いていません。
1つの水槽で単独飼育が一番理想的です。
それでも水槽が寂しく感じるのであれば、ミドリフグ同士で混泳を試してみて下さい。
その場合は今回解説したように、余裕のある水槽で、
隠れられる場所をしっかりと確保してあげて下さいね。