金魚は日本でも海外でも昔から親しまれてきた代表的な飼育魚です。小さな丸い水槽で飼われているシーンが漫画なんかでもよく出てきますよね。そんな金魚なんですが、「水カビ病」という病気にかかってしまうことがあります。
これを放っておくと、死んでしまうこともあるので気を付けないといけない病気です。ここで、金魚のかかる「水カビ病」について、原因と治療方法(対策)9を紹介します。
金魚がかかる「水カビ病」とは?
金魚は、「フナ」の突然変異から人間が観賞用に交配を続けて作られた観賞魚で、昔から世界各国で飼育されてきました。現在でも、品種改良が続けられていて、いろいろな色や形態を持った金魚が生み出されています。
しかし、飼育が容易とされている金魚ですが、ほかの生き物同様病気になることもあります。金魚の病気のひとつに「水カビ病」というものがあります。
水カビ病とは、真菌類の糸状菌が寄生することで起きる病気で、「水生菌症」や「わたかぶり病」等とも呼ばれることがあります。魚の体表面・卵の外側にできる「外部寄生水カビ病」、ミズカビが筋肉の中に寄生する「内部寄生水カビ病」という種類もあります。サブロレグニア・アフィノマイヤス・アクリアなどの綿状の菌類が金魚に寄生し養分を吸い取られていき、最終的に金魚が死んでしまいます。
水カビ病はなぜ起こる?
金魚の水カビ病の原因についてですが、水カビ病を引き起こす糸状菌というものは、実は水槽に常に存在しています。金魚が健康なら、この菌に寄生されることはないんですが、体調を崩していると抵抗力が低くなって、そこから寄生されてしまいます。
そのため、原因としては
金魚同士がする喧嘩
ストレス
水温・水質の急激な変化、
水質悪化
などになります。喧嘩などで金魚の体に傷ができると、 そこから菌が入ってしまうことがあります。また、日ごろから水質を管理していないと水質悪化〜抵抗力低下で水カビ病にかかりやすくなります。
体表に白いもやもやが見えたら注意!
症状としては、まず初期には体の表面に白いもやもやが付きだします。これが進行していくと、「わたかぶり病」と呼ばれるように白いもやもやが大きくなり、赤い充血まで見られるようになります。これは菌が体内にまで達してしまった証拠で、治すのは非常に難しくなります。
水カビ病の療法は?
対策としては、やはり水替えなどで水質の管理をすることがまず一番。さらに、喧嘩などで体に傷ができた金魚は、傷が治るまで別の水槽に移して薬浴をしましょう。ただ、薬を与えすぎるのは魚によくないとも言われているので、薬浴をするのは適度にしておきましょう。
水カビ病の治療のもうひとつの方法が「塩水浴」です。
水カビ病の治療方法:塩水浴
ここで、塩水浴の方法を紹介します。まず、塩浴用バケツを用意します。このバケツに、カルキ抜きの水を入れます。水温や水質の関係から、水は多いほどよいでしょう。塩は、基本的に水の「0.5%の塩水」になります。
ただ、すぐにこの0.5%の塩をすべて入れてはいけません。金魚は環境の変化に弱いので塩分濃度が急に変化するとストレスになるからです。塩は、数時間かけちょっとずつ入れていきます。金魚を塩水バケツに入れるときも、水合わせと温度合わせはしっかりと行いましょう。
この塩浴しているときは、エサを与えない方がいいとされています。体調がよくない時にエサを食べると、消化不良がしやすく、塩浴にはバクテリアがいないので水質が悪化しやすいからです。金魚は1〜2週間食べなくても生きられるので、エサをあげるなら、塩浴して後3日間はなし、4日目からは徐々にちょっとずつという感じであげます。
塩浴は、3日〜1週間くらい様子を見ます。塩浴はバクテリアがいないので、水質が悪化しやすいため、最初の3日間は毎日水替えして、その後は2日〜3日毎に水替えをします。また、金魚をよく観察していましょう。
塩浴後に水槽に戻すときも水合わせと温度合わせをしましょう。水槽に戻した後は、1日はエサは与えないほうがよいでしょう。
やはり早期発見と早期治療がベスト
金魚の「水カビ病」についてでした。上記にあるように、水カビ病は重症だと治すのが困難で、そのままだと死んでしまうこともあるため、早期発見・早期治療がベストです。体の表面に白いもやもやができているのを見かけたら、すぐに治療しましょう。水カビ病の治療は、薬浴・塩水浴が基本です。
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