「ギンブナ」はその名が示す通り、銀色に輝く体が特徴の淡水魚です。昔から日本の川でも見ることができ、釣りなどで親しみを持っている人もいることでしょう。
そんなギンブナですが、飼育するにはあまり難しくなく、初心者にもやさしい魚だと言います。今回の記事では「ギンブナの飼育方法」とその生態についても調べてみましょう。
この記事の目次
コイの仲間で古くから日本に生息しているギンブナ
ギンブナは「コイ目コイ科コイ亜科」の淡水魚でその分類の通り、「鯉」の近しい親戚にあたります。日本各地で見られる在来種ですが、朝鮮半島や台湾、中国大陸にも分布しています。
水の流れが緩い河川や沼地、用水路などにも生息していて、それらは人が近づきやすい場所なので、釣りをして楽しむ人も多いようで、釣った後そのまま飼育する場合もあるようです。
最大で30センチまで成長するギンブナ
たいていの成魚は15から20センチ程度の大きさですが、大きな個体になると30センチほどの大物に成長することもあります。銀色に見えるため「ギンブナ」と呼ばれていますが、目立つ銀色なのは腹の部分だけで、よく見ると全体的には緑に近い色をしています。
金色に見える個体もあり、そちらは「キンブナ」と呼ばれていますが、また別の種類となります。ヒレには棘も見られますが、特に毒などは有していません。
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ギンブナの気性は穏やかで混泳にも向く
ギンブナの気性は穏やかで、他の魚を攻撃することも少ないでしょう。しかし、体はかなり大きくなるため、泳ぐときに強い水流を発生させることがあります。
そのため、激しい水流が苦手なメダカなどは混泳には向かないでしょう。逆に体形が似ていて水流の変化にも強い「金魚」などは混泳に向いています。
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水質の変化には強いギンブナ
ギンブナは水質の変化には強く、あまりこだわりはないので、カルキ抜きした通常の飼育水で大丈夫でしょう。適した水温は10度から27度でかなり幅広い水温に適応することができます。
活発に動ける水温は20度から25度くらいなので、そのあたりの水温をキープしておくと良く、あまりに下回る場合はヒーターの設置も検討しましょう。
ギンブナは30センチ程度に成長することがあるので、水槽の大きさは最低60センチ以上は必要で、体を休めるための水草や砂利も入れておきましょう。
エサはなんでも食べるギンブナ
ギンブナは雑食性で、動物性プランクトン、藻やコケをはじめ、イトミミズや小型のカニなどの節足動物、メダカなどの小魚も食べてしまうので、それらとの混泳は避けるようにしましょう。
与えるエサは「川魚用」の餌が一番ですが、金魚の餌など他の魚の餌も食べますので、あまりこだわる必要はないでしょう。頻度としては1日2回で2~3分で食べきれる量を与えましょう。残ったエサは水質の悪化につながるので、取り除くようにします。
エサが多すぎるとフンも増えるので、水の交換も忘れないようにしましょう。
ギンブナの特異な繁殖方法とは?
ギンブナは9割がメスという変わった魚です。メスは単独で産卵をすることができる(無性生殖)のですが、その卵が孵化するためには精子の刺激が必要です。
そのため4月から6月の繁殖期になると、ギンブナは水草等に産卵するのですが、キンブナやナガブナなどフナ類、コイ科のオスが自分たちのメスと勘違いしてキンブナのメスに精子を与えます。
するとその刺激でギンブナの卵が孵化するのです。しかし、その孵化した魚はオスの性質遺伝子は受け継がず、メスの「クローン」とも言えます。
ギンブナを繁殖させるには?
上記のような特異な繁殖方法から、個人が水槽でギンブナを繁殖させるのは難しいでしょう。しかし、他のコイ科の魚と混泳させ、水草などを用意しておけば繁殖する可能性はあります。
釣ったギンブナは病気や寄生虫の恐れもありますし、日本産の魚は地域によっては保護されていることもあるので、野生のギンブナを飼育するのは慎重であるべきです。
ギンブナは購入することもでき、1匹当たり1000円程度で販売されています。
ギンブナ飼育のまとめ
ギンブナは初心者にも育てやすく、こだわりも少ない魚なので初めての飼育にも適している魚と言えますね。変わった繁殖方法は面白く、オスはめったにいないようで、もしも発見できたらとてもラッキーですね。
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