トビハゼと言えば、干潟で飛び跳ねる姿が可愛らしい魚です。見た目はユニークですが、あまりペットとしての印象はありません。しかし、飼育のポイントを押さえれば、自分で飼育することもできるのです。今回の記事ではそんなトビハゼの飼育について調べてみましょう。
この記事の目次
トビハゼとは?
トビハゼは主に干潟に生息しており、飛び跳ねる様子が有名ですが、それは潮が満ちてくるとそこから逃げ出すために飛び跳ねているのです。トビハゼは温暖な地域に生息し、日本では東京から沖縄の干潟で見ることができます。最近は個体数の減少により絶滅危惧種とされています。
トビハゼは歩く!
トビハゼは水中で暮らすことはなく、干潟を歩いたり、ジャンプしたりして生活しています。そのため胸のヒレが発達し、そこを使って歩くようになっています。
トビハゼは泳ぐのが苦手?
トビハゼは通常の魚とは違い、皮膚呼吸の能力が高いため、地上でも生きることができます。そのため、移動は主に歩いたり飛んだりしてあまり水中を泳ぐことはありません。潮が満ちてくると走って逃げますが、万が一水の中に入っても死ぬことはなく、泳ぐことはできます。ただ、他の魚のように水中を優雅に泳ぐことはできません。
トビハゼの呼吸方法は?
トビハゼの呼吸方法はちょっと変わっています。通常の魚はエラ呼吸により体内のアンモニアを体外に排出しています。空気中では呼吸ができず、アンモニアが体内に蓄積して命の危険があるのです。しかしトビハゼは皮膚呼吸が発達し、有害なアンモニアをアミノ酸に変える特殊能力を持っているので地上でも生きることができるのです。
トビハゼ飼育の難易度は?
トビハゼは水の管理が難しいため、やや上級者向けの魚と言えるでしょう。
トビハゼは淡水で飼育できる?
トビハゼは完全な海水や淡水では生きることができません。人工海水を20%から25%に希釈した「汽水」を用意することが重要です。
トビハゼに飼育に必要な水質は?
トビハゼに最適な水質はPH7.5から8.0くらいで、弱アルカリ性の水質を好みます。水質には比較的敏感なため、細かな検査と調整が必要となるでしょう。
トビハゼが好む温度は?
トビハゼは温暖な環境を好むため、24度から26度程度の水温を保つようにしましょう。ある程度の高温には耐えられますが、低温にはかなり弱いので、水温が低くなりそうな場所で飼育する方は水槽用ヒーターが必須となってきます。
トビハゼを飼育する際に塩分濃度は気にするべき?
トビハゼは純粋な水道水、淡水、海水では生きることができません。そのため、先述した「汽水」を用意することが必要です。汽水は淡水と海水を混合したもので、トビハゼを飼育するのに塩分濃度は海水の4分の1から2分の1程度に合わせるようにしましょう。
トビハゼのエサは何が良い?エサを食べないときは
トビハゼは自然界ではエビやカニ、ゴカイなどを好む肉食性です。そのため、エサは「生きエサ」の冷凍アカムシなどが良いでしょう。基本的に生きエサのみでも大丈夫ですが、栄養のバランスを考えて人工飼料を与えるのも良いでしょう。肉食魚用の人工飼料が販売されていますので、試してみてもいいかもしれません。トビハゼが餌を食べないのは「ストレス」が原因と考えられます。エサを食べないときは餌を食べやすく小さくしたり、水質のチェック、水槽の汚れを掃除するなどしてみましょう。
トビハゼの混泳は可能か?
トビハゼは地上で過ごすので、他の魚との混泳は無理と言っても良いでしょう。また、汽水を用意する必要があるのでそこも混泳を困難にしています。
トビハゼとムツゴロウは似ている?
トビハゼと同じように干潟で生息する魚と言えば「ムツゴロウ」が上げられます。体の特徴はとても似ていますが、トビハゼは東京より西の各地に生息するのに対し、ムツゴロウは九州の有明海、八代海のみで見ることができます。また、トビハゼは肉食性ですが、ムツゴロウは藻などを食べています。体長はムツゴロウはトビハゼの倍くらいあります。
トビハゼはけんかする?
トビハゼは縄張り意識が強く、同種同士だと激しい喧嘩になることもあります。そのため、複数匹飼うのは避け、単独で飼育するのが良いでしょう。単独飼育でトビハゼにストレスが発生することもありません。
トビハゼの飼育方法のまとめ
トビハゼは水槽や環境、水質などの事前準備がとても大事になります。それさえクリアすれば珍しい生態を楽しむことができるでしょう。日々の水槽の状況の観察を忘れないようにしてくださいね。
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