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カワバタモロコの飼育方法と特徴は?カワバタモロコは絶滅危惧種?

2023年11月25日

カワバタモロコ f

 

 

カワバタモロコは日本の固有種で、コイの仲間である魚です。普段は地味ですが、繁殖期になるとオスが金色に輝いてくるのが特徴となっていますね。そんなカワバタモロコですが、現在は生息数が急激に減少しているようです。今回の記事では今後見られなくなるかもしれないカワバタモロコの特徴について調べてみましょう。

 

 

日本どこでもいるのか?カワバタモロコの生息地は?

カワバタモロコ f

 

カワバタモロコは日本の固有種で、静岡県より西で本州の岡山県まで、四国の瀬戸内海側、福岡県と佐賀県など日本各地に局所的に生息しているのが特徴的です。ただ、福岡県と佐賀県での生息地は有明海周辺に限られ、生息数も減少しているようです。

 

 

カワバタモロコは飼育できる?その飼い方は?

 

 

カワバタモロコを飼育したい、という方もいるでしょうが、残念ながら「国内希少野生動植物種」に指定され、販売や飼育することは禁止されています。これはカワバタモロコの生息数が急激に減少し、保護の必要があるためです。

 

地味?カワバタモロコの特徴は?

 

体長は5センチ前後の小型の魚です。体に薄い黒い線が見られるくらいで見た目には地味な魚ですが、繁殖期になるとオスは金色に輝き、体の黒い線もくっきりと主張するようになります。メスよりオスの方が体長が小さくなるのですが、これはオスがメスの動きに対応しやすくするためと言われています。

 

 

カワバタモロコの生態は?

夏の田んぼ遊び メダカ f

 

 

カワバタモロコは浅い小沼やため池、小川など、水流の強くない場所に生息しています。特に水草が群生している場所を好み、そこで大体は群れで生活しているようです。似ている魚に「ヒナモロコ」がいますが、ヒナモロコは九州北部にしか生息しておらず、ヒレの形が異なることが特徴です。

 

 

カワバタモロコが好む水質は?

 

カワバタモロコは中性のPH7.0前後の水質を好みます。水温は23度から25度前後が最適で、高温には弱く30度を超えると体力が弱り、病気の可能性が高まります。

 

 

カワバタモロコはどんな川に住んでいる?

 

カワバタモロコは小川や浅いため池、用水路など水の流れが少ない場所に生息しています。かつては平野部にも多く生息していましたが、平野部では開発が進んだため、現在では山間部農村地帯の用水路などの水辺でしか見ることができないようです。

 

 

カワバタモロコが好むエサは?

 

 

 

 

カワバタモロコは雑食性で、水に住む昆虫や動物性プランクトン、藻やコケなどなんでも食べます。まだ小さいときはワムシなどの動物性プランクトンしか食べず、大人になってくると雑食性に移行していきます。

 

 

カワバタモロコとメダカの相性は?

メダカ f

 

カワバタモロコは飼育が禁止されていますが、現在飼育されている方にとってはメダカとの相性は気になります。前述の通り、カワバタモロコは雑食のため、メダカを食べてしまう、または攻撃してしまう恐れがあるので、混泳には向かないでしょう。カワバタモロコは群れで生活する習性があるので、同種で飼育するのが良いでしょう。

 

 

カワバタモロコの繁殖方法は?

 

繁殖期は5月中頃から7月にかけての時期で、1匹のメスを複数のオスが追うスタイルで繁殖が行われます。無事に繁殖に成功すると浅い場所に生えている水草に卵を産み付けます。卵は24時間程度で孵化し、1年で成魚となります。

 

 

カワバタモロコの産卵期はいつ頃?

 

 

カワバタモロコの産卵期は5月中頃か7月下旬くらいですが、水温が高温にならないなどの条件が整えば9月上旬まで産卵行動が確認できます。この期間内には6回前後の産卵が行われるようです。

 

 

カワバタモロコの卵はどのような物?

 

 

カワバタモロコは水草などに卵を産み付けますが、その姿は透明、大きさは1ミリくらいで肉眼では確認しにくいかもしれません。この卵の小ささは日本のコイの仲間の中では最も小さい部類になります。

 

 

 

カワバタモロコの稚魚

 

カワバタモロコの卵はとても小さいですが、稚魚も小さく、3ミリ程度しかありません。飼育下ではライトを当てるなどすれば何とか確認できますが、野生では稚魚を目で見るのは難しいでしょう。

 

 

カワバタモロコのオスメスの見分け方は?

 

カワバタモロコは通常時はオスメスの見分けは難しいですが、繁殖期になってくると顕著な違いが見られます。オスは体が金色になり、元々ある黒線もさらに明確に濃くなっていきます。また、メスはオスよりも体が大きくなっていますが、これはオスがメスの動きに対応するため、「オスが小さくなった」と考えられています。

 

 

 

ワバタモロコは採集禁止?

 

 

 

カワバタモロコは「特定第二種国内希少野生動植物」に指定されています。これに指定された生き物は販売や捕獲が禁止され、もちろん採集も禁止です。違反すると「種の保存法」に基づき、5年以下の懲役、または500万円以下の罰金もしくはその両方が科せられます。

 

 

カワバタモロコは絶滅危惧種である

 

カワバタモロコは環境省のレッドリスト(絶滅の恐れがある動物のリスト)で「絶滅危惧種1B類」に指定されています。これは近い将来絶滅の恐れがある動物が指定されます。最近では絶滅を防ぐため、外来種を駆除する、昔ながらの水辺を守るなどカワバタモロコを保護する活動が行われています。

 

 

 

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