青く輝く眼と黄金の棘が魅力のブルーアイゴールゴールデンブッシープレコ。その美しい姿はそれとなく異国情緒も感じられますね。今回の記事ではそんなブルーアイゴールゴールデンブッシープレコの飼育のポイントについて調べてみましょう。
この記事の目次
ブルーアイゴールデンブッシープレコとは
ブルーアイゴールデンブッシープレコ(学名:*Baryancistrus xanthellus*)は、南米・シングー川流域を原産とする大型のナマズの仲間(ロリカリア科)です。その名の通り、コバルトブルーに輝く大きな眼と、頭部から背びれにかけて黄金色に輝く棘状のトゲ(インターロップス)が最大の特徴で、熱帯魚愛好家の間で非常に人気の高いプレコの一種です。水槽内のコケ取り要因としても重宝されています。
特徴と見た目
最大の特徴は、その神秘的で美しい容姿にあります。名前の由来にもなったコバルトブルーや青色に輝く大きな眼は、暗い環境下でもひときわ目立ち、存在感を放ちます。体地色は黒から濃いグレーで、全身にはクリーム色や白色の小さなスポットが無数に散りばめられ、非常にゴージャスな印象を与えます。
幼魚の頃はこのスポットが繋がって虫食い状やネット状の模様になる個体も見られます。そして、頭部から背びれの第一棘条にかけては、金色や黄色の太く長いトゲ(ブリーズル)が密集して生えており、これが「ブッシー(ひげ面)」という名前の所以です。この黄金のトゲは成熟したオス個体で特に発達し、威風堂々とした風格を醸し出します。
生活環境について
原産地はブラジル・パラ州を流れるシングー川です。川の流れが比較的速く、水中に溶存酸素が豊富な澄んだ清流を好みます。河床は岩盤や大きな岩がゴロゴロと転がっており、そういった岩の隙間や陰を棲家にしています。そのため、水槽内でも流れのある清潔な水と、身を隠せるシェルターを数多く用意することが、彼らのストレスを軽減し、健康を維持する上で不可欠な条件となります。
ブルーアイゴールデンブッシープレコの飼育方法
その美しい外見に反し、ブルーアイゴールデンブッシープレコは決して初心者向けの魚ではありません。繊細な面があり、適切な環境を整えてあげる必要があります。
水温と水質管理
水温は26~30℃前後が適温です。急激な変化には弱いため、水換え時や季節の変わり目は特に注意が必要です。水質は弱酸性から中性(pH6.0~7.5)を好みます。
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餌の選び方と給餌方法
雑食性ですが、どちらかというと草食性の強い食性です。野生では岩に付着した藻類(コケ)や微生物を捕食しています。水槽内では、プレコ用の沈下性の人工飼料(藻類を主成分としたタブレットやウェーハー)を主食とします。しかし、コケだけでは栄養が不足するため、茹でたホウレンソウやキュウリ、ズッキーニなどの野菜も好んで食べます。時々、肉食性の強い冷凍アカムシなども与えると良いでしょう。
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混泳に関する注意事項
基本的な性質は比較的温和ですが、縄張り意識が強い面があります。特に同種や同じプレコの仲間に対しては激しく争うことが多いため、基本的には単独飼育が無難です。他種との混泳を考える場合は、遊泳層が異なる中型~大型のカラシンやシクリッドなどが候補になります。
しかし、彼ら自身が大きな排泄物をするため、水質悪化を防ぐ意味でも、混泳は少なめにし、過密飼育は避けるべきです。また、体が大きくなるため、他の魚を追いかけまわすほどではないにせよ、水槽内では十分なスペースと隠れ家が必要です。
ブルーアイゴールデンブッシープレコの大きさと寿命
成長は早く寿命は長めの魚なので、じっくりと付き合う必要があります。
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最大サイズと成長速度
成長が非常に早く、最終的には最大で30cmを超える大型のプレコです。適切な環境と餌が与えられれば、1年で15cm以上に成長することも珍しくありません。その大きなサイズになることを理解せずに購入し、最終的に飼いきれなくなるケースが後を絶ちません。そのため、最終的には120cm以上の大型水槽での飼育を見越した計画的な導入が求められます。
寿命の目安
適切な環境下で飼育すれば、その寿命は10年以上になります。中には15年生きる個体もおり、まさに人生の長いパートナーとなる魚です。
繁殖と育成
一般的な家庭用水槽での繁殖は、非常に難易度が高いとされています。
繁殖の方法と注意点
オスは成熟すると、頭部のブリーズル(トゲ)がより長く、太く発達します。繁殖には、オスメスのペアを広い水槽に隔離し、流木や専用の産卵筒など、彼らが好む狭くて暗い産卵場所を複数用意する必要があります。水質は弱酸性の軟水に調整し、水温を少し低めに設定するなど、細かい環境調整が必要です。オスが産卵場所を掃除し、メスを誘導して産卵に至ります。産卵後はオスが卵の世話(保護や胸びれでの扇動)を行います。
子供の育て方
無事に孵化した仔魚は、ヨークサック(栄養嚢)を吸収した後、微生物や藻類、人工飼料の粉末などを食べ始めます。水質の変化に極めて敏感なため、こまめな換水とエサ切れを起こさないように注意が必要です。成長速度は早く、すぐに親と同じ餌を食べられるようになります。
コケ取り効果と役割
コケ取りの仕事もしてくれます。
コケ取りにおける効果と実績
その口は吸盤状になっており、ガラス面や流木、岩に付着した藻類を削り取るように食べます。非常に食欲旺盛で、特に若い個体は優秀なコケ取り要因として活躍します。しかし、成長するにつれて藻類だけでは必要なカロリーを賄えなくなり、また嗜好性も変化するため、成魚ではコケ取り能力のみを期待するのは現実的ではありません。あくまで「美観」を主な目的とし、「コケ取り」は副次的な効果と捉えるべきです。
価格と購入に関する情報
ホームセンターなどでは手に入りにくい魚です。
市場における価格帯
その人気と美しさから、比較的高価な部類に入るプレコです。幼魚(5cm前後)でも1匹あたり5,000円~15,000円はします。サイズが大きくなったり、発色や模様が良かったりする個体はさらに高値で取引されることもあります。
購入先の選び方
熱帯魚専門店やネット通販で購入可能です。購入する際は、以下の点をチェックすると良いでしょう。眼が澄んでいて、ひげやヒレがきれいであること。やせ細ってお腹のへこんだ個体は避ける。店頭で藻類や人工飼料を食べているかどうかを確認できれば理想的です。魚の状態が良く、スタッフがある程度の知識を持っているお店を選びましょう。
ブルーアイゴールデンブッシープレコの飼育まとめ
ブルーアイゴールデンブッシープレコは、その圧倒的な美しさで水槽を一つの藝術品に変える魅力を持つ、まさにプレコの王様と呼ぶにふさわしい魚です。しかし、その飼育には、大型水槽の準備、安定した水質の維持、長期的なコミットメントが必要です。その美しさだけに魅了されて安易に飼育を始めるのではなく、10年以上にわたる寿命と最終的なサイズを理解し、最後まで面倒を見られるという覚悟を持って迎え入れることが何よりも重要です。適切な環境下で飼育されれば、飼い主に長い間、かけがえのない美しい姿を見せてくれることでしょう。
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