ヒョウモントカゲモドキは、「最もペットに向いている爬虫類」と言われるほど、飼い易い爬虫類です。
ポイントを押さえつつ、あるハードルを越えることが出来れば、
楽しいヒョウモントカゲモドキライフを送れるでしょう!
ヒョウモントカゲモドキの基本情報
ヒョウモントカゲモドキはヤモリの仲間になりますが、
この「トカゲモドキ」という名前には理由があります。
トカゲは瞼がある、ヤモリは瞼が無い、というのが基本となりますが、
トカゲモドキは瞼があるヤモリになります。
少し特殊なヤモリということになります。
現在流通しているヒョウモントカゲモドキは基本的には飼育下繁殖個体(CB)で、
野生採取個体(WC)はほぼ流通していません。
ヒョウモントカゲモドキは品種改良が盛んで、バリエーションが非常に豊富です。
これがヒョウモントカゲモドキの人気の要因でもあります。
野生採取個体の子供や孫をワイルドライン、ワイルドF1などと呼び、流通することもあります。
ヤモリは生活の仕方で地上性、樹上性、中間の半樹上性、といった形で分けられますが、
ヒョウモントカゲモドキは地上性とされています。
家屋の壁を登るニホンヤモリのような立体的な行動はとりません。
ヒョウモントカゲモドキの飼育方法
野生のヒョウモントカゲモドキは、アジアに広く分布し、乾燥気味の荒地や草原に生息しています。
夜行性で主に虫を食べています。ヒョウモントカゲモドキは環境適応能力が高く、非常に丈夫ですが、
間違った環境で飼育してしまうと体調を崩してしまいます。
野生での生活を考えつつ飼育環境を整えてあげましょう。
ここではヒョウモントカゲモドキ飼育で押さえておきたいポイントをご紹介します
ケージ
後述しますが、ヒョウモントカゲモドキは基本的には単独で飼育します。
小さ過ぎても問題ですが、あまり大きなケージは必要ありません。
小さ目のケージですと底面が30cm×20cm程度でも問題ありません。
ヒョウモントカゲモドキ1匹に対して60cm規格水槽(底面が60cm×30cm)
程度の広さは必要無いと思っていただいて良いかと思います。
これも後述しますが、ヒョウモントカゲモドキは保温が必要です。
保温器具とケージの材質の相性も考えなくてはいけません。
観賞魚用ガラス水槽、爬虫類専用ガラスケージ、プラケ、アクリルケージ、などがありますが、
プラスチックを溶かしてしまうような保温器具もありますので、注意が必要です。
ヒョウモントカゲモドキは壁は上りませんが、
何が起こるかわかりませんので蓋は用意しましょう。
観賞魚用ガラス水槽を購入する時は蓋がセットで付いてこないこともありますので、
その場合は別に準備してあげましょう。
保温器具
ヒョウモントカゲモドキは25~30℃が最適な温度と言われています。
ある程度の温度でも耐えることはできますが、最適な温度から外れますと、
餌食いが落ちる、餌の消化が悪くなる、活動性が低下する、などが見られてきます。
爬虫類は環境を整えてあげれば病気になることは少ないですが、
低温にさらすなど悪い環境下に居続けると死に至ることが多々ありますので、ご注意ください。
保温器具の種類としましては、ケージの底面に敷くパネルヒーター、天井に取り付けるパネルヒーター、
保温用電球、セラミックヒーターなどがあります。
多頭飼育しているマニアの方は、部屋全体をエアコンで温度管理している方もいらっしゃいます。
初めてヒョウモントカゲモドキを飼う際にお勧めの保温器具は、底面にパネルヒーターを敷き、
天井に取り付けるタイプのパネルヒーターをサーモスタットに接続して設置する、といったところでしょうか。
床材
大きく分けて2つの方向性になります。
掃除をしやすくして清潔に保てる床材、レイアウトが出来る見栄えの良い床材、という2つの方向性です。
清潔に保てる床材の代表的なものとしましては、キッチンペーパーやペットシーツがあります。
排泄したらすぐに取り替えるようにしておけば、ケージ内を常に清潔に保つことが出来ます。
ただし、人工的なものですので、見栄えはあまり良くないかと思います。
見栄えの良い床材の代表的なものとしては、爬虫類用サンドがあります。
もともと生息していた場所に近い環境を提供出来ますので、
ヒョウモントカゲモドキにとっては過ごしやすいかもしれませんね。
ただし、定期的な床材の総入れ替えをしないと清潔には保てません。
また、稀な例ではありますが、餌と一緒に爬虫類用サンドを食べてしまい、
腸に詰まってしまうこともありますのでご注意ください。
シェルター
ケージ内は基本的には乾燥していて良いのですが、
シェルター内は湿度が高い状態にしておくことをお勧め致します。
脱皮をする際は、ある程度の湿気が必要になるためです。
市販されているウェットシェルターがお勧めです。
タッパーを改造する方法もあります。
ヒョウモントカゲモドキが出入り出来る大きさの穴を開け、タッパーの中を濡らした水苔などで満たします。
こういったシェルターをオリジナルで作成する方も多くいらっしゃいます。
餌
主に生きた虫を与えます。
これがヒョウモントカゲモドキ飼育の最大の難関と言っても過言ではありません!
虫が苦手な方は、これを乗り越えられればヒョウモントカゲモドキ飼育に辿り着けるでしょう!
コオロギ、ミルワームあたりが最も手に入りやすいです。
デュビア、レッドローチ、ハニーワームなどもありますが、爬虫類専門店でないと手に入りにくいです。
1つの餌しか与えないのは良くないと言われることもありますが、
ヒョウモントカゲモドキのブリーダーで、
ミルワームしか与えないという方もいらっしゃいますので、問題無さそうです。
餌を与える際は、餌となる虫にも餌を食べさせて栄養をつけるガットローディング、
餌となる虫に栄養となるパウダー状のサプリメント(カルシウムやビタミンなど)
を振りかけるダスティングという方法があります。
これらやっておいた方が良いでしょう。
給餌の頻度の目安としましては、幼体は毎日、成体は2~3日に1回程度が良いとされています。
ヒョウモントカゲモドキは栄養状態が良ければ尻尾が太いので、
尻尾の太さや食い付き具合で餌の量や頻度を調節していただくと良いかと思います。
紫外線、照明器具など
基本的に、夜行性の爬虫類は紫外線は必要無いと言われています。
ヒョウモントカゲモドキも夜行性ですので、紫外線は無さそうです。
紫外線ランプを設置している飼育者さんもいらっしゃるようですが、多くの飼育者は設置していません。
照明器具は、ヒョウモントカゲモドキを観察するために設置する程度で充分でしょう。
ヒョウモントカゲモドキの種類
ヒョウモントカゲモドキの品種は非常に多く存在します。
特に有名な品種を簡単にご紹介致します。
・ハイイエロー
ヒョウモントカゲモドキ ハイイエロー 約10cm
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全ての品種の基本となる品種です。黄色みが強い個体のことを言います。
・タンジェリン
ハイイエローの中からオレンジが強い個体が選ばれ、作出されました。
・スノー
黄色みが抑えられ、白黒がメインとなっている品種です。
・アルビノ
メラニン色素が少ない個体のことを言い、
トレンパーアルビノ、ベルアルビノなどの血統が存在します。
・バンデット
鼻先に口髭の模様のある個体を指します。
ヒョウモントカゲモドキの飼い方のまとめ
以上、ヒョウモントカゲモドキについてご紹介致しましたが、
その魅力をご理解いただけたでしょうか?
30年近く生きていたという記録もあるくらい、長寿な爬虫類です。
是非、パートナーとしてお迎えいただければと思います!
(写真引用元:wikipedia ヒョウモントカゲモドキ)
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