アクアリウム趣味の中でもカラスガイやイシガイなど
淡水産二枚貝は独特の飼育テクニックが必要になります。
たとえば餌の元として、整腸剤として用いるビール酵母の錠剤を埋め込んでみたり。
難度は高いものの、ユニークな二枚貝の飼育にぜひチャレンジしてみましょう。
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二枚貝の基本情報
アクアリウムではおなじみのイシマキガイやスネールは巻貝の仲間です。
二枚貝とはアサリやハマグリ(どちらも海産)のように一対の殻を持つ貝類を指します。
巻貝と違いあまり飼育対象としてポピュラーでないのは難しさのため。
二枚貝は巻貝の仲間に比べ水温や餌にとても気をつかいます。
ショップではタナゴの産卵床としてよく販売されています。
イシガイ、ドブガイ、ササノハガイ、カラスガイ、マツカサガイ、
シジラガイ、オバエボシガイ、カワシンジュガイ、淡水シジミなどが一般的に流通しています。
二枚貝の飼育情報
淡水二枚貝は植物性プランクトンを主な餌としているので、水槽を屋外に設置した方が飼育しやすくなります。
太陽光の方がプランクトン、特に珪藻類を繁殖させやすいためです。
ただし、日中通じて直射日光が射しこむような場所では問題です。
水が緑色になるので(いわゆるグリーンウォーター)、
いかにも植物性プランクトンが沸いているように見えますが、
二枚貝の食べられない緑藻系しか増えていないのです。
日照が半日程度ある場所か、木漏れ日の下に飼育容器を置きましょう。
水槽
二枚貝は見た目よりたくさんの餌を必要とするため、
60cm以上の水槽を用意できると管理が楽になります。
屋外に設置するなら衣裳ケースでもよいでしょう。
底砂
二枚貝が潜るための底砂は必須です。
水草育成用のソイルや、スイレン栽培に使う田んぼの土がおすすめです。
どちらも土中に栄養分が含まれているため、プランクトンが沸きやすくなります。
二枚貝の全身が埋まるよう、深めに6~7cmほど敷いておきましょう。
飼育を開始する前、さらに底砂の中に栄養分を加えておきましょう。
整腸剤やサプリとして用いられる、酵母を原料した薬です。
これを数粒、底砂の中に入れておくだけで二枚貝飼育が楽になると言われているのです。
水草
水質を安定させ、プランクトンが沸きやすい環境作りを助けるため水草も入れておきます。
種類は特に問いませんが、アマゾンソードやバリスネリアのような熱帯魚水槽むけの水草より、
マツモやオオカナダモのように金魚水槽に似合う水草の方が、なぜか二枚貝との相性がよい傾向にあります。
二枚貝飼育を始めたら定期的に水草用の肥料を添加しましょう。
これもプランクトンを沸かせる助けになります。
フィルター
上部フィルター、外部フィルターなど水槽サイズに合ったものを使用します。
底砂に水と酸素が循環する底面フィルターもおすすめです。
魚用に何年も使用した底砂と底面フィルターを用意すると、二枚貝をとてもよい状態で飼育できるようです。
ろ材にはサンゴ砂や牡蠣ガラを使用します。
殻を作るために、サンゴ砂から染み出る各種ミネラルが必要となるからです。
高水温による酸欠に弱いので、エアレーションも入れておきます。
水質
川や池の水を毎日汲んでくれば、二枚貝の餌を常に供給できるという理屈になります。
毎日は無理でも、種水として自然の河川で採集した水を用いるだけでも、
飼育に好結果をもたらすと言われています。
餌
二枚貝飼育で最も困難なポイントです。
珪藻類をコンスタントに供給するのは研究施設でもなければ不可能ですから、
それに近いものをいかに給餌できるかにかかっています。
近年発売されたばかりの「二枚貝の餌」は専用フードだけあり、飼育者に好評です。
給餌したように見えて後で吐き出していることもあるので、貝の様子を注意深く観察して量を判断しましょう。
変わったところでは豆乳も有名です。
水槽内に入れてしばらくすると、豆乳で白濁した水が澄んできます。
本当に豆乳を餌にしていること、二枚貝の水質浄化能力の高さがよく分かる光景です。
二枚貝飼育のまとめ
まだまだ長期飼育の技術が確立されていないだけに、二枚貝飼育はとてもやりがいがあります。
もちろんタナゴやヌマチチブなど淡水魚のタンクメイトとして楽しむ方法もありますよ。
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