透明感のあるボディに赤く染まった頭と尻尾‐。ルリーシュリンプは熱帯魚のラミーノーズテトラを思わせる、コントラストのある体色が人気。大定番のレッドビーシュリンプに迫る人気を見せつつあります。そんな注目度の抜群なルリーシュリンプの特徴や飼育法をまとめてみました。
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ルリーシュリンプはどんなエビ?
ルリーシュリンプはチェリーシュリンプの変種と言われています。チェリーシュリンプは台湾産の淡水エビ。自然下のものは緑や茶色がかっていますが、観賞用に赤味の強い個体が選別されてきました。ルリーシュリンプは、チェリーシュリンプ同様に
胴体前部と尻尾には赤が強く発色しますが、胴体後部は透明。チェリーシュリンプには見られないツートーンが人気の秘密です。ルリーシュリンプは「琉璃蝦」という漢字表記でも流通しています。「琉璃」は中国語で、原種チェリーシュリンプのような「海老茶」に近い色合い色合いを指します。混同しやすいですが「瑠璃(るり)色」(紫がかった鮮やかな青)とは別物です。
寿命は1~2年。高水温に弱い点を除けば、水質にもあまりうるさくなく、初心者でも育てやすい種です。
ルリーシュリンプの水質、水温
チェリーシュリンプと同様の水質、水温で問題ありません。弱酸性~弱アルカリ性まで幅広い水質に適応できますが、中性からややアルカリに傾いているあたりが最もコンディション、体色の上がってくるところです。
水温は20~25度。エビの仲間に共通する注意点ですが、夏場の高水温と酸欠はとても苦手。エアレーションを必ず施し、水槽用クーラーやエアコンを使って乗り切りましょう。
ルリーシュリンプの底砂
本来は砂利や土中の微生物(デトリタス)を摂食して生活するグループです。ベアタンクでも飼育できますが、底砂を敷いておくと、砂粒の間にある残餌や苔をよく食べてくれます。
底砂の色は体色に影響を与えます。白など明るい色の底砂と強めの照明では、体の透明度が増してきます。逆に濃い色の底砂と暗めの照明で飼育すると、体色が濃くなる傾向があります。物陰に隠れる習性はそれほど高くありませんが、隠れ家となる水草やアクセサリーもなるべく用意したいところです。
ルリーシュリンプの餌
本種の特徴である頭部付近の赤みをより強めたいなら、高タンパクの餌を与えます。シュリンプ専用の色揚げ用飼料がおすすめ。湧かしたブラインシュリンプなど、生き餌も赤味を強めるはたらきがあります。手間はかかりますが、一般的なフレークフードでは出せない色味に仕上がってきます。もちろん、ブリーディングや色揚げにこだわらなければ、普通のシュリンプ用フードでかまいません。
ルリーシュリンプ飼育のコツ
ルリーシュリンプに限らずレッドビーなどにも共通して言えることですが、成長につれ色抜けする場合があります。水質や水温、ストレス、餌の質など色抜けには様々な原因がからみあっています。水中の硬度も大きな要因のひとつ。
カルシウム、カリウムなどのミネラルが不足した硬度の低い水で飼育を続けていると、色抜けしやすくなるだけでなく、殻が柔らかくなったり、病気を起こしやすくなったりします。ろ材や底砂で硬度を調整するのは難しいので、「KHプラス」「硬度アップ」といった商品名のついた水質調整剤を利用するのが手軽です、脱皮後の殻は貴重なミネラル補給源となるので、取り除かずにおきましょう。
「ルリーシュリンプの底砂」の項目でもご説明した通り、赤味と透明度は水槽の環境によっても変わってきます。自分好みの体色に近づくようセッティングを調節してみましょう。
ルリーシュリンプの繁殖
チェリーシュリンプ同様、10匹以上の複数飼育で、水草などの隠れ家を多めに用意しておくと、いつのまにか稚エビが誕生しています。混泳魚や、ミナミヌマエビなどより大柄なエビには捕食されてしまいまうので、繁殖を狙う際には本種のみで飼育してください。
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