メダカは泳ぐ姿が可愛らしく魅力的な品種です。メダカの魅力はそれだけではありません。環境を整えれば自宅でも簡単に繁殖も楽しめるのです。メダカを好んで飼育するアクアリストは繁殖も魅力の一つとして語ります。メダカを繁殖させて、稚魚が成長する様子も楽しいものです。
しかしメダカの稚魚は成体よりも繊細なので、より一層丁寧に育てる必要があります。特に水流に関してはシビアで、稚魚の生存率に直結する問題です。
今回はメダカの稚魚と水流の関係性について解説します。
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メダカの稚魚に水流は必要ない
メダカは本来、流れの穏やかな川や池、田んぼに生息する水流を好まない品種です。水槽内に水流があると逆らうように泳ぐので、体力の低下で衰弱してしまいます。なので水槽内には隠れ家となるような石組みや水草を用意すると休憩するスペースになるので良いと言われています。
メダカの稚魚には泳ぐ力が一切ありませんので、少しの水流でも流されてしまいます。稚魚を育てる環境には、一切水流が発生しないよう配慮が必要です。ふわふわと漂うことしかできない稚魚が水流に当たってしまうと、抵抗する力が無く、そのまま弱って死んでしまいます。
メダカの繁殖を試みている中で、稚魚の生存率が低い人は今一度水槽内の水の流れを再確認してみましょう。フィルターの排水の向きや水の落ち込み、エアレーションによる水の流れを見直してみましょう。メダカは成体でも水流を必要としないので、水流に配慮した環境を作りを忘れないでください。
水流から稚魚を守るために隔離する方法
親メダカは浮き草に卵を産み付けます。産み付けた卵をそのまま放置すると、生まれてきた稚魚には過酷な環境となります。メダカの稚魚の生存率を上げて育てるには、適切な環境を作るのが欠かせません。
水流や親メダカから稚魚を守り生存率を上げるには、以下の2つの方法があります。
メダカの稚魚の生存率を高める:サテライトを用意
サテライトとはメインの水槽に引っ掛けて設置する隔離ボックスのようなものです。メダカの稚魚だけでなく、稚エビなど様々な稚魚を隔離して安全に育てるために使われます。サテライト内は隔離されているので、水流の影響や親メダカの攻撃を避けることができます。
エアーポンプを使って水槽の水を隔離ボックスに送り込むので、サテライトの中はメインの水槽と同じ水質。水温が保たれます。稚魚を隔離する一番簡単な方法で、多くの人が愛用する装置です。これといったデメリットも無いので、メダカの稚魚を水流から守るにはもってこいの装置です。
メダカの稚魚の生存率を高める:稚魚専用の水槽
稚魚専用に、メインの水槽とは別にサブの水槽を用意するのも効果的です。親メダカは浮き草に卵を産み付けるので、浮き草に卵を確認したらそのままサブの水槽に移動して稚魚が生まれるのを待てば良いです。メインの水槽よりも小さい水槽で済むので、工夫すれば負担にもなりません。
サブの水槽を持つのはサテライトを設置するよりも大変ですが、メインとは違う水槽を所有する楽しみと、稚魚を隔離できるメリットがあります。稚魚以外にも、病気にかかったメダカを隔離して薬浴する際にも使えます。水草のストック水槽としても使えるので、サブの水槽を持つアクアリストは意外と多いのです。
メダカの稚魚と水流の関係まとめ
メダカの稚魚と水流の関係について解説しました。メダカの飼育では水流が悪影響を及ぼすので、水槽内の水の流れには注意しましょう。
特に生まれたばかりの稚魚は繊細なので、水流が発生する環境は厳禁です。サテライトを設置して隔離するか、サブの稚魚専用水槽を立ち上げて育てるのが重要です。稚魚の生存率を上げるには餌や水質、外部に左右されない環境を作るのが大切です。
水質や餌は注目度の高いポイントなので気が付きやすいのですが、水流は目に見えないものなので気が回りません。メダカは稚魚、成体どちらも水流に敏感な品種なので特に気を付けてあげてくださいね。
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