「アナカリス」は和名で「オオカダモ」といい、メダカや金魚の水槽でよく見かける水草です。丈夫な水草なので、初心者にも育てやすい水草と言われていますが、そんなアナカリスには「水質浄化」の能力があると言われているのです。
今回の記事ではそんなアナカリスの生態と「水質浄化」の能力について調べてみましょう。
この記事の目次
南米の穏やかな川に住む水草・アナカリス
アナカリスはブラジルやアルゼンチンなど南米が原産の水草です。南米の生まれですが、世界中に広まり、北米、ヨーロッパのみならず、日本でも河川などで見られるようになりました。湖や沼、流れの緩やかな河川に多く生息しており、数センチから長いものだと１メートルを超える長さまで成長します。
アナカリスはとても丈夫で成長も早い
その葉は茎にびっしりついており、葉先が尖っているのも特徴です。５月から１０月には花も咲き、３センチくらいの花を水上に咲かせます。水質の変化にも強く、ある程度の低温にも耐えられます。
光が強いと「ダーググリーン」、光が弱いと「ライトグリーン」になることで知られ、光量を調整することにより色も変えることができます。養分を葉と根の両方から吸収することができ、そのため成長は早く、種子を用いなくても「栄養繁殖」で繁殖することができます。
アナカリスは水質浄化に役に立つのか？
「アナカリス」には「水質浄化」の能力があると言われています。魚の糞尿からはアンモニアが発生し、それは分解されて「硝酸塩」が水中に残ります。水草は根から硝酸塩を吸収し、それを窒素に変え、栄養としています。
殆どの水草はその能力を持っているのですが、アナカリスは「葉と根」からそれぞれ同じくらいの栄養を吸収することができます。これによりアナカリスは他の水草より２倍近くの浄化能力があると推定され、「水質浄化に役に立つ」と言われているのです。
その分成長も早いので、水槽内であっという間に増えて魚の泳ぎの邪魔をしたり、水槽に光が届かなくなったりもするので、適度に間引きすることも必要でしょう。
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アナカリスは水質、水温にはあまりこだわらない
ここからはアナカリスの栽培方法について調べてみましょう。アナカリスは水温の変化には強く、１３度から３０度くらいまでと適応水温は幅広いです。かなり寒い冬場でも水温が氷点下になり、水が凍らない限りはヒーターも必要ありません。
水質もあまりこだわらず、弱酸性から弱アルカリ性と幅広く適応できます。
アナカリスを水槽に入れる前に
アナカリスは購入すると、ロックウールがついています。水槽に入れる前にこれを完全に取り除きましょう。これを怠るとロックウールの腐食により水槽内の環境が悪化します。
草の下部をロックウールごと切っても大丈夫です。その後は水草からスネールなど有害生物の卵を取り除くために薬剤を用いて消毒を行います。薬剤は通販などで売られていますので事前に購入をお勧めします。
アナカリスの植え方
消毒が終わったら、いよいよ水槽に投入します。まずは底床材に斜めになるように、そして深めに植えていきます。斜めに植えるのは抜けにくくするためです。
注意点としてアナカリスは成長が早いので、お互いの成長を邪魔しないようにアナカリス同士の間隔をあけて植えることです。底床材は抜けるのを防止するために３から５センチの厚さが必要です。
アナカリスの繁殖方法は？
アナカリスを増やすにはまず、草の中央付近に見られる筋の下部からカットし、カットされた上部を底床材に植え込むだけです。これだけでアナカリスは根を伸ばし、どんどん増えていきます。成長は速いので増えすぎて水質の悪化や他の水草の成長を阻害する場合があるので、定期的な間引きも必要です。
アナカリス育成の注意点
アナカリスは丈夫な水草ですが、栄養不足や、あまりの低温などがあると成長が止まる恐れがあります。栄養を与えるには専用の肥料を、低温にはヒーターを用意することが必要になってくるでしょう。また、２４時間光を当て続けると、アナカリスのリズムが狂うので、室内で育成する場合はタイマーなどで照明を調整するようにしてください。
アナカリスの水質浄化のまとめ
アナカリスは水質浄化に大きな力を発揮することがわかりました。丈夫で育成も簡単なので、初心者の方にもおすすめです。手軽に手に入るので、水槽を立ち上げたらまずはアナカリスを投入してみてはいかがでしょうか？
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