イール(ウナギ)の名前がついていますが、蒲焼きになるウナギとは別種。
スパイニーイールは東南アジアやアフリカなどに分布するタウナギの仲間です。
20~70cmまで成長し、複雑な模様も見せてくれます。
ドジョウ科などニョロニョロ系の魚が好きで、
かつ見ごたえのサイズを飼いたいという方に絶対オススメ!
スパイニーイールは脱走にさえ注意すれば飼いやすい魚種です。
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この記事の目次
スパイニーイールの基本情報
東南アジア産のファイアー・スパイニーイール、ピーコック・スパイニーイール、
イエロー・スパイニーイールなどが主に流通しています。
アフリカ産のワイルド個体も少数ながら入荷されていますが、
産地によっては弱アルカリ性の特別な飼育水を用意する必要があるため注意が必要です。
ワイルド個体全般にいえる傾向ですが、水質の変化や餌に対しとてもナイーブな面があります。
スパイニーイール飼育の失敗例として多いのが水槽からの脱走。蓋に重しを乗せ、
ヒーターやフィルターのコード、チューブを通すスペースには必ず目張りしておきましょう。
スパイニーイールの飼育情報
スパイニーイールはすっぽりと砂に潜り、
頭だけ出して周囲をうかがうユーモラスな習性を見せます。
個体によっては砂に潜らないものもいるので、物陰を好む習性には変わりありません。
底砂だけでなく塩ビパイプなどで隠れ家を用意しておきましょう。
餌を見つけると俊敏についばみますが、おちょぼ口なので食べるスピードはあまり早くありません。
スパイニーイールにきちんと餌が行き渡るよう、同居魚や餌やりのタイミングに注意します。
スパイニーイールの水槽
ウナギやドジョウのようにしなやかな体を持つスパイニーイールですが、意外とよく泳ぎ回るので、
最も小型の20cm台で成長が止まる魚種でも60cmサイズの水槽を用意したいところです。
外部フィルター、上部フィルターどちらの場合も吐水口を水面から離し、スパイニーイールの侵入を防ぎます。
細かい穴のたくさん空いたシャワーパイプが最も効果的です。
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スパイニーイールの水質
中性で25度の水温をキープできれば問題ありません。
アフリカ・マラウィ湖産の一部魚種は弱アルカリ性の硬水を必要とします。
同じアフリカ産でも弱酸性の水質を好むものもいますので、
購入前によくショップに確かめておきましょう。
いわゆる「こなれた水」を好みます。
導入前にパイロットフィッシュを用いて、
しっかりろ過バクテリアの繁殖した環境を作り、1回の水替え量は1/4程度にとどめます。
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スパイニーイールの底砂
砂に潜って過ごすことの多い魚です。全身が入るようやや深め(5cm程度)の底砂を敷きます。
潜りやすさを考慮し、粒の小さな田砂などを用いましょう。
大型に育った個体を導入する場合は普通の大磯砂でもかまいません。
底砂が厚いほど腐敗ガスがたまりやすくなります。
水替えの際は、掃除用のホースで丁寧に底砂全体をさらいましょう。
スパイニーイールはやや古い、こなれた水が好きなので底砂掃除の際、あまり水を抜きすぎないようにします。
底砂掃除の時も潜ったままでいることがあります。
掃除用ホースの先端で砂中の体を傷つけないよう注意しましょう。
スパイニーイールの餌
人工飼料はあまり好みません。冷凍アカムシ、冷凍ミジンコなど冷凍餌が主体となります。
長いボディに反し口が小さいので、成魚になるまでは小さな冷凍ミジンコや冷凍ブラインシュリンプが重宝します。
活発につつく一方、食べるのがあまり上手ではありません。
残餌は水質悪化の原因となるので、1日に2~3回、少量ずつ与えるようにしましょう。
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スパイニーイールの混泳
大人しい性質なので混泳向きです。
幼魚のうちはカラシンなど小型魚とも混泳可能です。
グラミーなど7~8cm程度まで成長する魚種なら、成魚とも一緒に飼育できます。
コリドラス、ローチといった底棲魚とはテリトリーが重なり、
スパイニーイールに餌が回らない可能性があります。
植物質の餌を主食する小型プレコとなら相性抜群です。
レインボーフィッシュやポリプテルス、アロワナ、
ガーなどいかついルックスの魚たちと泳がせると独特な雰囲気の水槽になりますよ。
主な品種
ファイアー・スパイニーイール
50cm以上に成長する大型のスパイニーイールです。
黒い体に炎のように鮮やかな赤いラインや班が入ります。
模様のバリエーションが多く、同種間の混泳も可能なので、
お気に入りの柄で揃えてみるのもよいでしょう。
グリーン・スパイニーイール
スパイニーイールの仲間でも特に小さく、最大でも20cmほどにしか成長しません。
性格も極めて温和なので、小型魚とも混泳を楽しめます。
飼い込むと各ひれが黄緑色に美しく発色します。
スパイニーイールの動画
スパイニーイールの飼育まとめ
脱走名人である点と、餌やりに気を配る必要はありますが、
スパイニーイールは混泳向きの大人しい魚です。
元気に泳ぐ中層の魚たち、底から顔だけ出してるスパイニーイールという
珍風景をぜひ間近で眺めてみてください。
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