手頃なタンクメイトとしてヤマトヌマエビをお迎え。
しかし、すぐに☆にしてしまった経験はありませんか?
筆者はあります、しかも何度も…。
どこのショップにもおり、
価格も手ごろなヤマトヌマエビですが意外とデリケートな一面を持っているのです。
失敗から学んだ、ヤマトヌマエビと長く付き合うために必要なポイントをまとめてみました。
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この記事の目次
1.水合わせは慎重に
水槽の脇役的な扱いのヤマトヌマエビですが、
実は主役であるはずの熱帯魚たちより、はるかに水質に敏感です。
購入前にショップでの水質を聞き、自宅の水槽と大きく隔たりがないか確認しましょう。
中性付近ならまず大丈夫ですが、
自宅水槽が飼育魚に合わせて酸性またはアルカリに傾いている場合は、
それを種水にして、中和した水道水を加えた予備水槽を立ち上げ、
しばらくはそちらで管理した方が確実です。
導入の際もいきなりドホンではなく、まず水温を合わせてからゆっくりと。
点滴方式が安心です。
通販でエアチューブ、コックなどがセットになった「水合わせ」を入手するのが便利です。
本来は弱酸性~弱アルカリ性に適応するので、水合わせが上手くいくと生存率はぐっとアップします。
ただし、魚より水質悪化に弱いので換水はしっかりと。
2.水面近くに移動するのは危険信号
水質が合わないとヤマトヌマエビは水面近くに集まります。
逃げようとする行動なのか、水質の違いがあるのか、理由はよく分かりません。
すみやかに水替えしましょう。
この時も冷たい水をいきなり入れたり、カルキ抜きしていない水道水を入れないよう注意します。
3.夏場の高水温に注意
28度を超えると、もうヤマトヌマエビにとってはもう危険エリア。
残餌による水の腐敗も早まるので、すぐに対策しましょう。
・エアレーションを入れる。
・水槽の蓋を外す。
・照明を消す。
・水槽用クーラーを設置する。
・部屋自体をエアコンで管理する。
といった水温対策を施しましょう。
「ヤマトヌマエビで水槽用クーラー?」と思われるかもしれませんが、
ヤマトヌマエビやミナミヌマエビからさらに他のシュリンプ系飼育に
挑もうとしている方に水槽用クーラーは必需品なのです。
関連記事:夏場の水温対策 – 熱帯魚飼育
4.小さ目の個体を選ぶ
熱帯魚の場合、ショップの水槽の中で最も大きく、
最も威張っている(ように見える)個体を選ぶのがセオリーです。
サイズがあり、ボスになっている個体ほど丈夫で強いからです。
ヤマトヌマエビの場合はまったく逆。
なるべく小さい個体を選んですくってもらいましょう。
大きい個体ほど飼育環境の変化に弱く、最初の水合わせで落ちてしまうリスクが高いのです。
5.水草の残留農薬に注意する
啓発が進み、最近はだいぶ減ってきたようですが、
新しい水草を入れた途端に☆になってしまうケースがかつてはありました。
原因は水草についていた農薬。
同じ水槽の魚は平気なので、決して高濃度ではないようですが、敏感なエビ類には死活問題なのです。
ショップではヤマトヌマエビの泳いでいる水槽にストックされている水草を選ぶと安心です。
6.底砂を一気に交換しない
ソイル系やサンゴ砂など、溶け出す成分が水質に影響を与える底砂は、少しずつ交換していきましょう。
一気に替えると水質が急変し、落ちる原因になってしまいます。
これも魚は平気なので、エビ類ならではの神経質さです。
7.部屋の中で殺虫剤を使わない
部屋を閉め切って行う燻煙式はもちろん、スプレー式の殺虫剤も控えましょう。
水槽の蓋をしっかり閉めていても、微量の成分がヤマトヌマエビにとって命取りになります。
関連記事:ヤマトヌマエビの飼育・脱皮のことを知り飼育に生かそう
8.ろ材の一部にカキ殻とサンゴ砂
導入の前に、ろ材にカキ殻とサンゴ砂を入れておくと後々の管理が楽になります。
エビ類は脱皮の際にカルシウムなどミネラルを多く消費するためです。
飼育水のミネラルを維持するため、定期的にごく少量の人工海水の素を入れる方もいます。
ここまで工夫しても突然☆になってしまうのがエビ類の難しさですが、
いきなり落としてしまう確率は減るはずです。水槽の名脇役を上手に育てていきたいですね。
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