一般的に大型になる魚には、サイズに見合った大型の水槽が必要です。
例えば熱帯魚のシルバーアロワナなら体長1mに達するので、
水槽も180cm、2mといった大きいものを用意しなくてはいけないのです。
しかし、錦鯉は別。
本来は大型になるにもかかわらず、水槽サイズに合わせて自分で成長をセーブできるのです。
美しさは誰もが認める錦鯉。
水槽飼育という夢のようなスタイルに、ぜひ挑戦してみてください。
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錦鯉の基本情報
江戸時代に作出された改良品種です。
当初は「色鯉」「花鯉」などと呼ばれていましたが、
太平洋戦争の頃に「錦鯉」の呼び名が定着しました。
1968年には全日本総合錦鯉品評会が初開催。
この時、「日本の国魚」という表現も生まれたのです。
戦後、積極的に欧米へ輸出されるようになり、
海外でもペットフィッシュとして定着しています。
「昭和三色」「浅黄」など約100もの品種があるので、好みのタイプが必ず見つかるはずです。
錦鯉の飼育情報
野生の鯉より温和な性格です。
複数飼育しても争いを起こすことはほとんどありません。
多くの大型魚は、小さい水槽で飼育を続けていると背骨が曲がってしまったり、
ストレスで病気にかかりやすくなってしまいます。
対して錦鯉は水槽サイズに見合った大きさまでしか育たず、
さらに複数飼育すると成長が抑制されるという特徴があります。
水槽
45cm水槽から飼育可能です。
45cnサイズなら15cm以下の錦鯉3~5匹がめやすです。
以降、60cm、90cmと水槽サイズが大きくなるにつれ、
錦鯉のサイズ、匹数もアップしていきます。
例えば45cm水槽で15cmの錦鯉を3匹飼育していたとしましょう。
錦鯉はみな15cmから大きくならず、体調もよさそうです。
ここで1匹を60cm水槽に移動させたとしましょう
(より大きい環境を用意しようとするのはアクアリストとしてごく普通の発想ですから)。
すると60cm水槽に移動した1匹はたちまち20cm以上に成長してしまいます。
45cm水槽に残された2匹も、1匹抜けたとたんにひとまわり大きくなりました。
こうしてサイズ、匹数によって成長度合いを変えるのが錦鯉なのです。
もちろん広い池に放したらもっと大きく育ちますよ。
フィルター
熱帯魚でたとえるなら「過密飼育」に近い状態になりますから、しっかりしたろ過設備が必要です。
上部フィルターなら大丈夫。
外掛け式や投げ込み式では能力不足です。
上部フィルターか外部フィルターにエアレーションを加えれば夏場でも安心です。
水質が酸性に傾きやすいので、ろ過材にサンゴ砂か牡蠣ガラを入れておきましょう。
餌
錦鯉の水槽飼育で最も気をつかう部分です。
一般的な餌やりのセオリーは「数分で食べ尽くす量」「1日1~3回」。
ですが、錦鯉の水槽飼育でこのペースを守っていると、
予想されるサイズをたちまちオーバーしてしまい、ろ過能力も追いつかなくなってしまいます。
錦鯉をその水槽におさめたいのなら、セオリーより餌を控え目にすることが必要なのです。
餌は1日1回。
たまに絶食日があってもかまいません。
1分で食べきってしまうくらい少なめにしましょう。
量が少ない分、栄養バランスのとれた錦鯉専用フードを与えます。
水温
氷の張った池でも棲めるほど寒さに強い錦鯉ですが、
水槽は温度変化が急なためヒーターを入れておいた方が病気にかかりにくくなります。
熱帯魚ほど高温にする必要はありません。
最低15度あれば十分です。
錦鯉を水槽で飼育しようのまとめ
・錦鯉は例外的に、水槽のサイズに見合った成長をする大型魚です。
・導入する数が多いほど成長が遅くなるという特徴があります。
・しっかりしたろ過と、絞った餌やりが大切です。
・よくジャンプするので蓋はしっかりと。
・錦鯉は上から眺めるのが普通だったため、水槽で横から鑑賞するとこれまでにない新鮮さがります。
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