アクアリウムはある程度の投資が必要なホビー。
それでも気になってしまうのが冬場の電気代です。
ヒーターによってどれくらいの電気代が生じているのか?
少しでも抑える方法はあるのか? を考えてみました。
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器具別の電気代を知る
ヒーターに限らず、電化製品の電気代は、
電力量料金単価×使用量
という式から求めることができます。
使用量とは、使用時間と製品のワット数を掛け算したもの。
2017年11月11日現在、
東京電力の第2段階料金(120kWhをこえ300kWhまで)は1 kWhあたり26円です。
これを標準的な電力量料金単価として試算していきましょう。
一般的な60cmレギュラー水槽に、
適正なサイズである150w(ワット)のヒーターを設置したとしましょう。
使用量の単位はkWh(キロワット)ですから、単位を揃えるために1000で割ります。
1日8時間、ヒーターが稼働する場合、1日あたりの電気代は
150w(ヒーターのワット数)÷1000×8(時間)×26(電力量料金単価)=31.2円 となります。
次はフィルター。
エーハイムの60cm水槽用外部フィルターは5w。
フィルターは24時間稼働するので、
5w÷1000×24×26=3.12円となります。
そして照明器具。
近年はLEDの普及で、ぐっと省エネが進みました。
汎用的なアクロの60cm水槽用LEDライトは20.1w。
1日8時間使用したとすると、
20.1w÷1000×8×26=4.18円
総計すると、水槽1本あたり1日約38.5円のランニングコストがかかっているわけです。
電気代は条件によって大きく変わる
上で紹介した電気代はあくまで、ひとつの条件から導き出したものにすぎません。
地域はもちろん、住宅環境、水槽のサイズ、
魚種などさまざまな要素によって電気代は大きく変わってきます。
低温に強いコリドラスを23度設定の小型水槽で飼育するのと、
30度付近の高水温を好むアロワナを180cm水槽で飼うのとでは大きな差が生じるのは当然です。
さりとて、電気代節約だけのためにアロワナ好きが、
コリドラスでガマンするというのも妙な話。
趣味の世界なのですから、好きな魚を、
節約術を駆使しながら飼育するのが一番なのではないでしょうか。
ヒーター代を節約するテクニック
○断熱材を活用する
水槽のガラス面から、蒸発した水分の気化熱から…
冬になると熱帯魚水槽から多くの熱が奪われていきます。
そこで水槽の底面や側面を発泡スチロールや断熱シートで覆ってやりましょう。
専用の断熱シートがアクアショップの通販で購入できますし、自作も可能です。
蓋もしっかりと。
コードやパイプの通る穴の隙間もふさぎ、水分蒸発を抑えます。
水槽を眺めない夜間は、前面も覆ってしまいます。
フィルターも熱の逃げ道になっています。
外部フィルターを使っている場合は、本体だけでなくパイプ類も断熱材で覆ってしまいます。
ただし、フィルター掃除がとても面倒になるので、包み方には工夫が必要です。
○水槽の設置場所も工夫する
本来は置きたい場所に置くべきですが、電気代節約を目標とするなら、
エアコンのある部屋で、リビングなど常に人のいる場所に設置するのがベスト。
夜になると冷え込む窓際は避け、なるべく壁側に置きます。
○ヒーターは適正なものを選ぶ
少ないワット数のヒーターを使えば節電…と考えがちですが、実は逆効果。
力不足な分、長時間ヒーターが稼働することになりますし、消耗も速くなります。
逆に強力なヒーターを小さい水槽に入れるのも考えもの。
温度変化が急すぎて生体にストレスがかかります。
メーカーの推奨する、水槽サイズに合ったヒーターを使うのが、実は一番賢い方法なのです
○部屋全体に気配りを
どんなに水槽を囲っても、部屋自体が寒くてはお手上げ。
カーテンを床まで届く丈の長いものに換えたり、
窓に断熱シートを貼ることでもヒーター代は変わってきます。
○どうせならガス代も節約する
水換え前、交換用の水を入れたバケツを日なたに置いておけば、
わざわざお湯を沸かす必要もなく、ガス代の節約になります。
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