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クリオネの寿命はどのくらい?「氷の妖精」クリオネの生態

クリオネ f

 

その見た目の美しさから「氷の妖精」「流氷の天子」とも称される「クリオネ」。主に南極や北極周辺の寒い海に見られ、観賞用としても売られていますね。

 

そんなクリオネ、どのくらい生きるのでしょうか?

今回の記事ではそんなクリオネの寿命から生態について探っていきたいと思います。

 

 

実は貝の仲間だったクリオネ!

クリオネ f

 

「クリオネ」の見た目は独特で、一見謎の生き物のようですが、実は貝(巻貝)の仲間です。生まれたばかりのクリオネは貝殻をもっているのですが、それは成長とともに消えてしまうのです。

 

日本での正式名称は「ハダカカメガイ」といい、それだと「貝を持っていないから裸」のようなイメージで妖精とは程遠い感じですね。地域ごとに種類もあり、たとえは前述の「ハダカカメガイ」は北極海周辺、「ナンキョクハダカカメガイ」は南極周辺、「ダルマハダカカメガイ」はオホーツク海周辺に生息しています。

 

 

クリオネは何を食べている?

 

泳いでいる姿が印象的なクリオネですが、普段は何を食べているのでしょうか?

 

クリオネは「リマキナ」という生き物を食べています。「リマキナ」はクリオネより小さな巻貝の仲間で、羽のようなものを使い海を泳いでいます。クリオネはこのリマキナを捕食しているのですが、その捕食シーンがちょっとしたホラーのようです。

 

 

クリオネは捕食する際に「バッカルコーン」と言われる6本の触手を使っています。バッカルコーンを使う際のクリオネは外観がすっかり変わってしまい、とても不気味です。ちなみにエサを食べ終わるのに20分くらいかかるそうです。

 

 

クリオネの寿命は?

 

クリオネ f

 

さて、クリオネはどのくらいの寿命なのでしょうか?

 

正確にはまだわかっていませんが、大体2~3年くらいは生きるようです。ただ、もしもクリオネを飼育するには10度前後の水温を保ち、光も入れず、水を頻繁に交換しなければなりません。

 

しかも前述のエサとなるリマキナは手に入れることがたいへん難しいため、クリオネの飼育は難しいようです。飼育するにはエサを手に入れるのが難しいクリオネですが、実は何もエサを食べなくても1年程度は生きるようです。

 

 

クリオネはどうやって増える?

クリオネ f

 

 

寿命が短いクリオネですが、どのように増えるのでしょうか?

 

クリオネは雌雄同体(オスでもメスでもある)で、生殖期に入ると「卵巣が発達したクリオネ」と「精巣が発達したクリオネ」が交尾し、メス(らしい)クリオネが交尾後4時間後くらいに卵を産みます。

 

産卵数は小型のクリオネで150個前後、大型のクリオネで2000個前後と言われています。卵はゼリー状のものに包まれており、海を漂っています。

 

 

クリオネは飼えるのか?

クリオネ f

 

少し前述しましたが、クリオネは自宅で飼うことができるのでしょうか?

 

クリオネはネット通販、ペットショップなど様々な場所で販売されています。値段は大体1000円前後の所が多いようです。飼育するには容器に海水を入れ、密封し、冷蔵庫で保管することが必要です。

 

 

クリオネは寒い地域に住む生き物のため、水温は10度以下に保つ必要があり、常に新鮮な海水が必要ですので、週に一回は水を交換しましょう。前述のとおり、エサを与える必要はありませんので、1年くらいはそのまま観賞を楽しめそうです。最近ではクリオネ飼育専用の容器や水も販売されています。

 

 

 

クリオネの新種が日本で?

海水 f

 

極地の海に住むクリオネですが、なんと日本で新種が見つかったようです。2017年、富山大学の研究グループが富山湾の水深700メートルにおろした網にクリオネがかかり、遺伝子を分析してみるとこれが新種だと分かったようです。

 

この新種は日本で独自の進化をした「固有種」とみられるのですが、最近は海水の環境変化が激しく、クリオネの絶滅が心配されているようです。ちなみにクリオネは日本の新種を含め、世界で5種類確認されています。

 

 

クリオネはどこで見られるの?

サンシャイン水族館 f

 

 

クリオネは全国各地の水族館で見ることができます。代表的なところでは横浜市の「八景島シーパラダイス」、東京都豊島区の「サンシャイン水族館」などで見ることができるでしょう。

 

 

クリオネ生態のまとめ

 

まだ謎の多いクリオネですが、寿命は大体2~3年だそうです。水族館でも見られますが、最近では動画サイトでもクリオネの様々な表情を見ることができますよ。特に怖い捕食シーンは必見です。

 

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