水槽の表面に油膜が浮かんだ経験はありませんか?
実害を及ぼすものではありませんが、水質悪化のサインでもあるので手早く除去してしまいましょう。
ケース別に油膜の除去法をまとめてみました。
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水槽に油膜が張る原因は?
アクアリストの間では「油膜」と表現されていますが、ラーメンの表面に浮かぶ油脂の膜とは別物。
油膜の正体はタンパク質と言われています。
ろ過バクテリアの死骸、餌の食べ残し、
枯れた水草や茎からにじみ出た液といった様々な
有機物(タンパク質)が油膜となって水面に浮かぶのです。
本来、水槽内で発生した有機物はろ過バクテリアの働きによって分解され、
アンモニア、亜硝酸と姿を変えていきます。
しかし、ろ過バクテリアの働きが追いつかないと、
アンモニアに分解される手前の状態でタンパク質として浮かび上がってしまうのです。
油膜ができる原因
油膜=タンパク質だと考えると、油膜ができやすい状況、その原因が見えてきます。
例えば、
1.水槽の立ち上げ直後…ろ過バクテリアが上手く機能しておらず、汚れを処理しきれず死骸となる。
2.フィルターの汚れが放置されている…上と同様に、
ろ過バクテリアの死骸がフィルターから流れ出て油膜になる。
3.餌を多めに与えた後…残った餌のくずが油膜になる。
4.水草のトリミング後…カットした葉や、茎の断面から出る分泌物が原因。
5.水槽の大掃除をした…ろ材や底床を洗ったことでろ過バクテリアが大幅に減り、ろ過機能が低下した。
6.死魚が出た…死骸が分解される過程で有機物が発生する。
こうした事柄が油膜の原因となるのです。
次は各項目の対処法をご紹介していきましょう。
水槽の油膜にはこう対処する
1.水槽の立ち上げ直後
水槽をセッティングしたばかりの時期は、汚れにろ過が追いつかない状況になりがちです。
・事前によく水を空回しする。
・他水槽からバクテリアのよく沸いた種水をもらう。
・パイロットフィッシュを入れてろ過が安定したのを見計らってから本格的に導入する。
・立ち上げ初期は生体の数を控え目にする。
といった対策が必要です。
2.フィルターの汚れが放置されている
フィルター掃除が第一ですが、
方法を間違えると余計ろ過バクテリアが減ってしまい、
油膜が解消されません。
・ろ材は飼育水で洗う(水道水では塩素によってろ過バクテリアが死滅してしまうため)。
・ろ材を洗いすぎない(ざっとすすぐ程度で十分。洗いすぎるとバクテリアの大半が流れ、
ろ過が機能しなくなります)。
・水替えと同時に行わない(換水によってもバクテリアが減少するので、
ろ過能力低下を避けるためタイミングをずらします)。
以上のポイントを守ってフィルター掃除しましょう。
3.餌を多めに与えた後
水槽の立ち上げ直後に限らず、水質悪化につながる餌の与えすぎは控えたいものです。
魚種によっても異なりますが、少量を数度に分けて与えましょう。
4.水草のトリミング後
トリミング自体は必要な作業ですが、カットした葉のくずはネットですくっておきましょう。
5.水槽の大掃除をした
フィルター掃除同様、本来は汚れを落とすために行った作業が
逆に水槽のバランス崩壊を招くことがあります。
・飼育水を使って洗う。
・大掃除後、数日は餌の量を控えて水質悪化を防ぐ。
といった気配りが必要になります。
6.死魚が出た
死骸をすぐに取り出すよう努めていても、レイアウトの陰でこっそり☆になっていたり、
シュリンプのように大量飼育しているとなかなか気づきにくいものです。
忙しいさなかでも、できるだけ水槽を観察するようにしたいものです。
油膜除去に役立つテクニック
エアレーションを入れたり、フィルターの吐水口を調整して水面を叩くようにすると、
油膜を解消できます。
根本的な原因を除去できるわけではありませんが、応急措置としては有効です。
夏場、エアレーションによって溶存酸素をアップさせることは、
バクテリアの死滅回避にもつながるのでおすすめです。
油膜を食べる魚としてブラックモーリーが知られています。
丈夫で飼いやすい卵胎生メダカで、漆黒の体はよいアクセントになります。
これも根本的な解決ではなく、生体を増やすことにもつながるので、強くおすすめはできませんが、
これを機会にモーリーを飼いたいと考えている方はいかがでしょうか。
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