メダカ

稚魚育成にベストな水替えタイミングとボウフラ対策

2017年7月15日

 

稚メダカ育成で最初の壁となるのが水替えと餌やり。

今回は稚魚水槽の換水と、気になるボウフラ対策についてご説明します。

 

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稚魚育成にベストな水替えタイミングは?

 

孵化したばかりの稚魚にとっては、

その時の水質がベストの状態(もちろん、極度の過密状態で次々と落ちてしまう場合は別ですが)。

孵化して最初の餌となるお腹のヨークサックが無くなる

2~3日目までは水質維持のため水替えを控えます。

その後、稚魚の状態を見ながら徐々に換水を行っていきましょう。

水替えのペースは1日おきから1週間に一度程度など、飼育者によってさまざま。

飼育容器の大きさ、稚魚の数、

餌となる植物プランクトンの発生状況(水が緑色に染まっているかどうか)といった

要因によって変わってくるので、「○日に1回がベスト」と簡単に言い切ることはできません。

注意深く観察しながらペースと量を決めるしかないのです。

いずれにしても急激な水質の変化は禁物ですし、

稚魚を誤って吸い出してしまう事故を避けたいもの。

稚魚の姿を視認しやすい明るい色のボウルで、少量ずつ水を捨てていきます。

多少、時間の手間はかかりますが、

稚魚を巻き込まない最良の手段は毛細管現象を利用するもの。

 

カウンタークロスやダスターが稚魚水槽に使える!

 

 

レストランでテーブル拭きに使われる、「カウンタークロス」や「ダスター」を

細長く丸めて飼育容器の中に入れ、先端を外へ垂らしておきます。

すると、毛細管現象で飼育水だけがポタポタと浸み出ていくというしくみです。

急いでいる時はダスターを数本まとめて入れておくと早く水が抜けていきます。

新たに足す水はできるだけ稚魚水槽と水温、水質を合わせたいもの。

稚魚水槽のすぐ隣に、同サイズ、同素材の水替え用容器を常備しておけば安心です。

サイホンの原理を利用して、稚魚水槽より上に置いた容器から、

エアチューブで点滴のように新しい水を落としていきます。

コックがあれば流量の調節が可能です。

捨てる時と同様、ボウルで少しずつ足していってもOK。

時間の許す範囲内で、水質の急変をケアしたいものです。

 

ボウフラ対策をしっかりと

 

蚊の幼虫であるボウフラ(アカムシ)はやっかいな存在。

アカムシは代表的な魚の餌ですが、小さな稚メダカでは捕食できないのです。

デング熱の発生で代々木公園が立ち入り禁止になったのは記憶に新しいところ。

ボウフラ対策はしっかり行いたいものです。

竹の切株の中といったごく少量の水たまりでも、ボウフラは育つことができます。

一方で川の中や噴水ではほとんどボウフラを見かけることがありません。

ボウフラには止水(流れのない水)で育つという性質があるからです。

基本的にフィルターやエアレーションを施さないメダカの稚魚水槽はうってつけの生育環境なのです。

排水溝や消防用水、植木鉢の受け皿といった魚類のいない場所には、

ボウフラ駆除の薬剤を撒いたり、

銅板や10円玉(銅イオンがボウフラの成長を阻害してくれます)を沈めておく方法もあります。

しかし、魚類、特に小さなメダカにとっても銅は悪影響となるので、この方法は使えません。

稚メダカは体力に乏しいので、水流も命取りになってしまいます。

水面近くに蚊の抜け殻を見つけたら、ボウフラが棲みついているサイン。

稚魚を別容器に移して、換水と合わせて底にたまった泥を取り除きましょう。

有機物に富んだ底面の汚泥は、ボウフラにとって格好の生育場所です。

見つけたボウフラは親魚水槽に入れれば、よい餌になります。

ヤゴやカエルもメダカの天敵。

これらの侵入を防ぐにはぴったりと蓋をするしかないのですが、

夏場は飼育容器が蒸れてしまいますし、

ビオトープなら外的な存在を取り入れながら

小さな生態系を作っていくという本来のコンセプトが壊れてしまいます。

面倒ではありますが毎日、メダカたちの様子を観察して異変を察知するしかありません。

 

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