オトシンクルスは小型の熱帯魚で、水槽内のコケを食べるため水槽の「掃除人」として飼育されることが多いです。体色は地味な傾向にありますが、他の魚の邪魔をせずに仕事をしてくれるので人気のある魚でもあります。
そんなオトシンクルス、実は水温の変化に弱く、特に冬には細心の注意をしなければならないようです。今回の記事ではそんなオトシンクルスの飼育のポイントについて調べてみましょう。
この記事の目次
オトシンクルスはナマズの仲間でアマゾンからやってきた
オトシンクルスは「ナマズ目」に属するナマズの仲間で、アマゾン川流域に広く分布しています。オトシンクルスには様々な種類があり、有名なのは地味な模様の種類ですが、派手な模様を持つ「パトロシンクルス・マコリコウダ」や黒と白の模様が目立つ「ゼブラオトシンクルス」などがいます。体長は2センチから10センチとかなり小型で、寿命は3年程度でやや短めです。
オトシンクルスは特徴的な吸盤でコケを剥ぎ取る
基本的に草食性で、口にある吸盤で剥ぎ取るように藻やコケを食べます。ガラス面や流木についたコケも食べるため、水槽をきれいにする「掃除人」として水槽に入れる人が多いようです。ただ、コケはすぐに食べつくしてしまうため、定期的に植物性の餌を投入することが必要になるでしょう。
オトシンクルスは冬の水温には要注意!
オトシンクルスの最適な水温は25度前後です。低温にも比較的耐えられ、15度くらいまでは生きることができますが、それを下回ると命の危険があります。特に冬場は地方によってはかなり低くなるので対策が必要です。
具体的には「水槽用ヒーター」を設置することが大事になってきます。水槽用ヒーターは水槽の大きさによっては効果が無い場合もありますので、購入前には店の人と打ち合わせをすることが重要です。
冬はサーモスタットが重要
水槽用ヒーターには「サーモスタット」も同時に設置することも大事です(一体型のヒーターもある)。サーモスタットとはヒーターの温度を調整し、水温が高くなりすぎたり低くなりすぎたりしないための装置です。
サーモスタットには「バイタル式」と「電子式」の二種類があります。「バイタル式」は安価ですが、汚れがたまりやすく、メンテナンスが必須です。「電子式」はやや高価ですが、安定性があり使いやすい種類です。
コケだけを食べさせることは限界がある
ここからはオトシンクルスの飼育のポイントについて調べましょう。オトシンクルスは水槽のコケなどを食べるので水槽の掃除人として有益な魚です。しかし、「コケや藻なら何でも食べる」というわけではないので、そのままにしてしまうと餌が不足してしまう恐れがあります。
そのため、人工餌などをあたえる必要が出てきますが、なかなか餌付いてくれません。おススメは沈下性タブレットですが、食べないときは冷凍アカムシなど生き餌を与えましょう。徐々に餌に慣れさせることが重要です。
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オトシンクルスの混泳は可能か?
オトシンクルスはおとなしい品種なので、他の魚を攻撃することは殆どありません。そのため、他の魚を攻撃しない魚ならば問題なく混泳することができるでしょう。
小型のグラミーやコリドラスならば相性も良くおススメです。同種での混泳もできますが、コケの食べ合いになってしまうことがありますので、餌が不足しないように注意はしておいてください。
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水草との相性がよい
オトシンクルスを飼育する際は水草も同時に導入することをお勧めします。産卵床や隠れ家にもなりますし、流木についた水草を導入すれば流木はオトシンクルスの食料にもなるので、コケが無くなったときも安心できます。多めに入れておくと水草にコケも生えてくるのでそれもうれしいですね。
オトシンクルスの繁殖は可能なのか?
水草を多めに入れ、オスとメスの割合を「2対1」にしておくと繁殖しやすいです。オスメスの見分け方としてはメスの方がやや腹が大きめな感じになっています。繁殖に成功すると、水草やガラス面に卵を産み付けますが大変小さいので見つけるのは難しいでしょう。
無事に孵化すると、3から4日は稚魚にエサを与える必要はありませんが、その後は「ブラインシュリンプ」などを与えてください。10日ほどになると人工飼料も食べるようになるので、今のうちに人工飼料に慣らしておくことも大事でしょう。
オトシンクルス飼育のまとめ
オトシンクルスの冬の水温には細心に注意を払うことが必要です。水槽用ヒーターは重要ですが、実に様々な種類がありますので、できればプロと相談しながら導入することがおすすめです。
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