底砂を口に含んではモグモグと噛んで吐き出す。
また口に含んでは噛んで吐き出し…。
大地をむさぼるかのような動きから、ゲオファーガスの仲間は「アースイーター」と呼ばれています。
ユニークな摂食行動と、飼い込むほど美しくなるゲオファーガスの魅力をご紹介しましょう。
この記事の目次
ゲオファーガスの基本情報
ゲオファーガスは南米原産の中型シクリッドの仲間。
同じスズキ科の仲間であるタイを馬面にしたような姿をしています。
伸びた口先を砂の中に突っ込み、咀嚼しながら餌だけを濾し取って食べます。
一見、灰白色の地味な魚ですがじっくり育成するとメタリックな発色を見せ、
背びれ、腹びれ、尾びれの先端が細くフィラメント状に伸び、たいへん美しい姿になります。
ただし、メスは地味な体色にとどまります。
成魚になるとヒレの大きさや体色で雌雄を判別できますが、
ショップで販売されているのは大半が幼魚なので選別が難しいところです。
群れの中でも大柄で顔のいかつい個体は雄である可能性が高いでしょう。
ゲオファーガスの飼育環境
ゲオファーガスの仲間は最大20cm程度。
大きくなりすぎず、同種間でほとんど争わないため飼いやすいのが特長です。
ただし、水槽内の砂はことごとく掘り起こしてしまうので水草水槽には向きません。
ワイルドものは河川、水系によって体色や模様に微妙な差があるため、
大型水槽でコレクションするのも楽しいでしょう。
繁殖も比較的容易で、メスが一定期間まで稚魚を口の中で育てるマウスブルーディングという行動を見せます。
交雑しやすいので多品種を混泳させている場合は注意してください。
ゲオファーガスの水槽
品種によっては60cm水槽から飼えます。
匹数に合わせたサイズの水槽を用意しましょう。
あまり水を汚さない魚なので、基本的に強力なろ過器は必要としません。
ゲオファーガスの水質
弱酸性~中性で25度付近の水温を維持できれば問題ありません。
水替え時の急激な水温変化には弱いので注意します。
ゲオファーガスの底砂
ベアタンクでも飼育できますが、砂を噛み続ける独特の生態を観察するなら底砂は必須です。
角の尖っていない小粒のものを選びます。
サンゴ砂は水質を弱アルカリ性に傾ける性質があるため避けます。
時間経過とともに泥状になる水草育成用ソイルもふさわしくありません。
砂が汚れないよう、水替え時は必ず専用のホースで掃除します。
年に1回程度、水槽と底砂の丸洗いができればベストです。
ろ過バクテリアが急減してしまうので、
水槽の大掃除とろ過器のフィルター交換は同時に行わないようにします。
ゲオファーガスの餌
砂の中の小さな生き物をあさる食性を、水槽内で再現するのは難しいところ。
幸いゲオファーガスは冷凍飼料や人工餌によく慣れます。
食欲旺盛で、沈下性だけでなく浮上性の餌にもよく食いつきます。
ゲオファーガスの混泳
魚食性が低いため、同サイズからやや小さめのサイズまで、ほとんどの魚種と混泳できます。
シクリッドとあまり相性のよくないプレコとも可能ですが、
あまり気性の荒いプレコだといじめられてしまいます。
ゲオファーガスの主な品種
ジュルパリ
ゲオファーガスを代表する品種。
東南アジアでのブリードものが盛んに輸入されており、飼育は容易です。
成長するとヒレや体がメタリックな青みを帯びます。
ゲオファーガス・レッドヘッド・タパジョス
名前の通り前頭部が赤く染まります。
体色は銀とグレーの縞模様で黒いスポットが入ります。
美しい魚ですがゲオファーガスの仲間ではやや気の荒い部類に入ります。
サタノペルカ ・ ダエモン
銀白色の体に大きな3つの黒斑が入ります。
ヒレがよく伸長し、白く輝くうろこが美しい人気種です。
ジュルパリ同様、飼いやすさが特長です。
ゲオファーガス飼育のまとめ
ゲオファーガスは幼魚の頃から砂を口に入れ始めます。
ひと粒だけ口に入れるのがやっとというサイズでも、懸命に頬張る姿は愛らしいものです。
テリトリーを主張することもなく、
のんびり牛のように底砂をはみ続けるゲオファーガスを眺めていると、ゆったりした気持ちになれますよ。
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この記事を書いた人:ひよこ亭
HN:ひよこ亭
自己紹介:熱帯魚歴20年。最近は日淡やらんちゅうにも凝り始めました。
好きな熱帯魚:プレコ、サカサナマズ