水槽にできたコケなどを食べてくれるありがたい魚が「オトシンクルス」です。では、オトシンクルスを繁殖させるにはどうすればいいのでしょうか。オトシンクルスの繁殖は、初心者には難しいとされていますが、ここで繁殖方法や稚魚の飼育の仕方についてご紹介してみましょう。
オトシンクルスを繁殖させるには
オトシンクルスは自然界では主に南米の川に分布している、全長は約5ミリくらいの小さな魚です。アクアリウムにおけるオトシンクルスは、水槽に発生したやっかいなコケなどを食べてくれる、水槽の掃除役という面があるため、飼育している人も多いようです。ただ、オトシンクルスの繁殖は、アクアリウム初心者にとっては簡単ではないとされています。
まず、オトシンクルスを繁殖させるには、ふんだんに水草を入れた水槽と、オスとメスのペアで飼育という環境がベストです。なぜ水草が必要なのかというと、水草は産卵場所や稚魚の住み家にできるという点があります。また、水草にできるコケもオトシンクルスの餌にできるし、オトシンクルスは水草も食べるので、いざというときの非常食にもできるからです。
オスとメスをペアにして飼育するわけですが、オトシンクルスのオスとメスの見分け方については、成熟したメスはおなかがふくらんでいるので、ふくらんでいるのがメス、そうでないのがオスということになります。オトシンクルスは水草や水槽のガラスに産卵します。卵は1ミリくらいの小さいものなので、肉眼で確認するのはやや難しいでしょう。
メスのおなかが小さくなったと思ったら、産卵している可能性があるので、注意深く卵を探してみましょう。卵から3日ほどで稚魚が孵化します。ただ、この稚魚も非常に小さいので、これも注意深く観察してみましょう。
オトシンクルスの産卵から孵化後も気を抜かず
難しいといわれているオトシンクルスの繁殖では、たとえ産卵〜孵化ができた!となっても、その後稚魚が「餓死」してしまうことがあります。これはがっかりな事態になりますね。そのため、餌をきちんと食べて成長させるため、孵化した稚魚は隔離する必要があります。
オトシンクルスの稚魚の間の住み家として、水が1リットルから2リットル程の入った水槽を使います。オトシンクルスを飼育していた水槽のなかの水を隔離用水槽に移し、そこに稚魚を移しましょう。生まれたオトシンクルスの稚魚は、メダカの稚魚などとおなじように「ヨーサック」という栄養分をおなかに持っています。
そのため、生まれた直後から餌やりをしなくてもよいのです。その後、3日〜4日ほどでヨーサックが小さくなっていくので、餌の「ブラインシュリンプ」「ドライイースト」を与えましょう。孵化してから10日くらい経てば、7mmくらいに成長するので、ここから人工飼料も与えることができるので、積極的に与えましょう。あまり食べてくれないかもしれませんが、餓死させないために早目に餌付けをする必要があります。その後すくすくと育つと、約1か月後くらいには12mmくらいになって、飼育が安定してできるようになります。
オトシンクルスの繁殖は水質管理が大事
オトシンクルスの稚魚の飼育の注意点としては、水質・水温の変化に弱いため、これをほうっておくとすぐに死んでしまいます。そのため、水質管理をよくしましょう。また、水替えのときも注意です。水を足すときや水換えでは、ちょっとずつ水を足していって、慎重に水質・水温を調節していきましょう。
水を足すときは、丸めたティッシュを紐状に、その片側を稚魚のいる水槽、もう片方をこれから足す水につけます。これなら水を徐々に足していくことができてより安全です。これくらいの配慮が必要なくらい、オトシンクルスの繁殖は大変なんですね。よい水質環境と適切な餌やりができれば、初心者にはきびしいとされるオトシンクルスの繁殖も、成功させることができるでしょう。
アクアリウム初心者にはオトシンクルスの繁殖は厳しいかも
オトシンクルスの繁殖方法についてでした。一般的に、オトシンクルスの繁殖は難しいとされています。なので、やはりアクアリウム初心者はまず難易度が低い熱帯魚からの飼育から始めて、水替えや餌やりに慣れてきたら挑戦してみるのもいいかもしれません。ただ、何気なくオトシンクルスを水槽で飼っていたら突然子供ができていた、なんて話もあるようです。
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