さて、もうひとつタンクメイト候補としてお勧めしたいのは「レッドラムズホーン」です。
これは、インドヒラマキ貝という種類のものが色彩変異を起こしたものですが水槽の中に小さな赤い花が咲いたかのように可憐に見える事からとても可愛いものです。
しかし、アクアリストの天敵でもあるスネールの一種でもあるとこから嫌っている人もいる事は事実です。
基本的にはこの「レッドラムズホーン」なのですが更に亜種として「ピンクラムズホーン」や「ブルーラムズホーン」と原種でもある「ラムズホーン」あたりが一般的に見られるものでしょう。
※水槽のコケを食べている「レッドラムズホーン」
レッドラムズホーンは、かなりの繁殖力
「レッドラムズホーン」は状況が整っている場合次々と増えていきます。
これは、「レッドラムズホーン」が雌雄同体である事も大きな要因です。
雌雄同体というのはひとつの個体がその時の状況応じて雄にも雌にもなれるという事です。これによって2体がいれば繁殖が可能であるという事になります。
更に、産卵期が決まっている訳ではないので次々の水槽の中で産卵・繁殖して行くのです。
その為、水草水槽をメインとされている方からその景観を崩す事から嫌われているのです。しかし、もうひとつ水草を食い荒らすとして悪者扱いをされているのですがこれは大きな誤解です。
誤解を解いておこう
実は「レッドラムズホーン」の口では元気に育っている水草の葉を削りとる事は容易ではありません。
特別に柔らかいものであれば話は別かも知れませんが枯れたりして腐敗の始まりかけている状態になって初めて齧る事が出来るのです。
ですから、どちらかと言えば葉の表面についたコケを取り水草が光合成をしやすくしてくける効果の方が高いのです。
又、「レッドラムズホーン」は雑食性ですから何でも食べます。
これは水槽の中のスカベンジャーとしてもとても有能である事を示しているでしょう。
※水草にとまっている「レッドラムズホーン」
更に役立つ性質
「レッドラムズホーン」はとても大食感です。その為にかなり大量の糞もします。
しかし、この糞は濾過バクテリアの良い住処にもなってくれるのです。
どうしても見た目が気になるという場合は少しを残して排水ポンプなどで吸い取れば良いでしょう。
そしてもう一つの優れた性質は、なんと水質センサーとしても役立ってくれるのです。
「レッドラムズホーン」は自分たちいる水槽の水質が悪化してくると水面近くへと上がって行く性質を持っています。
ですから、数匹の「レッドラムズホーン」を入れておくとその大半が水面近くへと上がってきた時は
何か水質に大きな良くない変化が起きているという目安にもなります。
こんな時に1/3程水替えをすると、するすると再び水槽の奥へと戻って行くのです。
最速の貝
「レッドラムズホーン」はとても移動する速度が速い事も特徴です。
ガラス面を貼っている時の速度はきっと貝の一族の中では最速でしょう。
60センチ水槽を横切って行く時を見ていたのですが2~3分ていどだった思います。
分速20センチと考えるとイメージしやすいのではないでしょうか。
又、「レッドラムズホーン」は自らの意思でガラス面から離れて水の流れに乗って一気に遠くへと移動する事もあります。
ぷかぷかと浮かびながら気に入った所で再び何かにひっついて活動を再開します。
※ガラス面を移動する「レッドラムズホーン」
貝殻が柔らかいので注意を
「レッドラムズホーン」の貝殻はとても薄くそして柔らかいのです。
その為、手で触った時も余程注意していないとすぐに潰れてしまいます。
感覚としては殻付ピーナツの内皮を割らないように持つくらいの感覚でしょうか。
その為、本来は貝食の性質を持っていない魚からも簡単に捕食されてしまいますし、その卵の食べられてしまいます。
プレコやオトシン等は確実に食べますし、我が家のディスカスたちも食べているようです。
出目金やランチュウなどの底餌を好む金魚も食べてしまうので育てるつもりならメダカやシュリンプ等が限界でしょう。
短い寿命
「レッドラムズホーン」は長くても1年程度しか生きられません。
その為にあのような強い繁殖力を持っているのでしょう。
そんな彼らを少しでも元気にしてあげようと思った時は動物性のエサとカルシュウム分を多く与えると良いようです。
成分的にはシュリンプやカメのエサがその条件に近いのではないでしようか。
水槽の中を自由に動き回る赤い旅人の魅力、少しは伝わったでしょうか。
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この記事を書いた人:EmiJah
自己紹介:
なんのかんので10年の熱帯魚歴になってしまいました。現在のメインは「ディスカス」。繁殖した、子ディスカスも元気に育っています。
好きな熱帯魚:
ディスカスを筆頭に淡水魚全般、魚以外も・・・。