ビーシュリンプの次は淡水カニが来る、とささやかれています。
日本の固有種サワガニや、カラフルな東南アジア産のものなど、
一般的な淡水カニ飼育法をご紹介しましょう。
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淡水カニの飼育情報
陸地と水場のあるテラリウムでの飼育が基本となります。
水位はカニの全身がつかるくらい。
エラ呼吸なので必ず陸地を設けましょう。
淡水カニは総じて高水温に弱い傾向があります。
30度を超えたら危険ライン。
水の容量が少ない分、水槽用クーラーが効きにくいので、
エアコンで部屋全体を涼しくしましょう。
淡水カニ飼育の水槽
一般的なガラス、アクリル水槽でもよいですが、
水槽の前面が低くなったテラリウム用水槽は立体感のあるレイアウトに向いています。
コード類や水草を伝って脱走することが多いので注意が必要です。
脱走に備えた蓋つきのものもあります。
物陰にひそむ傾向がとても強いので、あまり大きな水槽だと行方不明になってしまいます。
さほど数を入れないのなら幅45cmサイズで十分でしょう。
ヒーターと飼育器具
東南アジア原産のドワーフクラブ類はヒーターで加温して20~25度に保つ必要はあります。
15度程度まで下がっても耐えられますが、活性は鈍くなってしまいます。
夜行性のカニが多いので、水草を入れないなら照明なしでも大丈夫。
小さなLEDライトでも間に合います。
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淡水カニ飼育のフィルター
カニのみならろ過器なしでも飼育できますが、
魚と混泳させる場合は投げ込みフィルターや底面フィルターを入れておきましょう。
換水の頻度を考えるならば、カニだけの飼育であってもフィルターがあった方が有益です。
吐水口の向きを変えることで陸地部分にも循環できる、テラリウム用フィルターが便利です。
水槽の角に設置して、流木などで隠してしまえば目立ちません。
淡水カニ飼育の水草
ミクロスパイダークラブの仲間は浮き草を入れておくと、
根の部分につかまっている姿を見かけます。
野生下では根元に沸く微生物も食べているようです。
ホテイアオイが手頃ですが、園芸店のものは避け、
残留農薬をケアしているアクアショップで購入するようにしましょう。
底砂
大磯砂をはじめサンゴ砂など種類を選びません。
魚を飼育していた水槽の底砂を入れておくと、沸いている微生物を餌にします。
餌
冷凍アカムシや淡水カニ専用の餌を与えます。
雑食性の種が多いので、クロレラの錠剤など植物質の餌もローテーションに加えましょう。
混泳
サワガニやバンパイアグラブのように弱アルカリ性の水質を好むものが多いので、
グッピーやメダカと混泳可能です。
弱酸性の水質が理想的なカラシン、コリドラスなどとは合いません。
弱酸性の水に導入するとカニがPHショックを起こす可能性もあります。
グッピーやメダカは素早く泳げるのでカニに捕食されることはまずありません。
同居魚に白点病などが発生し、魚病薬を入れる場合は必ずカニを隔離します。
カニをはじめ甲殻類は薬剤にとても弱いので注意が必要です。
魚には効果的な量、平気な量でも、甲殻類には致命的になるのです。
淡水カニの仲間
サワガニ
オレンジ色のハサミが特徴的な日本の固有種。
弱アルカリ性の水質を好み、一生を淡水で過ごします。
甲羅は灰青色や茶褐色などバリエーションがあります。
ペットショップだけでなく、スーパーの鮮魚売り場で扱われていることもあります。
モクズガニ
サワガニと同じく川の中流域で見かけます。
名前の由来となった、ハサミに密生する細かな毛が特徴的です。
サワガニと異なり、繁殖のために一度海に降ります。
バンパイアクラブ
東南アジア原産。
入手しやすい小型の外国産淡水カニです。
濃い紫をベースにした体色に、黄色い目が怪しく輝いて見えます。
甲羅にも黄色い柄が入りますが、入り方には個体差があります。
ミクロスパイダークラブ
淡水カニの仲間にしては珍しく、エアレーションの効いた弱酸性の水質を好みます。
水深が深くても大丈夫なので、最も熱帯魚との混泳に向いたカニと言えるでしょう。
物陰に隠れる習性が強く、甲長約1cmと小さいので、
やや鑑賞に物足りなさのあるところが玉にキズです。
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淡水カニ飼育のまとめ
繁殖まで視野に入れて、本格的飼い込むならテラリウムが必要ですが、
熱帯魚水槽にサテライトを入れて飼育している人もいます。
熱帯魚ともビーシュリンプとも違う、淡水カニの魅力にぜひ触れてみてください。
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