濾過バクテリア、とても不可思議でありなおかつ何と魅力的な言葉でしょうか。
アクアリウムを始めた時からいつもよく聞く言葉です。
しかし、この濾過バクテリアって本当はどんなものなのでしょうか。
そしてどのように管理していけば良いのかについてお話して見ようかと思います。
濾過バクテリアって何?
アクアリストにとって濾過バクテリアという存在は無視する事が出来ないものです。
濾過には大きくわけて二つの種類があります。
所謂、物理濾過と生物濾過です。
物理濾過とはフィルターなどで水の中にあるゴミを取り除く事を指しています。
当然、細かいものになるほど微量のゴミまでも除去してくれます。
しかし、それだけでは水槽の飼育水は綺麗にはなりません。
何度も何度も濾過しても物理濾過では対応できない限界があります。それが有機物と呼ばれるものです。
そしてこの有機物を分解してくれる存在が濾過バクテリアです。
亜硝酸塩・硝酸塩・アンモニアなどが水槽の中でどのようにして変化して発生しているのかと言う事はここでの説明は省きます。
と、いうよりも別に科学者になりたいのではなく飼育水を綺麗にしたいだけですからその内容だけに絞って話を進めていきましょう。
コンピューターのプログラム言語を知らなくてもパソコンやスマートフォンは使えます。
それと同じような感覚でとらえて頂きたいのです。
濾過バクテリアの入手
ペットショップのアクア用品のコーナーへ行くと濾過バクテリアと名がついた商品が所せましと並べられています。
これらの多くは休眠バクテリアと呼ばれる状態にあります。
休眠ですから眠っているという意味です。これらのものは液体であるものが殆どです。
そして、密封されている状態で販売されていますが意外に高額なものです。
この液体を水槽に入れると眠っていた濾過バクテリアが目を覚まして水を綺麗にしてくれるというのが原則です。
何で水に入れるとバクテリアは目を覚ますの?
では、なぜ水に入れる事で目を覚ますのでしょうか。
それは密封されて売られている事に秘密があります。
密封されていた液体を水槽へと入れる、水に入ったから目覚めるのではない事が既に分かると思います。
そうです、水中の酸素に触れる事により目覚めるのです。
ここで感の良い方は気付かれたでしょうか。
酸素にふれて目覚めるのであれば密封された容器を開けただけでも目覚めるのではないかということです。
実はその通りです。酸素に触れた液面分のバクテリアは目覚めます。
しかし、そこから増殖していくのに必要な酸素には足りないのです。
その為、何度も開け閉めを繰り返して長期的に保存したバクテリア液はその期間が長くなるほど効果が薄れるのです。
好気性バクテリアってなに?
このように酸素を必要としている濾過バクテリアを好気性バクテリアと呼びます。
反対の性質を持っているものは嫌気性バクテリアと呼んでいます。
かつては、この嫌気性バクテリアを主成分としていた商品も販売されていました。現在も多少は継続して販売されています。水草水槽等でなければあまり使う事は無いでしょう。
では、好気性バクテリアは休眠バクテリア液を購入するしか入手できないのでしょうか。
いいえ、それは違います。実はもっと簡単かつほぼ無償でも入手可能です。
濾過バクテリアの増殖
濾過バクテリアは実は大気中に存在しています。
彼らがその活動を開始しないのは水中に居ないからです。
つまり、水に落ちて十分な酸素が供給されると活動を開始して自然に増殖して行くのです。
極端な例ですが、真新しい水槽・カルキ抜きをしない水道水という環境であっても強いエアレーションを行い一週間も放置しておくと信じられない位の綺麗に飼育水が出来上がります。
多種多様な薬剤や休眠バクテリアの素はこれらの過程を時間的に省略する為のものであると良いでしょう。
せせらぐ川の水があんなにも綺麗なのも同じ理由です。
もし、既に観賞魚を飼っている水槽があるのならばそこの水にも既に濾過バクテリアが含まれているのです。
この水を貰って新しい水槽の飼育水のベースにするとすでに育っている濾過バクテリアが増殖してくれます。
同じように底砂を半分使ってみたり時には物理濾過の濾過材を移動して使う事で簡単に濾過バクテリアを増やす事ができるようになるのです。
さて、この次は具体的な濾過バクテリアの管理方法をお伝えしていく事と致しましょう。
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