フグ独特の丸っこい体形に、金色にふちどられたつぶらな瞳のミドリフグ。
餌をねだって上下にちょこまかと泳ぐ姿は可愛さ抜群です。
飼育者にとてもよくなついてくれるので、さらに愛おしさも増します。
小型水槽で飼育できるアクアリウム界屈指の愛されキャラを、ぜひお手元にどうぞ。
はじめてのアクアリウム:全記事一覧はこちら
ミドリフグの基本情報
最大約15cmに達する東南アジア原産の小型フグ。
海水と真水の混ざった環境・汽水に生息します。
10cm程度に育つまでは汽水で飼育し、以降は徐々に塩分濃度を上げ、
最終的には海水で飼育すると長生きするといわれています。
海水は必ずしも絶対条件ではなく、塩分濃度1/2でも終生飼育できます。
ミドリフグの飼育情報
真水(淡水)では長期飼育できないため、汽水を用意します。
海水魚飼育に用いる「人工海水の素」を規定量の1/4~1/2程度使用します。
ミドリフグを購入するショップを決めておき、
事前にお店の塩分濃度を聞いて合わせておくとよいでしょう。
夏場は飼育水が蒸発して、次第に塩分濃度が上がってしまいます。
水替え時に水位をよく確かめ、下がってきたら真水を足しておきます。
ミドリフグ飼育における最大の難関は突然の拒食です。
それまで好物だった餌に見向きもしなくなり、次第に痩せ衰えていってしまいます。
はっきりした原因は分かっていませんが、
水質悪化が考えられるのでまず水換えして様子を見ます。
1~2週間かけて水温を25度から徐々に28度まで上げたり、
食いのよい生餌にすることで治る例もあります。
ミドリフグの水槽
45cm~60cm水槽で飼育できます。
ろ過に余裕を持たせるなら60cmが望ましいのですが、
混泳のできないミドリフグのために大きな水槽を用意できない場合は45cmでよいでしょう。
丸っこい体形から想像のつかないジャンプ力の持ち主です。
水槽の蓋はしっかり閉め、パイプとの隙間もふさいでおきます。
ミドリフグの水質
濃度1/4~1/2程度の海水(汽水)。
弱アルカリ性を保つため、ろ材にサンゴ砂を用います。
汽水は淡水に比べろ過バクテリアが沸きにくい環境です。
通常、新しい水槽を立ち上げる際には1週間ほど水だけを循環させてろ過バクテリアを繁殖させますが、
汽水さらにもう1週間余裕を持って水作りします。
強い水流を好まないので、海水使用に耐えられる外掛け式のフィルターを用います。
エアレーション用としてスポンジフィルターを追加してもよいでしょう。
ミドリフグの底砂
掃除の簡単なベアタンクか、薄くサンゴ砂を敷きます。
サンゴ砂を用いた底面ろ過も効果的です。
アンブリア、アヌビアス・ナナ、アポノゲトン・クリスプスなど塩分の強い環境で育つ植物もありますが、
水草育成はあまり考慮しません。
ミドリフグの餌
肉食傾向が強いので冷凍アカムシやクリルを好みます。
コンスタントに用意するのは大変ですが、軽く茹でたアサリ、シジミ、
釣りの餌として売っているオキアミ、観賞用のヤマトヌマエビやミナミヌマエビも好みます。
ミドリフグは不意に拒食することがあります。
日頃から餌のバリエーションを増やしておくことで乗り切りましょう。
消化不良も拒食の一因と考えられているので、与えすぎに注意します。
お腹がふくれすぎない程度にとどめましょう。
ミドリフグの混泳
汽水という特殊な環境であること、他魚のひれを齧る性質から混泳には向きません。
フグの仲間同士でも争うので単独飼育が最も安全ですが、
ミドリフグだけを数匹泳がせて上手くいっているケースもあります。
その他の品種
アベニーバファー
ミドリフグと同じ小型フグですが、淡水で飼育できるのが魅力です。
生餌や冷凍アカムシを好む点、他魚のひれを齧るため単独飼育が望ましい点は同じです。
ハチノジフグ
背中の模様が「8」の字に見えることからこう呼ばれます。
ミドリフグ同様、汽水で飼育します。
ミドリフグよりやや大型に育ちます。
キュートで可愛い汽水魚のミドリフグのまとめ
汽水の用意や餌のバリエーション、高温に弱いことなど飼育の難しさはありますが、
餌を求めてちょこちょこと寄ってくる姿を見ると苦労も吹き飛びます。
単独飼育を逆手にとって、お気に入りの一匹をじっくり可愛がってあげてください。
はじめてのアクアリウム:全記事一覧はこちら
関連記事:絶対抑えておくべきフグの歯切り方法について伝授します!
よく読まれている記事
よく読まれている記事:ビオトープでカメを飼育してみよう
よく読まれている記事:熱帯魚飼育に揃えておこう7つのアクア用品
よく読まれている記事:水換え不要?エコ・バイオリング/バイオミニブロックの効果は嘘なのか?実際に効果など批評レビューしてみた
この記事を書いた人:ひよこ亭
HN:
ひよこ亭
自己紹介:熱帯魚歴20年。最近は日淡やらんちゅうにも凝り始めました。
好きな熱帯魚:プレコ、サカサナマズ