成長するときに、脱皮を繰り返しながら大きくなっていくレッドビーシュリンプ。
成長のためもありますが、成熟したレッドビーシュリンプにとって、
メスの脱皮は抱卵の舞の前の出来事でもあることから、その目安になるとも言える行動となっています。
今回はレッドビーシュリンプの脱皮の前兆と周期について考えてみましょう。
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脱皮のタイミング
レッドビーシュリンプは、メスが脱皮すると交尾のための抱卵の舞が起こります。
それは殻に含まれるキトサン物質が水槽内に放出されて、
それにオスが反応するためと考えられています。
抱卵後に脱皮をすると殻ごと卵が落ちてしまうので(脱卵)理にかなっているとも言えます。
レッドビーシュリンプのメスの脱皮は抱卵の前の証拠です。
ちなみに、抱卵の舞を促す市販の添加剤には、このキトサン物質が含まれています。
水換えすると脱皮する
レッドビーシュリンプのもとであるビーシュリンプは、香港原産のヌマエビです。
山の上流から雨季にきれいな水が流れてくると、脱皮して抱卵すると言われていることから、
その流れを見ても脱皮が水換え後に起こりやすいことがよくわかります。
水換えのあとは注意してみておくと良いでしょう。
卵巣の色を見る
レッドビーシュリンプの脱皮のタイミングをはかるものとして、
見てわかりやすいのはメスの卵巣だと言えます。
レッドビーシュリンプのメスは頭部に卵巣があり、そこが黒っぽく透けて見えるようになると、
間もなく脱皮をすると言われています。
よく卵巣を観察すると、中に卵があるのもわかります。
そうなると、若いメスであれば4~5日で脱皮をします。
頭と胴体の境目を見る
レッドビーシュリンプが交尾するときは、メスが脱皮をして、
身動きが取りにくいところをオスが捕まえて交尾する、と言われています。
脱皮が近いと、頭と胴体の境目に隙間ができます。
脱皮をすると抱卵の舞が起きて交尾をし、交尾したメスは抱卵のために水草の陰などに隠れます。
脱皮が近いと頭と胴体の境目に隙間ができるのはオスも同じです。
じっとしているかどうかを見る
抱卵前のメスに限らず、レッドビーシュリンプの脱皮前の個体は、
他の個体が餌を食べていても、静かに奥の方でじっとしていたりします。
脱皮には体力がいるので、離れて水草などに隠れていることが多くなり、
元気がないように見えたりもします。
じっとしているようになったら、普段より注意してよく観察をしておくと良いでしょう。
脱皮の周期
レッドビーシュリンプは通常、満月と新月の周期で脱皮をすると言われていますが、
水換えをしたときなどにも脱皮をするため、はっきりとしたことは定かではありません。
稚エビから成熟するまでと、成熟してからでは周期が違うとも言われています。
成長のスピードに伴って、脱皮の周期が変わるとも言えるでしょう。
脱皮した殻は捨てるべき?
脱皮した後の殻はレッドビーシュリンプが食べるので、
そのまま水槽に置いておいて大丈夫です。
食べ残されてカビが生えるようになってしまったら出さないとだめですが、
1~2日で食べてしまいます。
レッドビーシュリンプの殻はクチクラと表皮細胞で出来ており、
レッドビーシュリンプにとっても貴重な栄養源になっていると言えるので、
あまり気にすることはないと言えるでしょう。
脱皮の前兆や周期なども含めて、まだわからないことの多いレッドビーシュリンプ。
わからないことが多いぶん、少し神秘的な存在でもあります。
日頃からよく観察するようにすれば、あまり知ることの出来ない脱皮そのもののことや、
正確な脱皮の周期の傾向もわかるようになるかもしれません。
奥深いレッドビーシュリンプをもっと観察してさまざまなことを知りたいですね。